表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

595/1126

第38話 最終章 すべてを賭けましょう



だが、計画が順調すぎる……順調すぎるのは、時に不吉な兆候でもある。


その瞬間、空気がピタリと凍りついた。


次の瞬間――凄まじい衝撃が炸裂した!


「ドォン――!!」


目に見えぬ巨大な力が戦場を蹂躙する。まるで巨大な獣の尾が薙ぎ払ったかのように、全員が吹き飛ばされ、地面へと叩きつけられた。


砂塵が舞い上がり、木の葉が乱舞する。四つの影が無惨にも地面に転がり、鈍い衝突音が響く。


ザックの意識が揺らぎ、耳鳴りがこだまする。肺が焼けつくように痛み、内臓を殴りつけられたような衝撃が身体を貫く。それでも、彼は歯を食いしばりながら、必死に顔を上げた。


――何が起こった?


視線の先、そこにいるはずの獣牙は、悠然と森の奥から姿を現していた。


地面に倒れ伏していた"はず"の男が、まるで何事もなかったかのように、ゆっくりと歩み寄る。その唇には冷笑が浮かび、その瞳にはあざけりの光が宿っていた。


「……危なかったなぁ。いや、"俺"はとっくに囮だったんだけどな?」


牙の声は低く、冷たい。獲物を追い詰めた捕食者が、余裕たっぷりに語るような響きを持っていた。


「ただの毒ガスで作った分身に、ここまで全力で挑んでくれるとはね……」


ザックの瞳が驚愕に見開かれ、心臓が一瞬だけ凍りつく。


――罠だったのか!?


牙が手をゆっくりと掲げると、その掌に紫色の毒の靄が漂い始めた。死神がそっと手招きするかのような、不吉な光景だった。


「さて……最適なタイミングを逃した君たちは、これからどうするつもり?」


牙の唇が皮肉げに歪む。その表情には、勝者としての余裕しかない。


倒れ伏していたボーディもまた、ゆっくりと起き上がり、衣服についた埃を払った。その仕草には、もはや戦いに対する緊張感など微塵も感じられなかった。


――冷静を取り戻す時間、ゼロ秒。


牙は愉快そうに肩をすくめ、彼らを見下ろしながら告げる。


「"奪還ゲーム"は、もう終わりだよ?」


彼の目が鋭く光る。その瞳には、まるで捕食者が獲物を弄ぶかのような、冷たくも残忍な輝きが宿っていた。


「さあ、次はどうする?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ