第38話 13 聖光降臨
「ナイト!」ザックが叫ぶ。
「足止めするしかない!」
ナイトは一瞬の迷いもなく、大剣を振りかぶるとそばの大木へ向かって渾身の一撃を叩き込んだ。
「バギィィンッ!!」
分厚い幹が真っ二つに裂け、巨木は轟音を立てながら倒れ込む。その先には——宙を飛ぶ魔獣!
ナイトは剣を構えながら僅かに眉をひそめる。
「これで止まるか……?」
その疑念は、すぐに現実となった。
魔獣は落ちてくる木を爪で引き裂き、勢いこそ削がれたものの、なおも再び立ち上がろうとしていた——!
だが、その瞬間——
「巨大化!」
ザックが鋭く叫び、彼の手から魔法の波動が奔った。
直後、魔獣の上に倒れていた木が一瞬で巨大化し、さらにその重みを増していく!
「ドガァァァン!!」
再び魔獣の体が地面に叩きつけられ、大地が揺れるほどの衝撃が響き渡った。
このチャンスを逃すわけにはいかない!
四人は一斉に駆け出し、全速力で闇の奥へと疾走する——!
「よくやった、ザック!」ナイトは興奮気味に叫び、口元に満足げな笑みを浮かべた。
四人はすぐさま隊列を整え、エイトが先頭に立ち、ナイトが殿を務め、ザックとサンディが中央を走る形で、魔物に包囲されたこの絶望的な状況から全速力で脱出を試みた。だが——
危機はまだ終わっていなかった。
エイトが前へと踏み出そうとした瞬間——
右側の影の中から、疾風のような動きで魔物が飛び出してきた!
鋭い牙が月光を反射し、不気味な光を放つ。目標はエイトの喉元——
「死ね。」
エイトの目が鋭く光る。
手にした双剣が、一瞬の閃光となって宙を裂く。
「シュッ——」
その鋭い刃が、死神の鎌のごとく、寸分の狂いもなく魔物の首を切り裂く。
「グシャッ!」
刃が肉を裂く生々しい音が微かに響く。
魔物は悲鳴を上げる間もなく、すでに空中で絶命していた。
暗闇の中、血の花が咲き、その無力な身体は地面に崩れ落ち、四人の背後に冷たい亡骸として転がった。
「このままじゃキリがないな……!」
エイトは眉をひそめ、わずかに焦燥の色を浮かべた。
彼らはすでに一部の追手を振り切ったが、それでも後方から魔物たちは際限なく湧き出し、まるで果てしない波のように押し寄せてくる。その圧倒的な数に、じわじわと息苦しさを覚えるほどだった。
「サンディ、準備はいいか?」
エイトは疾走しながら、中央にいるサンディに声をかける。
しかし、その瞬間——
背後から、一体の魔物が忍び寄り、音もなくサンディの背中へと飛びかかる!
鋭利な爪が彼女の首筋を貫こうとした、その時——
「ドォンッ!!」
燃え盛る炎の壁がサンディの背後に突然現れた。
赤々と燃え上がる炎が、まるで怒れる龍のように魔物を包み込み、激しく焼き尽くす。
断末魔の叫びすら上げることなく、魔物は一瞬で黒焦げとなり、灰となって夜風に舞い上がった。
しかし、サンディはまるで気にすることもなく、凛とした表情で静かに頷く。
「ええ、準備完了よ。戦いが始まってから自動防御魔法を展開していたから、すでに魔力は十分に溜まってるわ——」
彼女は魔杖を高々と掲げ、まばゆい金色の魔力が杖の先端に凝縮される。
そして——
「——超・大・聖・光!!」
聖なる光が世界を覆い尽くす。
夜の闇を完全にかき消すほどの強烈な閃光が、戦場を瞬く間に飲み込んだ!
太陽が地上に降り立ったかのような神々しい輝きにより、魔物たちは一瞬にして視界を奪われた。
彼らは混乱し、怯えたように吠え、震えながら後ずさる。四肢をばたつかせ、爪を地面に突き立てるが、足元の感覚すら掴めない。
この圧倒的な光の中で、彼らの感覚は狂い、意識すらも眩暈の波に飲み込まれた。




