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第6話12全力で

戦場に、火花と衝撃が飛び交う。


カニディの猛攻が、まるで猛火の嵐のようにニックスへと襲いかかる。


だが——


「……何?」


彼の拳が、爪が、炎の刃が——全て弾かれた。


まるで見えない壁があるかのように、ニックスが完璧に受け止めたのだ。


カニディの目がわずかに細まる。


「ほう……」


その瞬間、ニックスの瞳に宿る 烈火のような怒り を見た。


「お前は許さない。絶対に——殺してやる!」


怒りを込めた声が、まるで雷鳴のように戦場に轟く。


その刹那——


——ゴゴゴゴ……!!


白い魔力が、渦を巻く。


ニックスの体から、まるで神聖なる焔 のような光が立ち上り、空気を揺らす。


大地が震え、周囲の草木が魔力の波動に飲まれ、ざわめき始めた。


カニディが口元を歪める。


「……面白いな。」


不敵な笑みを浮かべながら、彼はゆっくりと拳を握りしめた。


「なるほど……怒りによって魔力の神経が完全に開放された、というわけか。」


——刹那。


ニックスが一歩踏み出す。


カニディもまた、足に力を込める。


——次の瞬間。


ドンッ!!!


二人の影が 閃光のように交錯した。


爆発的な衝撃が大地を裂き、風を引き裂く。


周囲の大木が 軋みながら傾ぐ。


剣と拳がぶつかるたび、火花が飛び散る。


まるで 雷神と炎の王 がぶつかり合っているかのような、壮絶な攻防が繰り広げられた。


カニディの拳が再び放たれる。


だが、ニックスはそれを 一瞬の動き で見切り、弾く。


——速い!


カニディの中に、一瞬の警戒心が芽生えた。


「チッ……!」


次の瞬間、ニックスの剣が鋭く閃き、カニディの中心へと突き込まれる。


だが——


カニディはその攻撃を紙一重でかわし、逆に拳を振り上げる。


——ゴシャアァッ!!!


カニディの 右拳が、ニックスの顔面を直撃する。


衝撃が体を突き抜ける。


しかし——


「…………ッ!」


ニックスは、微動だにしなかった。


拳が当たったままの状態で、カニディの両腕をガシッと掴む。


カニディの表情が一瞬、歪む。


「……冗談だろ?


俺の両手の温度は……180度もあるんだぞ?」


だが、ニックスは微笑んだ。


「そんなもの……どうでもいい。」


そして——


——ドゴォォッ!!!!


強烈な膝蹴りが、カニディの腹部に突き刺さる。


衝撃波が爆発し、カニディの体が宙を舞った。


まるで 流星のように 夜空へと吹き飛ばされていく。


大気が震え、戦場に 轟音が響き渡った——!



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