第9話04絶望がやってくる
皆さんこんにちは、doctor crock 、そうです、今日で100章を突破しました。 皆様、長きにわたるご支援、誠にありがとうございました。
絶望の分断
ゴッ——!!
重々しい一撃が、二人の背中を無慈悲に叩きつけた。
「ぐっ……!」
強烈な衝撃に耐えきれず、ニックスとフィードの身体は宙を舞い——巨大なセメントの巨人の足元へと転がり込む。
「言っただろう?」
低く、不気味な声が響いた。
「まだ終わってないぞ。」
セメントの巨人が、巨大な刃をゆっくりと振り上げる。
そして——
ズンッ!!
大気を裂く勢いで、刃が振り下ろされるその瞬間——
ドンッ!!
フィードの身体が突然横へと弾き飛ばされた。
「ニックス!?」
驚愕するフィードの目の前で、ニックスが蹴りを放ち、彼を攻撃範囲の外へと押し出したのだった。
その代償として——
「くっ……!!」
ニックスは、己の剣を振りかざし、迫りくる一撃を正面から受け止める。
だが、あまりにも重い。
圧倒的な重量が彼の剣を押し下げ、足元の地面が砕け散る。
「ぐぁっ……!!」
——そして、ついに耐えきれず。
ニックスの身体は、地面へと強かに叩きつけられた。
轟音とともに、土煙が舞い上がる。
「ニックス!!」
フィードが駆け出そうとする——だが。
「どこへ行くつもりだ?」
冷淡な声が響く。
「お前の相手は俺だろう?」
死のコンクリートが、まるで遊ぶかのようにフィードの行く手を遮る。
フィードは苛立ちを噛み殺しながら、セメントの巨人へと視線を向ける。
ニックスが倒れた地点へと、再び振り下ろされようとしている巨大な刃——
「くそっ……!!」
全力で駆け出すフィード。
「通すかよ!!」
彼の拳が燃え上がるような衝撃波を生み出し、セメントの巨人へと一撃を放つ——だが。
「無駄だ。」
セメントの刃が、不気味に形を変えた。
長刀から短剣へと変化し、しなやかに動きながら、フィードの攻撃を悉く受け流す。
「なっ……!?」
フィードの拳は何も捉えられないまま、宙を切った。
「どうした?」
死のコンクリートがニヤリと笑う。
「お前の仲間はもう持ちこたえられないぞ?」
「ぐっ……!!」
焦りが、フィードの心を支配していく。
「お前の仲間は——死ぬだろう。」
「黙れぇぇぇッ!!」
フィードの拳が閃光のように振り下ろされる。
しかし——
「……だから、言っただろ?」
死のコンクリートが余裕たっぷりに身体を翻し、軽やかに攻撃を躱す。
そして、そのまま——
セメントを一瞬で長棍へと変化させる。
「お前の攻撃は、焦っている限り俺には届かない。」
次の瞬間——
ズドンッ!!
フィードの身体が激しく弾き飛ばされた。
同じ頃。
別の場所では、ニックスもまた、セメントの巨人の猛攻を受け——
「ぐああっ……!!」
その身体が、無残にも吹き飛ばされていた。
そして——
二人の身体が、空間を裂くようにして、同じ地点へと叩きつけられる。
「ハハハ……!」
死のコンクリートの嘲笑が響く。
「お前たち二人は、確かに強い。」
「だがな——」
「それは、二人が協力しているときだけだ。」
死のコンクリートがゆっくりと歩を進める。
「お前たちを分断すれば——」
「結局、ただの銀ランク二段の戦士に過ぎないってことだよ。」




