フィル
フィルは結局夜中までずっと匂いを嗅いですりすりしていた。この性癖も嫌われないかと思う理由である。ユキが服を持って来てくれたが半分はユキが持って行った。何に使うんだろう?私と一緒かな?それは無いか・・・・。わかんないけど。こんなに好きになっちゃうなんて思わなかった。アキにぃ・・・・・・これだけ思っていても伝わらない、どうしてだろう。こんなにこんなに好きなのに。駄目だ、嫌われたくない。どうしよう会いたいけどあったら嫌われるかも。あの頃は何も考えずに会えたのに!今はそんな勇気は沸かない。どうして!?こんなに会いたいのに!アキにぃ!!会いたいよぉ!
「フィルはいるか?」
「っ!!!?」フィル
「お邪魔しまーす、おい、フィル!いるんだろ?ちょっと話しようぜ?」
「帰って!!会いたくない!!」フィル
「おいおい、なんでだよ、久しぶりだし会いたいんだって、駄目か?」
「だ、だ、だめじゃ―――――、駄目!!帰って!!」フィル
「なんかあったのか?」
「そ、それは!!?アキにぃが急にどっか行っちゃうから!!!」フィル
「ごめんて、悪かった謝る。すまなかった。だから会わせてくれよ。駄目か?」
「駄目じゃない!!?でも駄目!!!会いたいけど会えないの!!嫌われちゃうから!!!」フィル
「?なんでだ?俺はフィルの事嫌いになんかならないと思うぞ?なんか俺の秘密でもばらしたのか?」
「そんなことしない!!でもこんな女の子嫌いでしょ?」フィル
「なんでだよ。可愛いじゃねーか。俺はずっと可愛がってたんだぞ?それとも可愛がられてなかったか?」
「それは!!?可愛がられたけど・・・・・何年も経って変わっちゃったから・・・こんな女嫌いだよきっと!!」フィル
「何かあるのか?俺に言えない事か?あの二人に相談してみたか?俺に言えないなら二人に聞けば―――――」
「言えるわけないじゃん!!こんなこと!!誰にも言えないよ!!」フィル
「なんだ?やましい事してんのか?まあ、そういうのは人には言えないけどみんなしてるもんさ案外な、だから気にしなくていいんだよ」
「こ、こんなことしてるなんて嘘だ!!アキにぃはすきなひとの匂い嗅いだりするの!!!!!!!?」フィル
「ああ、そんくらいするだろ?俺はまだすきなひと出来たことないが、男はみんなしてるぞ?俺の父さんだって、母さんの匂いが好きだのなんだのって言ってるぜ?」
「そ、それは、違うもん!!そんなんじゃないもん!!!もっとすごいんだもん!!」フィル
「もっとか?もっとって言うとあれか?匂いで致しちゃうとかそんなか?それでも大したことじゃあないと思うがなぁ?だってそんなのみんなすきなひとの匂いは興奮するもんだしなぁ?」
「でもでも!!もっともっとすごい事しちゃうんだから!!!」フィル
「どんなだよ・・・・自分でも思いついてないだろ?大丈夫大丈夫、世の中業が深い人はたくさんいるんだ。フィルだけが特別じゃないさ」
「でもでも!!!こんな女嫌いでしょ!!」フィル
「男も女も関係ないさ。部屋は行っていいか?」
「うん・・・・・・」フィル
「入るぞ」
「あ、アキにぃ!アキにぃ!!!」
俺の胸に飛び込んで来た。大きくなって。いろいろと、女らしくなってる。何をそんなに気にしてたんだ?好きな男でも出来たか?背も同じくらいあるし。いいにおいするし。やばいくらくらしてきた。
「あ、なんで俺の服がここに?」
「これはユキがおいてったんだ。お、お、お守りだって」フィル
「どういうことだよ、服がお守りって、俺がやったミサンガあったろ?」
「それはそれこれはこれだよ?返さないから」フィル
「おいおい!あんなになんか言ってたのに強気じゃねーか!返してくれたっていいだろ!?俺のお気に入りだし!!」
「しょうがないなぁ、じゃあ着替え洗濯するから毎日持って来てね?それで許してあげる」フィル
「なんだよ許してあげるって?悪かったけどさぁ、なんで洗濯なんだ?」
「な、なんでもいいじゃん、アキにぃには関係ないよ」フィル
「いやいや、気になるだろ?」
「は、花嫁修業だから・・・・・」フィル
「ほぉ~~~好きなひと出来たんだ?誰?誰?村の奴だろ?あいつか?でもな・・・・いやあいつか?でもな・・・・」
「いいから!!誰でもいいでしょ!!アキにぃにはもうこの話しない!!!」フィル
「なんでだよぉ~いいだろ?なあ?ちょっとだけ!ヒントでいいから!!」
「うるさいうるさい!!」フィル
「なんだよ・・・・てか抱き着いたままじゃんか。苦しくないのか?胸に顔うずめて?」
「いいの!!!静かにしてて!!ぎゅってして!!」フィル
「お、おう、元気でたか?」
「まだ!!!もうちょっとかかる!」フィル
「そうか、腕がつかれたんだが・・・・・なでるんじゃだめか?」
「うっ、それでもいい・・・・・」フィル
「よしよし、心配かけたな・・・・・やっと帰って来れた」
「匂いしない・・・・・」フィル
「今日の朝風呂入って来たんだ。どうだ?女の子に会うときには清潔にするんだぞ?これが大人のマナーってやつさ?どうだ?大人がわかったか?フィルももう大人だろう?」
「そんなのワカラナイ!!!アキにぃは色気づかなくていいの!!!臭いままくればいいの!!!」フィル
「く、く、臭いのか?加齢臭か?やばいぞ・・・・どうしよう・・・」
「臭くない!!アキにぃは匂いしないから別にこまめに風呂に入んなくてもいいの!!!わかった!!?私たちと会うときは綺麗にしないで!!!」フィル
「な、なんでだよ、綺麗な方が人間いいじゃねーか、駄目なのか?」
「ダメダメ!全然わかってない水もしたたるいい男って言うし、汗かいてそれがしたたるくらいがいい男ってことなんだよ?」フィル
「いやそれは、水がしたたる―――――」
「わかった!!?」フィル
「む、でも――」
「わかった?」フィル
「はい・・・・・」
「よし・・・・・・・(小声)」フィル
「なんか言ったか?・・・・そういえば元気出たみたいだな?そろそろ座って話そうぜ?」
「いいよ、膝枕して?」フィル
「ああ、いいぞ?甘えたいのか?よ~しよしよし可愛いなぁ?あ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待とうか、顔は体の方に向けないでくれるか?そこは股間だ、落ち着かないから、やめよう?いいな?」
「ええ~!!膝枕してくれるっていったのにぃ!!嘘つき!!」フィル
「わ、わかった、じゃあ股間の方にあまり近づかないでくれるか?それならいい」
「わかったぁ・・・多分(小声)」フィル
「多分?・・・・・やっぱりやめとこう――――――」
「大丈夫だから!!ドーン!」フィル
「あ!!!ちょま!!ちょっと待って!!!そこは駄目!!顔押し付けんな!!!こら!!フィル!!股間に顔押し付けんな!!!悪ガキめ!!やって良い事と悪いことがあんだよ!!!!」
「くんくんくんくん!!はぁはぁ!はぁはぁ!」フィル
「ふざけんな!!なんで身体強化使ってやがる!!おい!!フィル!!!いい加減にしないと怒るぞ!!!?いいのか!?お前に美味しい物はやらんぞ!?」
「わかった」フィル
「わかったなら放せよ、顔を、股間は男の急所だからそういうのはよくない、わかった?」
「わかったぁ~~~~!」フィル
「いやいや適当だろ!?話聞けよ!?」
「アキにぃ感じたんでしょ?だからそうやってごまかそうとしてるんでしょ?」フィル
「なに!?感じた!?な、何を言ってる!!?そんなことはない!!?絶対に男の前でそんなこと言うんじゃないぞ!!!?」
「へぇ~アキにぃならいいの?」フィル
「駄目だ!!俺も男だ!!そういうのは好きなひとだけにしなさい!!」
「じゃあ、アキにぃはいいってことだね」フィル
「なんでそうなる!!!?話聞いてたか!!!?駄目だ!!駄目だったら駄目だ!!いい子は言う事聞きなさい!!!!?」
「私悪い子だもん・・・・・・・」フィル
「フィルはいい子だ!俺は知ってるし、信じてる、だからやめよう?いいね?」
「今日は許してあげる・・・・・・・」フィル
「な!!?他の日も駄目だからな!!?」
「あたしあたまわるいからわかんない!!」フィル
「おい!急に頭悪くなるわけないだろ!!絶対ダメだからな!!?いいな?」
「はぁ~い」フィル
「全然わかってねぇ!!駄目だかんな!!!?」
「わかってるわかってる、二人の時にしかしないから!」フィル
「そう言う事じゃねー!!!?」
「ははは、大丈夫大丈夫!任せといて!お母さんにやり方習ったから!!」フィル
「全然安心出来ねぇ!!!?やめろ!!!!そう言う事聞くんじゃねー!!!」
「あはははは、いいじゃん、年ごろなんだし。もう子供だってできるし、ね?アキにぃ」フィル
「ね?じゃねー!!!子供出来るってことはそれだけ責任があるってことだかんな!!!?いいか?適当にそんな事するんじゃねーぞ!!!?わかったか!!!?」
「はいはい、適当になんかしないしない、もう決めた人いるし!」フィル
「そ、そうか、じゃあ、俺にもこういう事するなよ?その人との仲が壊れるからな?」
「それは大丈夫なんだな~!!」フィル
「何が!!!!!?」
「おしえな~い」フィル
「ま、まあいい、もうこれっきりな!!じゃあ俺は帰る!!こんなことすんなよ!!」
「え~!!また会いに来てくれないとどうなるかわかんない!!」フィル
「おいおい!!そういう脅し方はずるいぞ!!会いに来るけど、今回みたいなことは無しな!!俺にもいい人できるかもしれないし!!!」
「それなら余計やっちゃうかも・・・・」フィル
「おい!!!?」
「うそうそ・・・・・多分(小声)」フィル
「わかった、じゃあな!また来る!」
「じゃあねー」フィル