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第6話13円舞曲・連撃

ニックスの猛攻は、まるで嵐のごとくカニディの炎の鎧へと襲いかかった。

「一度で駄目なら二度! 二度で駄目なら四度! お前の鎧が砕け散るまで、俺は斬り続ける!」

彼の剣は、流麗な舞を描きながら、立て続けにカニディを斬りつける。激しい連撃が火花を散らし、ついに鎧に微細な傷を刻んだ。

――ニックスの奥義、「円舞曲・連撃」。


しかし、カニディは余裕を崩さぬまま、僅か一撃でニックスを蹴り飛ばした。その衝撃は岩を砕くほどの威力を持ち、ニックスの身体は宙を舞い、荒々しく地面を転がる。


さらに追い打ちをかけるように、カニディの炎の鎧が――まるで時間を巻き戻すかのように、驚異的な速度で修復されていく。


「無駄だ。」

燃え盛る眼光をニックスに向けながら、カニディは静かに言い放つ。

「君の攻撃では、私の防御を突破することはできない。」


ニックスは荒い息を吐きながら剣を握り直した。

(どうする……?)

圧倒的な回復力を前に、戦略を練る時間さえも与えられない。


カニディは悠然と両腕を広げると、力強く手を叩いた。

その瞬間――爆発的な炎の衝撃波が周囲へと解き放たれる。大地が焦げ、灼熱の風が荒れ狂い、まるで地獄の業火が戦場を飲み込むかのようだ。


「広範囲攻撃か……?」

ニックスは咄嗟に剣を構え、再び円舞曲の動きを刻んだ。


「広く攻撃するということは、威力が分散するということ。」

カニディの瞳が鋭く光る。


その言葉と同時に――彼の身体が閃光のごとき速度で消えた。


「――っ!」


次の瞬間、カニディはニックスの足元に現れた。空間が歪むほどの猛加速。その拳が、まるで隕石のように振り抜かれる。


ドンッッ!!!


鋼鉄すら粉砕する一撃がニックスの腹部を貫き、轟音と共に彼の身体は弾丸のように吹き飛ばされた。

地面を削りながら、ニックスは10メートル以上も転がり、激しく地面に叩きつけられる。


息が詰まるほどの衝撃。全身が痺れ、指先すら思うように動かない。

それでも――ニックスはゆっくりと立ち上がった。


そして、震える口元に、かすかな笑みを浮かべる。


「……君を倒す方法が、分かった。」


カニディの視線が僅かに揺らぐ。


「例えば、紙を広げた状態では、簡単に攻撃が貫通する。でも、それを丸めてしまうと、防御力は格段に増す。」


ニックスは剣を構え、鋭い眼差しで前を見据えた。


「攻撃も同じだ。力を一点に集中させれば、その威力は――絶対に突破できない壁をも砕く。」




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