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第10話08超時空撕裂

皆さんこんにちは、そうです、本日4000pvを突破しました。 皆様の多大なご支援に心より感謝申し上げます。 間違いなく今後も努力していきます。 引き続き応援よろしくお願いします。また次回お会いしましょう。




---


「お前たちは強いが、相手を間違えたな。」


幽霊は冷たい声で言い放った。その口元には嘲るような笑みが浮かんでいる。夜の闇と一体化したその姿は、まるで死神そのものだった。


だが、フィードはその冷たい手をしっかりと掴んだまま、薄く笑みを浮かべて言った。


「だが、俺たちはアニメをたくさん見てきたんだ。」


一瞬、幽霊の眉がかすかにひそめられる。その僅かな違和感を逃さず、右側から鋭い声が響いた。


「円舞曲!」


ニックスの声と共に、彼の剣が宙を舞い、疾風のごとく幽霊を狙う。剣筋が描く軌跡はまるで舞い踊る旋律のようで、銀色の閃光が暗闇を切り裂いた。


そう、この作戦はフィードとニックスが夜明け前に話し合い、決めていたものだった。


幽霊が攻撃する瞬間には必ず実体化する。

その一瞬を逃さず、全力で攻撃を叩き込む。それが二人の唯一の勝機だった。


「成功した!」


ニックスの剣が幽霊の腹部を正確に捉えた。刃が黒い布のような体を貫こうとする——そのはずだった。


だが。


「いい戦術だが、君たちは一つ勘違いしているようだな。」


幽霊は不気味な笑みを浮かべた。その瞳が紫色に輝き、冷たい嘲笑が漂う。


「私が攻撃する時、全身が実体化するとは限らない。」


ニックスの剣は、またしても幽霊の体をすり抜けた。


「どういうことだ…?」


ニックスの目に驚愕が宿った次の瞬間、幽霊の蹴りが疾風のように襲い、ニックスの体を容赦なく吹き飛ばした。


衝撃で彼は木々を薙ぎ倒し、重い音を立てて地面に叩きつけられる。


続いて、フィードの体も重力に逆らうことなく、地面へと打ち据えられた。喉を圧迫するような痛みが全身に走る。


「攻撃する時、実体化するのは攻撃部分だけだ。」


幽霊はゆっくりと歩み寄りながら、氷のように冷たい声で言った。その視線には余裕すら漂い、まるで二人の敗北を当然のように見ている。


「全身が実体化するわけではない。お前たちは甘すぎる。」


「どうすればいいんだ…」


フィードのかすれた声が宙に溶ける。


「私が物体を透過できるのは、魔力を使って体を別の空間に隠しているからだ。」


幽霊の声は静かだが、その響きは不気味で、まるで深淵からの囁きのようだった。


「そうすることで、お前たちは私を攻撃することができない。同時に、私はその空間から自由に攻撃できる。」


幽霊の左手がゆっくりと形を変え、鋭い手刀のように変形した。その動きは恐ろしく滑らかで、異様なほど静かだった。


「そして…これが終わりだ。」


幽霊が手を振り下ろした瞬間、空間が悲鳴を上げるように裂けた。


「超時空、撕裂。」


その声と共に、空間そのものが割れ、目の前に現れたのは、漆黒の無限の闇——この世の理から完全に逸脱した異世界だった。


鏡が砕けたように空気がねじれ、割れ目から溢れ出す闇は底知れぬ恐怖を呼び起こす。空間の裂け目からは、理性を蝕むような低い呻き声が微かに響いていた。


「防御しなければ…!」


ニックスとフィードの本能が警告を発した。


二人は即座に防御姿勢を取ろうとした——そのはずだった。


だが、幽霊の超時空攻撃は、物理的な防御を一切無視して、まるで魂を狙い撃つかのように貫通した。


強烈な衝撃が二人の体を打ち抜き、まるで心臓を直接握り潰されたような痛みが全身を走る。


視界がぐにゃりと歪み、二人の膝が崩れ落ちた。


「これは…なんだ…?」


ニックスの震える声が、暗闇にかき消された。


幽霊は無情に彼らを見下ろし、冷たく笑う。


「これが、絶望だ。」


漆黒の裂け目はなおも広がり、辺りの空気を飲み込みながら、二人の意識を闇へと引きずり込もうとしていた。


しかし——まだ終わりではない。



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