表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/1066

第3話03新しい服と冒険者




---


「あ、やばい!もうすぐ受付時間が終わるんだった!」


ニックスはリードに感謝の言葉を投げかけると、慌てて駆け出した。


「ありがとう、大叔!急いで服を買いに行かないと!」


「……大叔?!」


リードは一瞬固まり、不満げに眉をひそめた。


「俺、まだ二十代なんだけど!そんなに年寄りに見えるのか?」


ニックスは走りかけた足を止め、ちらりとリードを振り返る。


(まさか……この人も俺みたいに異世界から来た人間か?)


一瞬疑念がよぎるが、すぐに頭を振った。


「いや、そんなはずないか。」


そう思い直すと、商店に向かって全速力で駆けていった。



---


場面転換:服屋


店の扉を開けると、奇抜なデザインの服がずらりと並んでいた。


棚にかかるのは、淡く光を放つ布のローブ、小さな炎がちらつくマント、そして――胸元にぽっかり穴が開いた謎の服。


「……これ、デザインなのか? それとも単にボロボロなのか?」


ニックスは呆れたように小声でつぶやく。


(まあ、せっかく異世界に来たんだ。病院服のままよりはマシだろう。)


そう決意すると、慎重に服を選び始めた。


最終的に手に取ったのは、白地に紫のストライプが入ったロングコートと、動きやすそうな黒いズボン。


「よし、これなら冒険者っぽく見えるだろ。」


満足げに頷くと、試着室で服を着替え、新しい自分を鏡で確認する。


(これで、異世界転生の主人公らしくなったか?)


クスリと笑いながら、ギルドへ向かって走り出した。



---


冒険者ギルド


夕日が赤く染まり始めた街を駆け抜け、ギルドの大きな門へと飛び込んだ。


「はぁ、なんとか間に合った!」


息を切らしながら受付へ駆け寄る。


「今からでも申し込みできますか!?」


カウンターの向こうにいた受付係が、微笑みながら頷いた。


「はい、まだ大丈夫ですよ。」


「よかった!」


ニックスはホッと安堵の息をつきながら、懐から十ゴールドを取り出した。


「これが登録料です!」


差し出された金貨がカウンターの上でチャリンと音を立てる。


「じゃあ、これで俺も正式な冒険者ってことですね!」


興奮気味に言うニックスを見て、受付係は柔らかく微笑んだ。


「はい、ようこそ、冒険者ギルドへ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ