第37話 04 蛇の体
数人が振り向くと、ボードが少し離れた場所に立っているのが見えた。その後、さらに二人が素早く駆け寄ってきた。
「おい、お前さ、まず俺の計画を最後まで聞けよ。何をそんなに急いでるんだ。」牙が不満げに言った。
「計画?そんなのどうでもいいだろ。どうせ何があっても、これは俺たちのものになるんだからさ。」ボーディは気にした様子もなく言い放った。
「お前ってやつは、本当にせっかちだな。」牙は呆れたように首を振った。
「だって、さっさと任務を終わらせたいじゃないか。それに……」ボーディは仲間のリーダーである女性をちらりと見て言葉を続けた。「リーダー、ちょっと疲れてるみたいだろ?」
「ほらね、やっぱりボーディは私に気を遣ってくれるのね。牙とは違ってさ。」女性は微笑みながら答えた。
その会話を聞いたナイトたちは一瞬呆然とした。その時、冷たい声が響いた。
「その石を渡してもらおうか。」
その声を聞いて、エイトは微かに微笑んだ。「なるほどね。さっきから何人かのしつこい追っ手を感じてたけど、それが君たちだったのか。感知した人数は5人だったけど……まあいい。むしろその方が都合がいい。」
エイトは指を軽やかに動かし始めた。その動きはまるで銀色の糸を操るようだ。その糸は葉に絡まり、その先には数本の小刀がつながっている。糸が波打つたびに、小刀は冷たい光を放ちながら雨のようにボーディに向かって飛び出した。
「伏兵か?」ボーディは驚きつつ、目線を周囲に巡らせた。「いつ仕掛けた?他の連中と交戦している時か?休息を装って、俺たちをおびき出すとはな……へえ、勘は鋭いじゃないか。でもな――」彼は口元に冷笑を浮かべた。「結局は無駄だ。」
銀光が迫った瞬間、ボーディは体を軽く傾け、最初の小刀を耳元でかわした。すぐに指を伸ばし、刀背を掴むと、その勢いを利用して素早く体を回転させ、続いて飛んできた3本の小刀を正確に弾き飛ばした。
その間にも、背後から別の小刀が迫る。しかし、彼は右足を軽く持ち上げ、つま先で一番下の刀の柄を的確に弾き、その方向を変えた。その刀は他の飛刀にぶつかり、連鎖的に全ての飛刀の進路を狂わせた。
さらに、側面から迫ってきた一刀を肱二頭筋で挟み込み、がっちりと固定する。その後、左手を伸ばしてその刀を素早く掴み、空中の次の攻撃に正確に投げ返し、一瞬でそれを無力化した。
そして最後の一刀が彼の目の前に迫る。鋭い刃は容赦なく突き進み、今にも彼の目を捉えようとする。しかし、ボーディは全く動揺せず、二本の指をそっと伸ばし、まるで落ち葉を掴むかのように軽やかにその刃を止めた。刀刃は彼の目の寸前で静止し、空気が張り詰める。
だがその瞬間――刀刃は生き物のように伸び、再びボーディの眼球を狙ってきた!




