第13話 08最後の夜
---
「ちょうど思いついたもうこの柔らかいベッドで寝られないかと思うと、すごく悲しくなっちゃう。」とエリ一サはため息をつきました。
「お姉ちゃん、本当にかわいそうだね。」とシャーが同情しました。
「だから今日はしっかり楽しんでおきたいな。」
「よし、じゃあ今日はそれぞれの部屋に戻って休もうか。明日また会おうね。」
「うん、明日またね。みんな良い夢を。」
「おやすみなさい。」
ニックスは自分の部屋に戻り、荷物を片付けた後、ベッドに座りながら馴染みのある部屋を見渡しました。そして、出発前に机の上に置いていた帽子に目を留めました。「何だか妙な気持ちだな。」と彼は思いながら、ベッドに横になりました。その夜、ニックスはなかなか眠れませんでした。
時間は飛ぶように過ぎ、あっという間に朝が来ました。フィデは起床し、大きく伸びをしました。「今日はなんだか調子がいいな。」と彼は服を着て、身支度を整えました。「みんなも起きているかな?」そう思いながら、部屋の扉を開けました。
「エリ一サとシャーは隣の部屋だったよな、見に行ってみよう。」フィデは右側の部屋に向かい、シャーを見つけました。
「シャー、何してるんだい?」フィードが尋ねると、シャーは答えました。「お姉ちゃんを待ってるんだ。彼女、なかなか起きなくて、もう3回もノックしたんだけど。」
「それはちょっと厄介だな。でも、心配しないで。僕にいい方法があるんだ。」シャーはドアの前で言いました。「お姉ちゃん、昨日のあのアクセサリー、僕、うっかり無くしちゃったみたい。君のお気に入りのやつ。」
ドアの向こうから、何かがドスンと落ちる音が聞こえ、その後すぐに急いで歩く音が続きました。次の瞬間、ドアがバンと開かれました。
「なんですって!?」とエリ一サが叫びました。
「やっと起きたね、お姉ちゃん。」とシャーは笑いました。
数分後、エリ一サはぶつぶつ文句を言いながら、言いました。「まったく、ひどい嘘つきね。でも、これでも起きないといけないんだし。ところで、ニックスは?」




