第6話05夢は前進し続けること
戦場の喧騒の中、ニックスはムコの姿を見つけると、迷わず駆け出した。
破壊された建物の影から、ムコがこちらに気づく。彼の目には驚きと焦燥の色が浮かんでいた。
「どうしてここに来たんだ?」
ムコは険しい顔で問いかける。
「ここはとても危険で、お前には手に負えない場所だぞ。」
だが、ニックスは動じない。
「大丈夫、俺は以前よりも強くなった。」
確信に満ちた声で答える。
「君たちを助けに来たんだ。」
自信満々の笑みを浮かべるニックス。しかし、その言葉が終わるか終わらないかのうちに、轟音が響いた。
——ドンッ!
前方で誰かが吹き飛ばされる。
「やばい、不注意だった。」
ニックスは素早く状況を察知し、即座に剣を抜き放つ。
「気をつけて!」
ムコが警告を発する。
だがニックスはすでに動いていた。空中へ跳躍し、火精霊の襲撃を紙一重で回避する。炎の波が地面を焦がし、熱気が肌を焼く。
周囲の戦士たちは、彼の動きを目で追いながら息をのむ。
ニックスは両手で剣を強く握りしめ、勢いよく頭上へ掲げる。
「——円舞曲!」
閃光のごとき斬撃が空間を裂いた。
一閃。
火精霊の体は一瞬にして斬り裂かれ、そのまま炎と共に弾け飛ぶ。
ムコは信じられないという表情でニックスを見つめる。
「こいつ……なんで突然こんなに強くなったんだ?」
戦場の喧騒が遠のき、ムコの脳裏にある言葉がよぎる。
(ああ、リードが言っていたことか。確か“魔力神経”とかなんとか言っていたな……。)
ムコは腕を組み、改めてニックスを見つめ直す。
「ああ、覚醒した魔力神経か……?いや、それは正確じゃないな。」
考えながら呟く。
「むしろ、もっと上手く掌握したと言うべきか……。」
そして、ふと思い出す。
「そういえば、以前の戦績を見て忘れかけてたが……お前は島のフラミンゴを倒したやつだったな。」
かつてのニックスと、今のニックス。その成長の差に驚嘆しながらも、ムコは苦笑する。
「俺にそんなに自信がないのか?」
ニックスは挑戦的な笑みを浮かべながら言い放つ。
彼の佇まいは、以前とはまるで別人のようだった。
その時——
遠くから声が聞こえる。
「おい、クリの声が聞こえたぞ!」
ムコが顔を上げる。
「ああ、リックか。久しぶりだな。」
戦場の喧騒の中、仲間たちの再会の時が訪れる。
久しぶりに後書きをしてみました。 一番の理由は、何を言えばいいのか分からないからです。 この一週間はあまり運がありませんでした。 なぜだかわかりませんが、最近私の運はますます良くなってきています。 皆様の運がますます良くなることを願っております。 次のエピソードでお会いしましょう。




