第34話 14 「ついに帰ってきた!」
数人はしばらく休んで、ニックスが目を覚ますのを待った。
「ニックス、目が覚めたんだね。」フィードが最初に声をかけた。
「ああ、待たせてごめん。」ニックスは少し申し訳なさそうに微笑んだ。「さあ、そろそろ王都に戻るべきだね。この道中、いろいろありすぎたよ。どうして毎回みんなで任務をすると、生死にかかわるような危険な状況に巻き込まれるんだろう。もしかして、僕たち呪われているんじゃないかって疑い始めてるよ。」
その話を聞いていた小Nは思わず口を挟んだ。「つまり、私は呪われた道中で拾われた存在ってこと?」
小Nの落ち込んだ様子に気づいたニックスは、慌てて手を振りながら否定した。「いや、違う違う!そんな意味じゃないよ!ただ最近僕たちの運が本当に悪いってだけで……くそっ、やっぱり他の人が僕のコミュ力が低いって言うのは正しいみたいだ……今の話は聞かなかったことにしてくれ。」
エリーサは隣でため息をつきながら言った。「次はもう何も起こらないでほしいわね。無事に王都に帰れるといいけど。」
それを聞いたシャは茶化すように言った。「お姉ちゃん、今のセリフってすごく危ない感じだよね。映画とかでそんなセリフを言うと、その後必ず何か大変なことが起こるんだよ。」
「シャー!縁起でもないこと言わないで!」エリーサがムッとして返した。
ニックスは手を上げて、二人のやりとりを遮った。「まあまあ、もう出発しよう。王都まであと少しだし、王都に戻ったらやらなきゃいけないことがある。それに、小Nをどうやって王都の検問を通らせるか、いい方法も思いついた。君の変装術じゃなくて、もっと確実な方法だよ。」
こうして数人はついに王都への帰路についた。
賑やかな王都の街に足を踏み入れると、目に飛び込んできたのは活気ある人々の姿、明るい灯り、大好きな料理の香り、そして懐かしい住まいだった。
「ついに帰ってきた!」四人は口を揃えて叫んだ。




