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第2話 06再生と破産

時間が飛ぶようにすぎる! あっという間に『史上最強の幽霊剣士』第二章も半分まで終わりました、ここまでご支援いただきありがとうございました。 その後も頑張っていきます。

扉が静かに閉まった後、ニックスはしばらくその場に立ち尽くしていた。耳を澄ませても、外からは何も聞こえてこない。夢子の足音も、扉を閉じる音も、もう聞こえない。その空間に取り残されたような不安な感覚を感じながら、ニックスは次に何を言おうかと頭の中で考えた。


「フェニックスを倒すタイプの人間って、どんな感じだろう…?」と、ふと考える。自分がその能力を持っていたとしても、彼がそれを倒すには並外れた力が必要だ。少なくとも、普通の人間にはできないだろう。そして、こうしてこの世界に来た理由、そして自分が持っている能力が、どうしてもタイムトラベラーと結びついているように感じた。


「村の人々が俺を信じる時期は、そろそろ来るのかもしれないな。」


その時、突然、目の前の空間が歪んでゆく。まるで視界がぐにゃりと曲がったかのように、彼は再び、あの見覚えのある空間に引き寄せられた。


目を開けると、目の前にはあの精霊が立っていた。あまりにも突然現れたその姿に、ニックスは驚きと同時に、軽い苛立ちを覚えた。


「お前、またここに来たのか?」


精霊はニックスを睨みつけながら、言葉を絞り出した。


「お前、まだ平気な顔して言うのか?前回、あんたのせいで私は死にかけたんだぞ!」


ニックスは手を挙げて謝る仕草を見せるも、精霊の怒りは収まらない。


「ごめんごめん、でも結局俺たちは生き延びたんだろ?」


精霊は冷笑を浮かべながら続けた。


「次、あんな状況に出くわしたら、お前をかばわないからな。」


ニックスはあくまで軽い調子で応じる。


「え?お前が逃げられるって?」


精霊は無言でニックスをにらみつける。ニックスは少し肩をすくめながら続けた。


「もちろん無理だよ。逃げられたら、前回だって逃げてたさ。お前みたいなバカが死んでもどうでもいいから。」


「…冷たいな。」


精霊はため息をつきながら言った。


「でも、どうやってここに来たんだ?」


「バカだな、お前。前回ちゃんと説明しただろ?」


「ああ、そうだった…空間を移動できるって、専用の精霊がいるんだったっけ?」


「その通り。」精霊は少し誇らしげに言った。


「俺が望めば、お前がどこにいようとこの空間に連れて来れるんだよ。」


「へぇ…それって一体どういう仕組みなんだろうなぁ。」ニックスは首をかしげながら呟いた。


「まあ、そんなことよりも、俺たち村の連中の信頼を得る方法を考えないと。」


「確かにな。普通、誰でも知らない奴を怪しむだろうし。」


「それに今は戦争中だしね。」


「うん、その話は後でな。」


その言葉が終わるか終わらないかのうちに、突然、再びニックスは自分のベッドに戻されてしまった。


約1ヶ月後、ニックスの傷はほぼ治癒し、医者に外出しても問題ないと言われた。久しぶりにベッドから起き上がり、ゆっくりと扉に向かって歩きながら、長く閉ざされた外の空気を吸いたくてたまらなかった。扉を開けると、新鮮な風が顔を撫で、ニックスは生き返ったような気分になった。


「あぁ、ようやく外に出られる!」


目の前に広がったのは、静かな村の通り。その名も「日没村」と書かれた看板が、少し風に揺れながら彼を迎えた。階段を一段一段踏みしめながら、思わず大きく伸びをすると、遠くから夢子が歩み寄ってきた。


「ほら、もうほとんど治ったみたいじゃない。」


ニックスは少し疲れた様子で頷いた。


「まあな、当然だろう。」


夢子はにっこりと笑いながら言った。


「じゃあ、治療費を払ってもらうわよ。」


「治療費?」ニックスは顔をしかめた。


「おい、まさか踏み倒すつもりじゃないだろうな?」


夢子はしっかりとニックスの前に立ち、彼をじっと見据えて言った。


「病院で治療を受けたんだから当然お金が必要だ。」


「う…あ、そっか…」ニックスは慌てて後ろに下がり、言い訳しようとした。


「あー、そういえばちょっと急用を思い出したから、俺ちょっと行くわ!」


ニックスが振り返って逃げようとした瞬間、夢子は素早く彼の襟を掴んだ。


「逃がさないわよ!」


ニックスは必死に手を振りながら叫んだ。


「助けてくれ!金なんてないんだよ!」


「そんなの知らないわよ。」夢子は冷たく言い放った。


「合計で…5000ゴールド以上ね。」



ちなみに時間を更新しておきます。 ほとんどがそうです。 深夜2時か夜9時に更新します。 1日2話程度なのでこれからもよろしくお願いします。

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