第35話 08 肩を並べて戦う
---
3日後、ニックスはほぼ回復し、退院の準備が整った。退院後、彼は真っ先にエイトを訪ねた。
その時、エイトはベッドにだらしなく寝転びながら、口にはお菓子、手には漫画を持ち、非常にリラックスした様子だった。そんな中、突然ドアをノックする音が静寂を破った。エイトは眉をひそめ、聞こえないふりをして漫画を読み続けた。しかし、ノックは止まることなく続き、彼女の苛立ちは募るばかりだった。仕方なく、渋々ベッドから起きてドアを開けた。
「エイト、おはよう!」ニックスは笑顔で言った。「今日は君に相談したいことがあって来たんだ。それは……」
話が終わる前に、エイトは不意にドアを閉めてしまった。
「おい!動きが早すぎるだろ!」ニックスはドアの外で叫んだ。「これ、本当に大事なことなんだ。もしかすると、僕の実力を一気に引き上げられるかもしれないんだ!もう時間がない。王都会議まであと11日だ。それが始まったら、もうここに留まれないから、今話すしかないんだよ。お願いだから、エイト師匠!」
「師匠」の一言に反応したエイトは、ようやくしぶしぶドアを開けた。「分かったよ。話せ。でも1分以内で頼む。」
ニックスは嬉しそうに微笑み、エイトの部屋に入った。
「どうやって私がここに住んでるって分かったんだ?私、教えた覚えないけど。」エイトは座る場所を探しながら、疑問を口にした。
「うん、街中で何人かに君のことを聞いて、『僕は彼の行方不明の弟です』って言ったら、すぐに君の家を教えてくれたんだ。」ニックスは真顔で答えた。
「お前、この野郎……気をつけないとぶん殴るぞ!」エイトは軽く脅すように睨みつけた。
「さあ、早く本題を話せ。まだ漫画の続きを読みたいんだ。」エイトが急かすと、ニックスは咳払いをして話し始めた。
「僕は、幽霊と一緒に戦う方法を試したいんだ。」
エイトは少し驚いた表情を見せながら問い返した。「どういうことだ?」
「つまり、幽霊に僕の体の半分をコントロールさせて、もう半分は僕が操作するってことさ。こうすれば、僕の身体能力を活かしつつ、幽霊の優れたスキルを利用できる。お互いに助け合えるんだよ。」ニックスが説明した。
エイトは話を聞き終えると、皮肉を込めた笑みを浮かべた。「お前、その発想は面白いけどな。聞くぞ。そんな簡単に思いつく方法なら、どうして誰もやらないと思う?答えは簡単だろ。お前みたいな奴が魔物に身体の半分を任せたらどうなる?その魔物が乗っ取ろうとしたり、お前を操って自分を傷つけるように仕向けたら、それこそ最悪だ。」
---




