表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10万pv突破しました!!!【每日更新】史上最強の幽霊剣士  作者: Doctor Crocodile


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1065/1084

第63話 11 エピローグ

幽霊の姿は再び薄れ、消えていった。

ニックスは深く息を吸い、現実へ意識を戻す。


――答えは単純だった。


重大な問題が発生したせいで、幽霊の力を今は正確に扱えない。

あの“半身共有”による戦闘も、現在は不可能。


つまり――大幅な弱体化だ。


「仕方ない……この部分は幽霊に任せるしかない。俺がやるべき事は変わらない。」


ニックスは眠る星に視線を落とす。


優しく、囁くように呼びかけた。


「起きて、星。そろそろ起きる時間だよ。」


星はぼんやりと目を開き、猫のように伸びをする。


「夜……?もう朝なの?あぁ、早いなぁ……昨日、夢見たんだよ……」


ニックスは苦い笑みを浮かべる。


「残念だが、違う。問題が起きた。襲撃だ。そして俺の能力が少し不安定だ。だから、君はこのテントの中で“隠れて”いて。」


煙火型の信号棒を手渡す。


「もし何か起きたら、これを撃って。すぐ戻る。幸い、敵の数は多くない。君は絶対に無事でいろ。」


星は強く頷く。


ニックスはテントを出て、念のため外側に紫色の防壁を一枚張った。


「……力が戻ってきてる。フィード側は片がついたか。幻術はシャアとエリッサに任せる。そして俺がやるべきは――」


視線は、戦闘の光が揺れる“回復陣地”の方へ向いた。


次の瞬間、ニックスはそこへ駆け出した。


――やはり魔物がいた。


人数の少ない兵士たちは必死に抗戦しており、状況はすでに臨界。血の匂いと砂埃が混じり、夜気を焼く。


その時――


紫の斬光が降り注ぐ。

巨大な魔力剣気が地を薙ぎ、あと少しで兵士にも当たるところだった。


ニックスが天から落ちる。


「――悪い。今は威力の制御が上手くいかない。時々、異常に出力が暴走する。」


ニックスは兵士へ視線を向ける。


「ここは俺に任せろ。お前らは傷者を運べ。」


兵士達は一瞬目を見開いたが、すぐに頷き、動き出す。


ニックスは魔力剣を構えた。


「――さあ。この不意の戦いに、俺が幕を下ろそう。」


紫の魔力が、渦を巻く。


円舞曲えんぶきょく・連撃。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ