第9話06超重撃
不滅の誓い
「さっきから俺の言うことが聞こえないのか!?お前たちはもう終わりだ!!」
死のコンクリートの怒声が戦場に響き渡る。
しかし——
フィードは静かに笑った。
「そんなことないさ。」
彼の声は揺るぎなく、確信に満ちていた。
「だって僕たちは、一緒なら無敵なんだから。」
死のコンクリートの背後——
巨型セメント人形が、再び巨大な刃を振り上げる。
「……なあ、ニックス。」
フィードは、ちらりと隣を見る。
「セメントって、固まったら動けないはずだよな?」
ニックスもまた、笑みを浮かべた。
「つまり——動ける部分が弱点ってことか。」
二人の目が合う。
そして——
「行くぞ!」
同時に跳躍。
疾風のように駆け上がる。
それぞれ、巨人の左腕と右腕に飛び乗った。
——見つけた。
「フィード、こっちは右腕だ!」
「よし、俺は左腕を狙う!」
巨人の肩口に目をやると——
そこだけが不自然に水泥のまま、まだ固まっていない。
ニックスが鋭く指摘する。
「……あそこだ!明らかに緩んでる!」
フィードの目が鋭く光る。
「言ったそばから見つけたぞ!」
——全力で拳を振り下ろす。
ズンッ!!
鈍い衝撃とともに、赤黒い液体が噴き出した。
「やっぱり……!」
その瞬間、死のコンクリートが動いた。
「黙れ!!!」
セメントを長槍へと変え、ニックスへと突き出す。
鋭い一閃。
ニックスは素早く刀を構え、弾き返した。
激突する刃と刃。
閃光が迸る。
——死のコンクリートの攻撃は止まらない。
連撃、突き、薙ぎ払い。
ニックスは攻防を繰り返しながら、隙を探る。
「こうして……肩から手まで……攻め続けるんだ……!」
一瞬の隙。
「今日が貴様らの終わりの日だ!!!」
死泥鬼が咆哮する。
——だが。
「だから言っただろう。」
フィードが、肩の上で不敵に笑う。
「僕たち二人は——無敵だって。」
拳に、全力の力を込める。
「超重撃!!!」
——轟音。
砕け散るセメントの塊。
肩口のセメントが完全に破壊され——
次の瞬間、巨人の腕が重力に引かれ、崩れ落ちる。
ドサッ……!
地面に響く、巨大な衝突音。
粉塵が舞い、静寂が訪れる——。




