第37話 09 ついに倒したのか?
サンディの攻撃が完了するまで、あとどれくらいだ!?
ナイトは勢いよく立ち上がり、その瞳には燃え盛る闘志が宿っていた。
「すぐだ!あと30秒!」サンディが鋭く叫ぶ。声には焦りが滲んでいる。
ナイトの大剣がまばゆい白光を放ち始める。その輝きはまるで爆発寸前の恒星のようだ。彼は深く息を吸い込み、剣をしっかりと握り締める。肩に担いだ大剣、その胸元には先ほど受けた腐食の傷跡が刻まれ、血が鎧を染めていた。しかし、彼の眼差しはなおも鋭く、迷いはなかった。
「俺が持ちこたえられるのは30秒、それ以上は無理だ。あとはお前の攻撃に託す!」
ナイトはまるで砦のように堂々と立ち尽くす。対するボーディは余裕の笑みを浮かべたまま、まるでナイトなど取るに足らない存在だと言わんばかりに動かない。
「さあ、かかってこい!」ボーディは嗤う。「お前の剣が俺に届いたとしても、一瞬で腐食し、粉々になるだろう。そして、お前が斬りかかったその瞬間、俺の拳がすでにお前の頭を砕いている。それが……お前の死ぬ時だ!」
しかし、ナイトは不敵な笑みを浮かべ、挑発するように口元を歪ませた。
「へぇ……自分から殺されたいなんて言う奴は初めてだな。」
次の瞬間——ナイトの足元が爆ぜた!
ズドンッ!!
地面が砕け散り、土砂と岩が宙に舞う!その爆発的な勢いのまま、ナイトの姿はボーディの眼前へと一瞬で跳躍する!
閃光のように振り上げられた大剣が、空間を裂くかのごとく唸りを上げた——!!
ガキィィン——ッ!!
驚くべきことに、ナイトの大剣は腐食するどころか、ボーディの体を鋭く斬り裂いていた!
その瞬間——
背後では、サンディの魔力が完全に解放されようとしていた。灼熱の魔法の波動がまるで嵐のように吹き荒れる!
「いくぞ……!この一撃で決める!超蓄積魔法——天降火雲!!」
刹那、ボーディの足元に巨大な赤い魔法陣が出現!
それと同時に、炎の鎖が四肢を絡め取る!まるで見えない杭で磔にされたかのように、ボーディの動きが止まる!
「なっ……!」
ボーディの表情がわずかに歪む。
天空では黒雲が荒々しく渦巻き、燃え盛る紅蓮の火炎が天を裂くように揺らめいていた。まるで天そのものが怒り狂い、すべてを焼き尽くそうとしているかのように——。
燃え盛る炎は一点に集中し、ついに彗星の如く落下する!!
ドォォォォォンッ!!
爆炎がすべてを包み込み、灼熱の衝撃波が大地を揺るがす!その熱量は空気すらも焼き尽くし、視界が歪むほどだった。
そして——その炎の中心で、ナイトは静かに顔を上げた。
彼は無造作に口元の血を拭う。そして、その唇がゆっくりと笑みを形作る。
「お前は言ったな……これは俺の終わりだと?」
ナイトはゆっくりと大剣を持ち上げた。剣身には聖なる光が宿り、それはまるで天を裂く雷鳴のように輝いていた!
「違う——これは俺の始まりだ!!」
次の瞬間、ナイトの体が閃光と化す!
「瞬閃聖撃——!!」
刹那、ナイトの姿が消えた。
気づけば、すでに彼はボーディの背後にいた——!!
そして、一筋の純白の斬撃が、世界を切り裂くかのごとく放たれる!!
その瞬間、二つの必殺の攻撃が、同時にボーディへと炸裂した——!!
ゴォォォォォン——ッ!!
光と炎の爆発が戦場全体を覆い尽くし、轟音とともに衝撃波があたり一帯を飲み込んだ。大地が震え、空が揺らぎ、塵と炎の渦が天へと舞い上がる……!!




