猫
街の灯りがキラキラと輝いて
夜の帳が降りてくる
ふわりと風が吹き抜け
狭い路地に響く足音が聞こえる
それは
ひときわ小さな探検家
猫の冒険の始まりだ
小さな肉球が舗道を軽やかに歩き
鼻先で街の匂いを嗅ぎ分ける
猫は目を細め
その瞳には夜の秘密が広がっているようだ
どこかには縦走する高架線路
遠くから聞こえる汽笛の音
そして町中に広がる人々のざわめき
すべてが猫の好奇心を刺激し
探検への興奮を高めていく。
街灯の下を通り抜け
闇に包まれた庭園をのぞき込む
そこには不思議な生き物たちが住んでいるようで
猫は耳を立ててその音に耳を傾ける
時折 月明かりが彼の毛並みを銀色に輝かせ
彼を幻想的な存在に変える。
そして 猫は高い壁をよじ登り
屋根の上に立つ
街の景色が一望でき
星々が夜空を照らしている
彼はこの大都市の一部となったように感じ
自由に空を舞うように歩き回る。
街を探検する猫は
孤独ではない
彼の心は街の魅力に引かれ
新しい冒険を求めていつも歩いている
そして 夜明けの前に
猫はひとしずくの朝露と共に
街の中で見つけた秘密を胸に帰路につくのだ