第10話 09大きなギャンブルをしましょう!
こちら、さらに臨場感を増して、描写を豊かにしました!どうぞご覧ください!
---
「別の時空からの攻撃なのか…」
ニックスとフィードは、身体の奥深くを抉るような痛みに顔を歪め、荒い息を吐きながら膝をついていた。空間そのものがねじれ、見えない重圧が彼らを押し潰そうとしている。
「ニックス、どうも…調子が悪い…」
フィードの声はかすれ、額には冷や汗が滲んでいた。その瞳には、いつもの自信ではなく、じわりと滲む焦燥が宿っている。
「俺も同じだ、フィード。」
ニックスもまた立ち上がろうとしながら、全身の力が抜けるのを感じていた。幽霊の攻撃は肉体だけではなく、精神や魂までも蝕んでいるかのようだった。
それでも、二人は再びよろめきながら立ち上がった。
「どうするんだ?」
フィードが辛うじて声を絞り出す。その瞳には、戦士としての冷静さと、同時に避けられない敗北への恐怖が混在していた。
「攻撃も効かないし、防御もできない…これじゃ無敵だろ?」
「いや、絶対にどこかに弱点があるはずだ。」
ニックスは歯を食いしばりながら、必死に幽霊の言葉を反芻した。
「『お前たちは私を攻撃できない』…違う。」
「『この世界では誰も幽霊を突破できない』…これも違う。」
「『魔力で身体を別の空間に隠している』…」
その瞬間、ニックスの瞳が鋭く光った。
「そうだ、これだ!」
彼は叫び、まるで閃光が頭の中を駆け巡ったかのように、答えがひらめいた。
「フィード、解決方法がわかった!」
ニックスは素早くフィードに耳打ちをした。
「本当にそれでいけるのか?」
フィードは半信半疑の様子だったが、ニックスの表情には迷いがなかった。
「試してみるしかない。失敗したら…死ぬかもしれないけど、やるしかない!」
ニックスの決意に、フィードは息を呑んだ。そして、彼の目にも再び戦士の炎が灯った。
「いいだろう。一か八かだ。」
二人は互いに頷き合い、再び戦闘態勢を整えた。
幽霊は彼らを見下ろし、冷笑を浮かべる。その瞳はまるで獲物を弄ぶ捕食者のようだった。
「考えたって無駄だ。お前たちは私を攻撃できない。」
しかし、ニックスは無言のまま幽霊に向かって疾風のごとく突進した。
剣を構え、一直線に敵へと迫る。
「また同じ手か。」
幽霊は余裕の表情を崩さず、ニックスの攻撃を冷静に受け流した。予想通り、剣は再び幽霊の体をすり抜ける。
その瞬間、幽霊は素早く反撃に転じ、一撃をニックスの腹部に叩き込んだ。
鈍い衝撃音と共に、ニックスの身体は空中に弾き飛ばされ、地面に激しく叩きつけられる。
「どうだ?お前たちの方法とやらは。」
幽霊が冷たく笑い、追撃のためにゆっくりと近づいてくる。
だが、次の瞬間、ニックスは体勢を立て直し、すばやく後方へ飛び退った。
「お前の言う『身体を別の空間に隠している』ってのは、実際には自身の魔力で空間を作り出しているだけだろ?」
その言葉に、幽霊の冷笑が一瞬、薄れた。
「その魔力を破壊するか吸収すれば、その空間も消えるはずだ。その空間が消えれば、俺たちもお前を攻撃できる。」
幽霊の目が僅かに細まった。その無表情の奥に、かすかな驚きと警戒が滲んだ。
「なるほど、よくわかったな。」
幽霊は静かに言ったが、その声にはわずかな苛立ちが混じっていた。
「でも、そんなことができるのか?」
「俺たちは魔法使いじゃない。」
ニックスは胸を押さえながら、ゆっくりと立ち上がった。
「フィードは近接格闘の専門家、俺は魔剣士だ。魔力を操る術はない。」
その言葉に、幽霊の冷たい笑みが再び浮かびかけた、その時——
「だが、俺には魔力を操ることができる道具があるんだ。」
ニックスはゆっくりとポケットに手を入れ、小さな球体を取り出した。
その球体は淡い青白い光を放ち、まるで静かに鼓動する心臓のように脈動していた。
「これは『魔力吸収球』だ。」
ニックスは球体を幽霊に向けて構え、わずかに笑った。
「この球体でお前の魔力を吸収すれば、お前の空間も消




