第6話 13ジャングルの中は灼熱の気温でした
烈火の空中戦
カニディの体が空中で炎を纏い、まるで彗星のように燃え上がる。
彼の手のひらから噴き出す業火が 猛獣の咆哮 のごとくうねり、赤々と燃え盛った。
そして——
「終幕だ!」
カニディは 猛然と急降下する。
彼の周囲に渦巻く炎が 尾を引く流星 のように光り、空気を切り裂いていく。
ニックスはすぐに回避しようと身を翻した。
だが——
「くっ……!」
足首に走る 鋭い痛み 。
以前の捻挫が、ここにきて 彼の動きを鈍らせた。
——ドゴォォン!!!!
カニディの着地とともに 轟音と衝撃波 が炸裂し、大地が崩れた。
熱波が吹き荒れ、ニックスは衝撃の余波に巻き込まれながら、地面を転がった。
—森が燃える。
木々が次々と 燃え尽き、崩れ落ちる。
大地は焦げ付き、灼熱の地獄 と化していった。
その炎の海の中から、カニディがゆっくりと姿を現した。
「なかなかやるじゃないか。」
彼は余裕の笑みを浮かべ、肩を軽く回した。
「君みたいな奴は気に入ったよ。でも——」
彼は両手を広げ、炎を纏わせる。
「このコンサートも、そろそろ終わりだな。」
炎の幕が上がる。
カニディの背後に、突如として バスケットボールほどの巨大な火球 が無数に浮かび上がった。
燃え盛るそれらは、まるで 血のように赤く、灼熱の塊 だった。
「この技で君を片付ける。」
——そして 開幕 する。
炎の弾幕が、矢の如くニックスを襲った。
——ゴォォォォ!!!!
「くそっ……!」
ニックスは瞬時に身体を低くし、一発目の火球をかろうじて避ける。
しかし 次々と襲いかかる火球 。
左に、右に、しゃがみ、跳び、くぐり抜ける。
だが——
カニディが ニックスの跳躍のタイミングを見極めた。
「もらったぞ!」
彼の手のひらに、一際巨大な火球が凝縮される。
それはまるで 太陽の欠片 のように眩しく、燃え狂っていた。
——そして、それがニックスを 正面から捉えた瞬間。
「……っ!!!」
ニックスの体が、空中でありえない動きを見せた。
——360度回転。
まるで神業のような動きで、ニックスは軌道をずらし、火球を回避した。
そして 地面に見事に着地する。
カニディの目が僅かに見開かれた。
「……ほう?」
彼はゆっくりとニックスを見つめ、口角を上げる。
「なるほど……お前の魔力神経——
さっきの一瞬で 1レベル以上上昇したな。」
彼の目には、ニックスの異変がはっきりと映っていた。
反応速度、筋力、敏捷性——
どれも異常なまでに向上している。
カニディは 低く笑った。
「なかなか珍しいな。」
しかし、ニックスは 一言も発しなかった。
彼は静かに 剣を握り、前へと進み出る。
カニディは、それを 迎え撃つように腕を広げた。
「さあ——来い。」
そして——
ニックスの剣が、渾身の力で振り抜かれた。




