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第3話05第2の異世界への旅人

ニックスの旅と予想外の出会い


ニックスは「天の地」へ向かう旅に出た。しかし、彼は公会での戦力テストで敗北した本当の理由が、装置の故障によるものだったことを知らなかった。さらに、地形に不慣れだったため道に迷い、本来なら5時間で到着するはずの道のりを、丸一日かけてようやくたどり着いた。


「うわ、天の地って遠すぎるだろ……一日かかってやっと着いたよ。」

彼は疲れた表情でぼやきながら、平らな場所を見つけて腰を下ろした。「まぁ、今日はここで休んで、明日から薬草採りを始めよう。」


彼は仰向けになり、夜空を見上げた。この異世界の星空は、静かで神秘的な美しさをたたえていた。ふと、彼は学校での日々を思い出す。


「やっぱり、あの退屈な本を読むよりも、こんな自由な生活のほうが好きだな。束縛もないし……でも、両親はどうしてるんだろう……?ずっと心配させるわけにもいかないし、そろそろ帰ることも考えなきゃな。」


彼はため息をつきながら、疲れた体を横たえ、ゆっくりと目を閉じた。



---


天の地での朝


翌朝、ニックスは天の地の中心に到着した。そこには巨大な桜の木がそびえ立ち、木の下には色とりどりの花々が咲き誇っていた。空気には甘く優しい香りが漂い、まるで楽園のような光景が広がっている。その中には、公会の任務で必要な薬草も混じっていた。


ふと左側に目を向けると、少し離れた場所に訓練場があり、誰かが剣の稽古をしているのが見えた。興味を引かれたニックスは、挨拶しようと近づいた。


しかし、彼が口を開こうとした瞬間——。


突然、首筋に冷たい感触が走った。


驚いて目を見開くと、鋭い刃物が喉元に突きつけられていた。


「お前、ここに何しに来た?」


冷たく響く声とともに、刀を持った男がニックスを鋭く睨みつける。


しかし、ニックスは相手の顔を見た瞬間、驚きと喜びが入り混じった表情になった。


「あっ、君だ!あのお金を貸してくれた大善人!」


その言葉を聞いた瞬間、男はわずかに驚いたように目を細め、ゆっくりと刀を下ろした。


「……お前か。」


実は彼の正体はリードだった。リードは腕を組みながら、じっとニックスを見つめる。


「薬草を採りに来たのか?」


「うん、公会の任務だからね。でも、いきなり刀を向けるのはやめてくれない?訓練中でもそんなに警戒してるの?」


ニックスは苦笑しながら肩をすくめた。


里德は申し訳なさそうに微笑んだ。「悪い、これは習慣なんだ。でも、ちょうど聞きたいことがあった。」


彼は一歩近づき、ニックスをまっすぐ見つめる。


「お前……この世界の人間じゃないだろ?」


その言葉を聞いた瞬間、ニックスの背筋に冷たい汗が流れた。緊張で喉が渇き、無意識に唾を飲み込む。


すると、リードはふっと笑い、彼の肩を軽く叩いた。


「リラックスしろよ。実は、俺もお前と同じなんだ。」



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