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第10話02突破の森

「すごいことを聞いてしまったな。」フィードが少し驚いたように口を開く。「話が逸れたが、君たちがここに来たのはその話をするためではないだろう?『突破の森』の情報を聞きに来たんじゃないか?」


ニックスがうなずくと、男性はにやりと笑いながら続けた。

「どうしてそれを知っているかって?君たちが右手に持っているその四角い装置、それが何かは俺も知ってる。あまり詳しくはないが、アリスに説明してもらおう。」


言われた通り、そばにいた女性が静かに口を開いた。

「初めまして、私はアリスです。」彼女の声は柔らかく、落ち着いた調子で続いた。「君たちも知っている通り、魔力球が魔物を選ぶ仕組みについて話すわ。どうやって『突破の森』でより良い魔物を捕まえるか、その答えは…運次第ね。」


フィードが肩をすくめて言った。

「正直なことを言うのかと思ったら、運かよ。」


アリスはにっこりと微笑んで、続けた。

「本当にそうなの。でも、重要なことが一つあるわ。魔力球で魔物を吸収する前に、その魔物の戦闘力を必ず削いでおいて。さもないと、魔物が体内に入った時、弱っていない魔力神経が反抗し、君の魔力神経と対立することになる。もしその対立に勝てなければ、逆に支配されてしまうから、絶対に忘れないで。」


フィードとニックスはその言葉に真剣に頷いた。

「分かった、気をつけるよ。」


「最後に一つアドバイスをあげるわ。」アリスが話を締めくくるように言った。「もし君たちが『突破の森』に入るなら、東側から入るのがいいわ。そこにはあまり強くない魔物がいて、命の危険も少ないから。」


「ありがとう。」ニックスが感謝の意を込めて言った。


二人は軽く頭を下げて、アリスと男性に別れを告げると、その場を離れた。足取りは軽く、心の中には少しの不安もあったが、それ以上にワクワクする気持ちが勝っていた。


「さあ、今から出発しようか。」フィードが気合いを入れるように言った。


「うん、まだ朝だから、見晴らしもいいし。」ニックスが前を見つめながら答える。


「よし、それじゃあ出発だ。準備は整ってるよ。今日は君が突破する番だね、明日は俺が。」フィードが軽く笑って言う。


「いいよ!」ニックスはしっかりと答えた。今はまだ不安もあるが、彼には自分の力を試してみたいという気持ちが強くあった。


二人はそのまま足を速め、目的地である「突破の森」に向かって出発した。森の向こうには未知の冒険が待っている。道中、数回道を確認しながらも、二人は順調に進んでいった。森林の入り口が見えてくると、微かな緊張感が二人を包み込む。


「行こうか、ニックス。」フィードが先に歩き出す。


「うん、行こう。」ニックスも続いてその足音を追う。



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