第37話 07 「彼は一騎当千の戦士だ」
「私たち3人はそれぞれ異なる部分——目、身体、そして牙を象徴しているの。だからこそ、私たちのチームワークは抜群なのよ!もちろん、それはこのお姉さんである私のおかげだけどね。」女が得意げに言った。
牙がはそれを聞いて、微かに笑う。「確かにな、最初の頃は……」
その時、ナイトはボーディの足元の床が腐食し始めていることに気づいた。
「気をつけろ!奴には絶対に触れるな!あいつの赤い液体は血じゃない、強酸だ!」ナイトが険しい表情で警告した。
それを聞いたザックは驚愕する。「冗談だろ?こいつの体の構造、一体どうなってるんだよ?!」
「炎魔法の威力を強化できる?」サンディが冷静に尋ねる。
「できなくはないけど……どこまで強化できるか……」
「少しでもいいから威力を上げて。チャンスを狙って、一発ぶち込むわよ。そいつを灰にする!」サンディが鋭く言い放つ。
「さあ、続けようぜ!俺たちの戦いはまだ終わっちゃいない!」ナイトが叫び、大剣を振り上げ、再びボーディへと斬りかかった。
しかし、今回はボーディは避けることなく、左腕でその剣を真正面から受け止めた。骨と鋼がぶつかり合う鈍い音が響く。ナイトは攻撃の手を緩めず、さらに速度を上げて連撃を繰り出す。しかし、そのすべてをボーディは正確に防ぎ続けた。
ボーディは盾も装甲も身につけていない。ただ、自らの筋肉だけでナイトの攻撃を受け止めていたのだ。
その時、エイトがゆっくりと起き上がり、ナイトと対峙するボーディを見据えた。ボーディの視線はナイトに向けられており、背後に気を配る余裕はないはず。これは絶好の奇襲のチャンスだった!
エイトは双剣を構え、猛スピードで駆け出した。
しかし——ボーディはまるで背後にも目があるかのように、エイトの動きを察知した。彼は右足のかかとを地面に叩きつけ、瞬時に地面を割った。飛び上がった石を肘で弾き、それをエイトに向かって勢いよく飛ばす。
エイトは攻撃を諦め、急いで防御へと切り替えた。双剣を素早く振るい、飛んできた石を粉砕する。
その隙に、ボーディはナイトの攻撃のわずかな空白を突き、左右の拳を連続で叩き込んだ!
ナイトは大剣で防御するが、拳の衝撃は次第に増していく。最後の一撃は特に強烈で、彼の体は数メートル吹き飛ばされた!
ナイトは歯を食いしばり、空中で体勢を立て直すと、大剣を地面に突き刺し、なんとか踏みとどまった。




