表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

585/1141

第38話 08 「奪還作戦、開始!」

「こんなにいいものを持っているなら、なぜ今まで出さなかったんだ?」


ナイトは眉をひそめ、少し疑問を含んだ声で言った。


ザックは壁にもたれかかり、口元にわずかな笑みを浮かべながらも、どこか諦めたような表情を見せた。


「さっき言ったばかりだろ?」

彼の声は静かでありながら、どこか確信に満ちていた。


「この薬は体力を激しく消耗する。つまり、短期決戦にしか使えない。もし短時間で敵を倒せなかったら、効果が切れた瞬間、俺たちは全くの無防備になる。ただの的に過ぎなくなるんだ。もし、さっきこの薬を使っていたらどうなっていた? その時、俺たちはまだ石を持っていた。あいつらは執拗に追ってきて、戦闘時間はどんどん長引く……そうなれば、待っているのはもっと最悪な結末だ。」


ザックは一度言葉を切り、目を細めた。闇の中で、その瞳は深く光を湛えていた。


「さらに重要なのは——この薬を飲んだからといって、俺たちの力があいつらを上回るわけじゃない。むしろ、互角に戦うことすら幻想だ。だから、今回の計画は最初から正面からの戦いではない。


——石を奪い返す、それが目的だ。」


彼はゆっくりと顔を上げ、その目に強い意志の光を宿した。


「さっき、サンディに元いた場所に魔法陣を仕掛けさせておいた。まずやるべきことは、石が誰の手にあるのかを見極めること。そして、石を手に入れたら即座に集合し、魔法陣で転送する。それ以外のことは考えるな。」


ザックは手の中の小さな薬を強く握りしめた。その指先は白くなり、微かに震えていた。


「この薬の真の役割は……ほんのわずかの間、生き延びる時間を稼ぐこと。それだけだ。」


そう呟くと、彼は小さく息を吐き、ふっと笑った。


「でもな……たとえ最後に負けたとしても——俺は、人生で一番楽しい冒険だったって思うよ。」


「ったく、」 ナイトは苦笑しながら、軽くザックの肩を拳で叩いた。


「なんでそんなに悲観的なんだよ?」


彼は口角を上げ、まっすぐザックを見つめた。


「これは俺たちの最後の冒険じゃない。始まりだろ? 言ったよな——俺たちは必ずこの困難を乗り越えて、


——頂点まで一緒に行くんだって!」


風が吹き抜け、空気の中に戦意が燃え上がった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ