第36話 07 追わ
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頭狼のいない狼の群れ、それは頭狼がすでに死んでいることを意味している。しかし、頭狼が死んだ後も新たな頭狼が現れないのは、ただ一つの理由がある――状況がそれを許さないのだ。ザックは考え続けた。「いったいどんな状況が狼たちに頭狼を選ぶことを許さないんだ?」
「まあ、そんなこと考えなくていいだろ。俺たちの任務は終わったんだし、早く家に帰って漫画を読みたいよ!」と、エイトはだらけた声で言った。
「いやいや、それって面白くない?まるで探偵ゲームみたいじゃないか!真実が分かればきっとすごい達成感があると思う!」と、ナイトは興奮気味に言った。
「状況が許さない……」と、ザックは呟いた。「だって頭狼を選ぶということは戦いを意味し、敗者は死ぬんだ。こんな状態じゃ、彼らは犠牲を出すことなんてできない。それに、頭狼がいない狼の群れは狩りをしないんだ。まるで指揮者のいないオーケストラみたいに混乱している。なのに、なんで俺たちを襲ってきたんだ?答えは簡単――腹が減ってたからだ。」
ザックは一息ついて、さらに分析を続けた。「でも、これらの狼は普通の狼じゃなくて風魔狼だ。おかしいな、さっきの戦いで風の魔法を一切使わなかったなんて。」
そう考えた瞬間、ザックは突然身をかがめて狼の死体を調べ始めた。案の定、狼たちの体内の魔力はすでに極めて少なく、彼らが元々非常に疲弊した状態だったことが分かった。その瞬間、ザックの脳内に恐ろしい結論が浮かび上がった。
「エイト、動くな!それに、俺たちから離れるな!今は全員集まるべきだ!」と、ザックは大声で叫んだ。
「なんだよ、大げさだなあ!」と、エイトとナイトが口を揃えて文句を言った。
「答えはもう出た……」ザックは深く息を吸い、冷静に分析を語り始めた。「さっきの手がかりを全部つなげてみると――頭狼の死、狼たちの疲労と飢え、それに彼らが直前に経験した戦いだ。その戦いで頭狼が命を落とし、狼たちの魔力もほとんど使い果たされた。そしてさらに恐ろしいことに、彼らは今もなお何かに追われているんだ!」
ザックが言い終わるか終わらないかのうちに、森の奥から突然まばゆい炎が立ち上がった。
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