第37話 06 強酸
この男の力は恐ろしすぎる。私と工イトの連携攻撃は空中で簡単に打ち砕かれ、一撃で地面が崩れた。まるで何の力も使っていないかのように見える。その腰と腕の力は、まさに信じられないほど強力だ。だが、ボウディの攻撃は止まるどころか、むしろ始まったばかりのようだ。彼の目線はナイトに向けられ、両足で強く踏み込むと、ナイトに向かって一気に突進してきた。こちらに向かってくる、この一撃は本当に命がけだ。避ける方法はなさそうだ。ナイトは大剣を構え、防御姿勢を取って、次のような砲弾のような一撃に備えた。しかし、二人がぶつかろうとした瞬間、ナイトの目の前に突然、眩い光が閃いた。それは魔法の聖光だった。輝く光がボーディを一瞬目くらましにし、その隙にナイトはチャンスを得た。ナイトは防御の姿勢を変え、大剣を振り下ろし、全力でボーディの首を狙った。その一撃は、普通の人間なら死か重傷を負うほどの威力だ。遠くで見ていたラオヤは冷たく言った。
「彼を助けに行けよ。お前、早く終わらせたいって言ってなかったか?」
異瞳の女性は冷静に答えた。「安心して、今彼は本気だわ。それに、彼らの攻撃力じゃ私の弟には傷一つつけられない。前回の戦績を忘れたの?」
その時、ボーディはゆっくりと立ち上がり、体から赤い液体が広がり始めた。
「流血してるのか?」ナイトは驚きながら考えた。「さっきの一撃で、あれほど疲れて見えたのに、彼の筋肉は鋼鉄でできているのか?」
その傍にいたラオヤはにやりと笑いながら言った。「姉さん、もちろん覚えてるよ。あの時、彼は一人で5000人の騎兵を倒したんだ。それで傷一つなかった。まるで何もなかったかのようにね。今、彼の体全体が赤い液体で覆われてるけど、それは血じゃない。強酸だよ。あの時、5万人の騎兵がその酸で溶けて骨も残らなかった。強酸でも腐食しない体か…そんな身体があれば、俺も欲しいね。」




