第13話 14 千の手
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「はったりだ。」サンディは巨剣を操り、カスの位置に向かって振り下ろした。その威力は空気を切り裂くほどだった。
「千の手。」無数の黒い手が現れ、その巨剣をしっかりと掴んだ。振り下ろされる巨剣が空中で止まったのだ。
「そんな、ありえない!暗魔法が光魔法に触れたら、光はすぐに消えるはずだ。」
「まだ終わっていない。」無数の手が力を込め始めた。その強靭な巨剣に亀裂が走り始め、亀裂は次第に広がり、ついには剣全体に及んだ。そして、その希望の象徴であった巨剣は粉々に砕け散った。破片はまるで雪のように輝きながら、ゆっくりと空から降り注ぎ、森全体を照らした。
「これが君の切り札か?それとも、もっと強力な技があるのか?もしないなら、これで君たちの負けだ。」
「人間にできるレベルじゃない、お前は怪物か?」サンディが震えながら尋ねた。
「確かにそうかもな。だが、俺が怪物なら、お前たちは英雄か?違うだろう。では、次に行くぞ。」カスは黒い手を操り、二人に向かって襲いかかった。その攻撃の範囲は広大で、二人は避けることができなかった。津波のような攻撃が押し寄せ、二人は無限の闇に飲み込まれた。
「サンディ!ザック!」




