第36話 10 友達を作ることも一種の探検だ
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「こいつ、なんかちょっと嫌いだわ。」サンディは冷たく言った。
「気にしないよ。嫌われるのには慣れてるから。」彼は淡々と答えた。まるで本当に気にしていないかのようだ。
「でもね、嫌われることよりも、他人から憐れまれることの方がよっぽど耐えられないんだよ。さて、無駄話はこれくらいにして、そろそろ戻ろうか。」
そう言ってザックは振り返り、さらに付け加えた。
「それと、あんたたち二人のバカ、道中でまたバカなことをして私を悩ませないでよね!」
「ナイトってやつ、お前より隊長に向いてそうだな。」エイトが隣で漫画を読みながら言った。
「隊長ってのは、チームで一番実力のある奴がやるもんだろ。」ナイトは穏やかな口調で応じた。
こうして数人の小さなチームが即席で結成されたが、サンディと他のメンバーの間には、いまだに信頼の溝が残っていた。
「ところでさ、なんであの石を奪おうとする奴がいたんだ?そんなに貴重な宝物なのか?」ナイトが興味深げに聞いた。
「あの石のこと?」サンディは軽い口調で返す。「別に。ただ子供の頃に道端で拾ったガラクタみたいな石だよ。」
「本当にただのガラクタだったら、そんなに大事にするわけないだろ。」ザックが顔を上げて言った。
その言葉を聞いたサンディは一瞬沈黙した。
それを見てエイトは笑いながら言った。「見破っても言わないのが礼儀ってもんだ。もっと漫画を読めば学べるぜ。」
ナイトは静かに言った。「まあいいさ。別に詳しく知りたいわけじゃない。ただの好奇心だよ。」
それから数人は沈黙の中、足を進めた。互いに視線を交わすこともなく、誰も口を開かない。空気は重く、気まずい雰囲気が漂っていた。
「あー、こんな雰囲気、俺ほんと嫌いだ。」ザックは心の中でそう呟いた。
すると、ナイトが突然口を開き、この重い空気を破った。
「このままじゃなんか変だしさ、歩きながら自己紹介でもしない?ちょうどザックとサンディさんも、俺たちエイトのことをよく知らないだろ。」
サンディは冷たい声で答えた。「好きにすれば。ただし、私は自己紹介なんかしない。お前たちに私の情報を教えるつもりはない。」
ザックは肩をすくめて言った。「まあ、俺は別にいいけどさ。」心の中ではこう思っていた。「あんまりいい案とは言えないけど、何も話さないよりはマシだろうな。」
それを見たナイトは、自ら話し始めた。
「俺の名前はナイト。好きなことは探検、嫌いなことは……今のところ特にないかな。武器は光鉄の大剣で、まだ一度も突破したことはない。戦闘では主に前に出て敵の攻撃を防ぐのが役目だ。苦手なことか……あ、俺が計画を立てると、その計画がほぼ確実に失敗するってところかな。ただし、戦闘計画を除いてだけどね。」
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