第35話 12 今は自由行動の時間です
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「そうだよね、私たち絶対楽しい時間を一緒に過ごすよ!ショッピングしたり、いろいろな可愛いアクセサリーを買ったりしてね。」エリーサが笑顔で言った。
「それに、美味しいものもたくさん!」フィデがすぐに付け加えた。
その時、エイトがナイトに振り向いて言った。「サンディの言葉のセンスは君よりずっと上手だよ。だからもう私を挑発しないで。」
ナイトはその言葉を聞いて、まるで心臓を刺されたような気分になり、表情が一瞬で複雑になった。それでもみんなの笑い声がすぐにその小さな出来事を忘れさせ、一行は期待に胸を膨らませながら旅を続けた。
朝の陽光がそれぞれの顔を照らし、星はニックスの輝く笑顔を見つめながら、心の中でそっと決心を固めた。しばらく旅を続けた後、ついに一行は温泉旅館の近くに到着した。この小さな町はとても賑やかで、どうやらここの温泉が他と少し違うらしい。具体的に何が違うのか?ザックは笑いながら言った。「僕も調べられなかったけど、今日は実際に体験できるね。」
「私はこの辺りが安全かどうか調べてみたけど、結果は『とても安全』だったよ。」シャーが周囲を見渡しながら付け加えた。
その時、エイトが突然ナイトに向かって言った。「ナイト、前に君が言ってた、ここだけで買える限定版の漫画ってどこにあるの?早く教えて、もう待ちきれないんだけど!」話しながら、エイトの表情は今にも飛びかかりそうなハンターのようだった。
ナイトはそれを聞いて、困った顔でしどろもどろに答えた。「えっと、それが……実は、ここには限定版漫画なんてないんだ。」
その言葉を聞いたエイトの顔が一気に曇り、冷たい声で言った。「続けて話して。私はまだ聞いてるから。」
ナイトは慌てて説明した。「君を連れ出すために言い訳を作ったんだよ!だってそうじゃなきゃ、君はきっと家で漫画を読んでたでしょ?でも、見てよ、ここに来たらこんなに綺麗な景色が見られるんだから、悪くないと思わない?」
エイトは無言のまま、ゆっくりと双剣を取り出し、冷たい声で言った。「つまり、これが君の最後の言葉?私の漫画を読む時間を無駄にした代償として……死ね!」
剣が光を放ち、ナイトは必死の叫び声を上げた。「助けてくれ!冗談だよね?痛い!落ち着いて!」
ニックスはこの混乱を見つめながら、周りに向かって言った。「これ、止めなくていいの?」
サンディは頬に手を当てながら答えた。「大丈夫だよ、本当に危ない時は私が止めるから。それに、前からナイトに言ってたんだ、漫画をダシにするなって。」
最後にザックが笑顔で言った。「さて、これから自由時間だ!みんな、好きなことを楽しんでね。夜8時に旅館に集合するのを忘れないように!」
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