表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/1063

第7話02憎しみの創造

生き残った者たちは、ただひたすらジャングルの奥へと逃げ、命を繋ぐしかなかった。


生い茂る密林の中、荒れ果てた大地を踏みしめながら、飢えと疲労に耐え、仲間たちは進んだ。木々の葉が太陽を遮り、昼間でも薄暗い森の奥。湿った空気が肺を満たし、どこからか獣の遠吠えが響く。


こんな日々、もう耐えられない……!


拳を握りしめ、歯を食いしばる。


どんな犠牲を払ってでも、必ず——

必ず、兄弟たち、友人たち、家族に安らぎを取り戻してみせる!


——視点は現在に戻る。


「……お前か。死んだ爺さんかと思ったぜ。」


低くかすれた声が、静寂を破る。


倒れていたニクスが、ゆっくりと目を開けた。視界に映ったのは、どこか懐かしい人物の姿——


村長。


「……村長、帰ってきたんですね!」


ニクスの目が驚きと喜びに揺れた。血まみれの顔に、安堵の笑みが浮かぶ。


「……あぁ、帰ってきた。」


村長は静かに、しかし確かな声で答えた。その視線はまっすぐに前を向き、揺るぎない決意が滲んでいる。


「こいつは、なかなかやるな……だが、心配はいらん。」


村長はニクスを見下ろし、力強く言った。


「お前は、よくやった。あとは俺に任せろ。」


その言葉とともに、一歩、前へと踏み出す。


「カニディ——準備をしておけ。」


しかし、カニディが返事をする暇すらなかった。


次の瞬間、村長の姿が消えた。


——否、違う。


目にも留まらぬ速さで目の前へと現れたのだ!


「——ッ!!」


カニディが驚愕する間もなく、村長の左ストレートが炸裂する!


ドンッッ!!


拳がカニディの腹に深々とめり込み、衝撃が全身を貫いた。彼の体は弾丸のように吹き飛ばされ、空中で何度も回転しながら、猛スピードで宙を舞った!


——だが、ギリギリのところで火焰将軍が受け止める!


「ぐっ……!」


カニディの体を支えながら、火焰将軍が歯を食いしばる。しかし、その瞬間——


村長の姿が、再び消えた。


「——!? 来る!」


次の瞬間、村長は再び目の前に現れ、今度は左手を地面に突き、驚異的なスピードでスウィープキックを繰り出した!


「クソッ!!」


火焰将軍は即座に防御の構えを取った。だが——


——その防御ごと、一撃で粉砕された。


バギィィンッ!!


火焰将軍の巨大な体が宙を舞い、そのまま地面へと激突する。地面が割れ、轟音とともに土埃が舞い上がった!


だが、村長の猛攻は止まらない。


「まだ終わらん!」


——殺到する影。迫る衝撃!


村長はすでに次の攻撃へと移っていた!


「クソッ……!」


しかし、カニディはすぐに反応し、火焰将軍と共に横へと跳ぶ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ