第35話 10 初めての大旅行
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朝早、全員が早起きした。
「ニックス、退院したばかりなのに旅行なんて、体は大丈夫なの?」とフィードが心配そうに尋ねた。
「もちろん大丈夫だよ!僕はもう完全に回復してるからね!」ニックスは荷物を整理しながら笑顔で答えた。
突然、朝の静けさを破る大きな声が響いた。
「お姉ちゃん、何があったの?まさか、自分がバカだってやっと気づいたの?」とシャーが茶化した。
「違うよ!なんか急にすごくワクワクしてきたの!異世界で温泉に入るのって初めてじゃない?こっちの温泉と私たちの世界の温泉って、どう違うんだろう?」とエリーサが興奮気味に言った。
「正直、僕もそれは知りたいね。お姉ちゃん、今回は珍しく良い質問をしたね。」とシャーは笑いながら返した。
ワクワクした気持ちで、5人は他の4人と合流するために出発した。
「人が多いね!これで全員揃って9人、まるで旅行団体みたいだね!」とサンディが穏やかに微笑みながら言った。
「確かにね。今までこんな大人数で旅行したことなんてなかったよ。でも心配しないで、計画は全部出発前に完璧に準備しておいたから。」とザックが自信満々に答えた。
「本当に?僕もだよ!じゃあどっちの計画がいいか競争しようか!」とシャーが挑戦的に言った。
「うーん……それは面倒そうだからやめておくよ。それぞれの計画には、それぞれの良さがあるからね。」とザックは首を振りながら答えた。
「よしよし、僕たちの旅行団にはもう最高の名前を考えたよ!聞いてくれ――『サンシャイン冒険温泉旅行グループ』!」とナイトが声高らかに宣言した。
「その名前、めちゃくちゃダサいよね……」他の全員がほぼ同時にツッコんだ。
「僕ってこんなにネーミングセンスがなかったのか……悲しいよ……」とナイトは顔を手で覆いながら、泣きまねをした。
「まあまあ、とにかくみんなが楽しめればそれでいいよ!」サンディが穏やかで知性的な声で言った。「これから先の道は大変になるかもしれないけど、縁があればまたきっと集まれる。この旅は僕たちの最後の旅行じゃない――むしろ、僕たちの旅の始まりなんだ。」
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