第14話 06作戦開始
「あ、私のお尻、すごく痛い…」エリーサが叫んだ。
「誰のせいだと思う?飛ぶ時に喋り過ぎて、手を離したからだよ。さあ、起きなさい。」フィードが手を差し伸べてエリーサを引き起こした。
「私たちが行くのはこの道でいいんだよね?」フィードがニックスに尋ねた。
「うん、そうだ。この道で間違いないよ。でも、なんだか変だな。」
「どうしたの?」フィードが尋ねた。
「見て、この土の上に足跡がある。」とニックスが答えた。「しかも、一つだけじゃない。」
「確かに、一つは人間の足跡だけど、他には動物の足跡もあるみたい。」シャーが補足した。
「気をつけないと。」と警戒しながら、数人は前に進んだ。目の前の光景は、傷だらけの男の子が気絶しているというものだった。
「エリーサ、治癒魔法は使える?」ニックスが尋ねた。
「少しだけ。この男の子の傷は深いけど、なんとかなるといいけど。」エリーサが答えた。
「じゃあ、任せたよ。」
「この男の子の身分は簡単じゃないね。」シャーが言った。
「どうしてそう思うの?」ニックスが尋ねた。
「これを見て。」シャーが一つの物を持ち上げた。「これは王族の紋章だよ。」
「王族がこんなところに来るなんて。待って、ニックス、感じた?」フィードが言った。
「感じたよ。どうやら罠だ。私たちは包囲された。」ニックスが答えた。
林間から足音が聞こえてくる。
「結構多いみたいだね。」フィードが言った。
「エリーサ、治療は終わった?」シャーが尋ねた。
「うん、簡単な治療は終わったよ。」エリーサが答えた。
「まさか、昨日話し合った戦術がこんなに早く役に立つなんてね。」ニックスは剣を抜きながら言った。
フィードも戦闘準備を整えた。エリーサも魔杖を手に取った。
「じゃあ、昨日の配置通りに行こう。私とフィデが前衛、エリサが中央、夏が後衛を守る。」ニックスが指示した。
「森林から出てくる狼の群れ、結構いるみたいだね。」シャーが言った。
ニックスの剣には紫色の魔力が浮かび上がった。「さあ、戦おう。」




