第35話 15 私たち二人って……恋人なの?
二人は土産物店に入り、店内をあちこち見て回り始めた。
「わあ、このクマのぬいぐるみ、すごくかわいいし、触り心地もすごくなめらか!」とエリーサは感嘆した。
「こっちの犬のぬいぐるみもいいね。お互い一つずつ買おうか?君はクマ、私は犬を買うってことで。」とサンディが提案した。
「もちろんいいよ!」とエリーサは嬉しそうに答えた。
周りを見渡していたエリーサは、ふと香水の棚に気づいて言った。「ここ、香水も売ってるんだね。でも私の世界の香水とはちょっと違う香りがするな。」
サンディは笑いながら、「これ、新作らしいよ。松の花や清水の葉を使って、そこに熱い温泉水を加えて作られているんだって。」と説明した。
「なんだか高級そうだけど、全然わからないや。」とエリーサは困ったように笑った。それを見たサンディは、口元を手で覆いながら優しく笑った。
その後、二人は試着室へ向かった。カーテンが開くと、サンディの服装が目に飛び込んできた。麦わら帽子に黒のロングジャケット、襟元には精巧な赤いボタンが飾られ、下には白いロングスカートが広がり、スカートの波模様は扇のようだった。一方、エリサは灰色のセーターに黒のサスペンダーレザースカートを合わせ、後ろには目を引く赤いマントを羽織っていた。
「なんでマントなんか着けてるの?」とサンディが不思議そうに尋ねた。
「だって、これがないと私がリーダーだってわからないでしょ!」とエリーサは真剣に答えた。
最終的に二人はそれぞれ数着の服を選んだが、エリーサのマントは買わなかった。
店を出たサンディは時計を見て、「まだ7時過ぎだし、急がなくてもいいね。前に言ってたカフェに行かない?」と言った。
「その一言を待ってたんだよ!」とエリーサは嬉しそうに答えた。
カフェの内装はとても爽やかで、夜景との相性が抜群だった。二人は窓際のボックス席を選び、買ったものを座席に置いた。ケーキを選んだ後、店員がやってきて言った。
「お二人様、ご注文は何になさいますか?ちなみに本日はカップル限定のイベントを開催中で、1つご注文いただくともう1つ無料でサービスになります。」
エリーサが断ろうとしたその瞬間、サンディが先に答えた。「はい、私たちカップルです。彼女はこれ、私はこれをお願いします。」
店員は笑顔で頷き、「かしこまりました。ケーキはすぐにお持ちします。」と言った。




