第13話 07戻ってきたときも、あなたが同じ少年でいることを願っています
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「せっかくだから、世の中を見て回ることもできるしね。」
「ニックス、私は君が今のままでいてほしいと願っている。何も意味はないんだけどね。君はこれからもっとたくさんのことを聞いて、もっとたくさんのことを経験するだろう。だから、あまり自分を追い詰めないで、少し楽に考えるんだ。そうしないと、最終的に傷つくのは君自身だからね。」
「うん、僕は変わらないよ。どんな時でも変わらないから、夢子姉も心配しないで。次に会う時も、僕は今のままだよ。」
「ごめんね、ちょっと重い話をしてしまって。」
「いやいや、これが会話ってもんだよ。時間もだいたい過ぎたし、そろそろ帰らないと。明日の出発の準備をしなきゃ。」
「そうね、明日出発する時に見送りに行くわ。」
「ありがとう。」ニックスはそう言って、夢子の部屋を出ました。振り返ると、何とも言えない気持ちが湧いてきました。「考えすぎかな。」と彼は思いながら、部屋の扉を閉めました。そして、夢子の家を離れました。
帰り道、ニックスは心が落ち着かないままでした。仲間の元に戻った彼を迎えたのは、仲間たちの声でした。
「ああ、ニックス、帰ってきたんだ。どこ行ってたの?こんなに遅くまで。」
「ニックス、さっき女の子と一緒に帰ってくるのを見たんだけど。まさか、君の...」
「違う違う、そんなことじゃないよ。彼女は僕のとても良い友達で、命の恩人なんだ。」
「冗談だよ。ちゃんとお別れできた?」
「うん、言いたいことは全部言ったよ。」
「それならよかった。今日はゆっくり休もう。明日からは大きな旅が待っているからね。」




