第37話 05 「砲弾のような拳」
彼は素早く身を翻し、目をザックに向けながら、少し緊張した口調で言った。「あなたたちのチームには特別な魔法がありますか?」
その瞬間、工イトが放ったすべての小刀は破壊されるか、地面に突き刺さったが、ボーディには一切の傷を与えず、彼の身に緊迫感すら感じさせなかった。
「くそ、どうやら今回は相手が本当に強力だ。」工イトは低くつぶやいた。
ナイトは軽く頷き、背中から大剣を取り出し、ザックに尋ねた。「ザック、私の属性を強化してくれないか?」
ザックは少し沈黙した後、頷いて答えた。
ナイトは大剣を振り上げ、敵の胸に向かって鋭く突き上げた。ボーディは素早く反応し、右足を使って力強く後方へ跳んだ。しかし、ナイトはすぐにボーディの足がまだ地面についていないことに気づき、左足を横に動かし、体ごと左に回転させ、元々の攻撃を突進に変えた。そして、大剣が横に振りかぶられると、ボーディは空中で姿勢を微調整し、体を真っ直ぐにして、片手で大剣をつかみ取った。
「片手で大剣を受け止めるだと? その握力、尋常じゃない!」ナイトは驚きの表情を浮かべ、力を込めて剣を奪おうとしたが、その力はまったく通じなかった。
ナイトが反撃しようとした瞬間、右拳が迫り、その一撃がボーディに命中するはずだったが、拳は突如として進行方向を変えた。
「手のひらと肩を合わせて、頭上を守っている!」
その瞬間、工イトが突如として降り立ち、両足でボーディの防御が薄い部分を的確に蹴り飛ばした。
ボーディは腕を力強く使い、二人を弾き飛ばした。両足が地面に着くと同時に、体を空中に弾ませ、まるでダンクシュートを決めるような姿勢になった。そして、地面を狙って一気に加速し、まるでミサイルのように急降下した。空気が震え、裂ける音すら聞こえるほどのスピードだった。
地面に衝突した瞬間、衝撃で地面が崩れ去り、ナイトとアイテの足場は一瞬にして消え去り、二人は防御の余地なくその場に立ち尽くしていた。




