第9話08最強の一手、最強の一手に対する
「ニックス、僕たちは死ぬのか?」
フィードが震える声で尋ねる。汗が額を伝い、荒れた息が戦場の冷たい空気に混じる。
「わからない。でも、全力を尽くせば、不可能なことはないさ。」
ニックスは静かに答えながら剣を構える。その刃は淡く輝き、まるで二人の希望を宿したかのように、微かな光を放ち始めた。
フィードもそれを見て、ふっと微笑む。
「『成功しなければ、仁を成す』——そうだろ?」
「フィード!」
「ニックス!」
二人は互いの名前を叫び、力を込めた。
「流星!」
「超震動!」
必殺の技が放たれる瞬間、凄まじい閃光が空間を切り裂く。爆発的な衝撃が轟き、砂塵が舞い上がる。風が唸りを上げて吹き荒れ、大地さえも揺るがした。
死のコンクリートは目を細め、巨大な円柱体をゆっくりと振り下ろす。まるで天が崩れ落ちるかのような圧倒的な威圧感。ニックスとフィードの小さな身体が、押し潰されそうになる。
「これが俺に逆らった愚か者の末路だ!ははははは!さあ、死ね!!」
死のコンクリートの嘲笑が響き渡る。しかし、その瞬間——。
「いや、僕たちは死なない。」
清らかで力強い声が鳴り響いた。
「さっきも言っただろう?僕たち二人が一緒なら、無敵だって。」
次の瞬間、圧倒的な破裂音が空気を震わせる。円柱体の表面に一本の亀裂が走った。それはまるで命を持ったかのように、次々と枝分かれしながら広がっていく。
「な…に?」
死のコンクリートの瞳孔が見開かれる。
ひび割れが深くなり、ついに円柱体は音を立てて崩壊し始めた。巨大な塊が砕け、粉塵が宙に舞う。土煙の中から、ゆっくりと二つの影が姿を現した。
ニックスとフィード。
彼らの瞳には、確かな勝利の光が宿っていた。
「これが——僕たち二人の必殺技だ。」




