第39話 02 漆黒の洞窟
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「よし、ここからは俺に任せろ!!」
ボーディが顔を上げる。燃え上がるような戦意が目の奥に宿り、拳を握る手が微かに震えていた。腕を伝う強酸の滴が地面へと落ちた瞬間、石が溶け、大地がただれた跡を残す。
彼の声には興奮が滲み、さらにその奥には復讐心さえも感じられた。
「前回は俺のせいで奴らを逃がした……だが、今回は違う!」
獰牙は目を細め、冷笑を浮かべる。
「俺に任せろ。俺の毒霧の中では、俺だけが奴らの居場所を把握できるんだ。無茶するなよ、このバカ。」
獠牙はからかうように言いながらも、その声には一抹の心配が混じっていた。
毒霧が再び激しく渦を巻き、まるで黒炎のように蠢きながら全員を包み込んでいく。獰牙の声が毒霧の中から響き渡る。
だが——
ボーディはゆっくりと口角を上げ、鋭い牙を覗かせながら不敵に笑った。目を閉じ、深く息を吸う。
「目なんて必要ない……」
次の瞬間、彼は目をカッと見開き、拳を固く握りしめた。灼熱の強酸が拳を包み込み、揮発する煙が辺りを歪ませる。彼の体は一瞬沈み、そして——
「そこにいるんだよ!!!」
爆発的な勢いでボーディが突進する!彼の速度は音を超え、毒霧の中に影すら残さないほどの瞬発力だった。
そして、拳が一直線に放たれる——
轟音とともに、大気が震えた!
——だが、その瞬間、炎が巻き起こる。
突如、毒霧の中から燃え盛る火の壁が現れた!燃えさかる炎が鮮やかな赤色の障壁となり、ボーディの攻撃を阻む。
「こんな壁で俺の攻撃を止められると思うのか?」
ボーディの眼光がさらに鋭くなり、拳に宿る強酸がさらに強く揮発する。熱に歪む空気の中、拳が火の壁へと突き刺さる。
ジュゥゥゥ……!
炎は酸によって溶かされ、壁が一瞬にして崩れ落ちる。そして——
ドガァァン!!
ボーディの拳が、サンディの腹部を直撃した!
「ぐっ……!!!」
サンディの身体は宙に舞い、壁を突き破りながら後方へと吹き飛ばされる。崩れた瓦礫が辺りに飛び散り、戦場はさらなる熱を帯びていく。
サンディの姿は砲弾のように吹き飛ばされ、空気を切り裂きながら高空へと舞い上がった。しかし、彼が地面へと落下すると思われたその瞬間——彼の身体は突如として花火のように炸裂し、鮮やかな炎が夜空に咲き誇った。無数の火花が四方へと散り、やがて完全に消え去る。




