第14話 10目覚めの瞬間
数人が冗談を言っている間、地面に横たわっていた少年が目を覚ましたが、起き上がらず、言葉も発せず、むしろ目を閉じていました。
「ねえ、さっきあの少年が目を開けたんじゃない?」とニックスが気付きました。
「え、彼が目を覚ましたの?」エリーサが近づいて確認しようとしたその時、少年は突然起き上がり、腰から小さなナイフを取り出し、エリーサの喉に突きつけました。
「動くな!」と少年は言いました。
数人は瞬時に警戒しました。
「お前たちは何者だ?俺を捕まえて何をするつもりだ?」と少年は問い詰めました。
「まずは冷静になって、ナイフを下ろして。」ニックスができるだけ落ち着いて言いました。
「俺の質問に答えろ!」少年はさらに緊張しました。
「やれやれ、どうしようもないな。」とフィードは頭を掻きながら言いました。「俺たちは冒険者チームだが、今はある村の代表として王都に向かっている。」
「証明してみろ。」と少年は主張しました。
「どうやって証明すればいいんだ?」とニックスは困惑して聞きました。
隣のシャーが口を開き、「これが証明になる。」と言いながら村長からもらったトークンを取り出しました。「これで十分だろう。今すぐ私の姉を離せ。」
トークンを見た少年はナイフを下ろしました。
「その狼の群れ、お前たちが追い払ったのか?」と少年は聞きました。
「そう、私たちが追い払って、それから君を助けたんだ。」とニックスが答えました。
この言葉を聞いた少年はすぐに深々と頭を下げ、「本当に申し訳ありません、先ほどは礼儀を欠き、行動が非常に軽率でした。救命恩人の喉にナイフを突きつけるなんて、万分の謝罪を申し上げます。」と言いました。続いて彼はエリーサに向き直り、「本当に申し訳ありません、もし許していただけるなら、どうかお許しください。」と述べました。




