第13話 16Black hole
極光を宿した大剣がカスの右肩に深々と打ち下ろされ、そのエネルギーが瞬時に爆発した。すでに崩壊していた地面が再び砕け、二人を中心に半円形の衝撃波が広がった。その光は百里先からでも見えるほどだった。
爆発が収まり、中心には二つの人影が立っていた。「どうやら、俺が君たちを過小評価していたようだ。君の名前は?」カスが問いかけた。
「ナイトだ。」ナイトは答えた。「そのような攻撃を受けても無傷とは…」ナイトは驚きを隠せなかった。
「いや、受傷している。」カスの口元には血が流れ、攻撃を受けた肩には大きな傷口があった。血が肩から指先に滴り落ちていた。「本当に強力だ。これが君の必殺技か。もう魔力は残っていないようだし、君の仲間がその瞬間に防御シールドを張ってくれたのだろう。戦闘が始まる前から計画していたのか?」
ナイトは心の中で、「これが俺の最後の場所なのか…」と思った。カスの左手には黒い渦が形成され、魔力が吸い込まれていった。徐々にその渦は黒い球体へと変わっていった。
「さようなら、ナイト。ブラックホール!」カスの一撃が放たれ、ナイトは避ける力も残っていなかった。その攻撃は正確にナイトを捉え、強力な吸引力と衝撃力がナイトを高空へと打ち上げた。




