↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/69

29 双剣 二文字


 学園生活2日目。


 昨日は、ルーレットしか引かなかったけど、今日は何をしようかな。

 ノノンだけど、なんと提出書類を仕上げてくれた。目に隈を作って出来ましたよって朝渡してくれたんだ。ちょっとびっくり。ありがとう。

 そして、今日もミラはゴネてる。ううん。


「レム、なんでついて来ないの?」

「ですから、マスター。何度も申し上げたとおり規則ですから」


 ノノンが眠そうな目を擦りながら、冗談を言う。


「レムさんは、ミラちゃんの右腕ですよね。それはもうミラちゃんの一部って言っても良いのではないでしょうか?」

「それだ!」


 嬉しそうに駆け出したミラを見て、沙耶は頭を押さえる。え?それは、許可貰えるの?


「ちょっと、ノノン。頭は起きてるの?ミラが、落ち込んで帰ってきたらどうするの?」

「ごごご、ごめんなさい。悪い冗談でした」


 待つことしばし。


「お待たせー。いいよって言われた!」

「え?あー、そうなの?」

「おお、ミラちゃん良かったですね。ママも沙耶さんに叱られなくて良かったです」


 もしかして、ミラは魔性の女かも?ただし、すごく歳上に限るけど。


「良かったね、ミラ」

「うん。沙耶ちゃん!レム付いてきて」


「「行ってきまーす」」

「行ってらっしゃいまへえ。ふあぁ」


 寝落ちしそうなノノンに見送られて、今日もルーレットを引きに行く。重たいドアを開ければ、昨日と同じ光景が広がる。


 あっ、昨日の黒魔導士の女の子だ。手を振ってくれた。どうやら入口付近で待ってくれてたらしい。嬉しいっ。


「おはよーございます。沙耶お姉さまに、ミラちゃん」

「おはよう、ルチア」

「おはよー」


「あっ!服を買われたんですね。可愛いです」

「あのね、沙耶ちゃんが選んでくれたの」

「お店教えてくれてありがとう」


 興奮しながら、くるくるとお披露目するミラを愛でる。ミラはきちんと着てくれたんだ。


「良いセンスですねー」


 ふっふふ。同性から褒められると自信ついちゃうな。ふと。昨日と同じ気配を感じた。

 来るなよー。

 お願いだから、来ないで。

 なんて祈るが無駄だった。神は死んだ。



 お邪魔虫が現れた!


  戦う

  必殺技

 ▶逃げる


 目を反らした。どうか私達のコトは、そっとしておいてください。

 が、回り込まれた!


 お邪魔虫の攻撃


「一文字沙耶、今日こそは俺が活躍するからな。昨日考えたんだが、なんたって二日目だからな。ならば二文字の出番だろ!闇の力を解放した右手がうずくぜえええ!あ?誰だ?」


 ルチアが、ぎょっとした顔で鋼牙を見て、後退る。


「あ、あの。失礼しました。沙耶お姉さま」


 ルチアに1のダメージ。

 ルチアに逃げられた。


「ちょっと、なんでルチアを虐めたの?」

「あぁ?挨拶しただけだが?」


 あぁ、そうだった。

 だから苦手なんだった。


「どっか行ってよ、3点の人」

「なんだと?俺は常に、上を行く。それを今日、証明して見せる」


 助けて、どこかにいる私の王子様。

 そんな祈りが届いたのか乱入者が現れた。


「君ぃ〜、レディが困っているではないか。恥ずかしいから、止め給えよ」


 誰?やれやれといった仕草で現れた金髪貴族。ううう、顔は悪く無いけど、あまりタイプでは無いなあ。

 気障ったらしく現れた貴族?は、パチンと鳴らすと、3人の取り巻きが、鋼牙を取り押さえようとした。


「「アーネス様の言うとおりだぞ」」

「はあ?やんのか!?」


 そして、鋼牙と取っ組み合いになる従者達。助けに来てくれたのはいいけど、別の場所でやって欲しい。仮想決闘場を使えばいいのに。


「失礼しました。メイド服のレディ。私は、アーネスと申します。以後、お見知りおきを」

「はぁ、そうですか」


 おっと、私の王子様では無かったようだ。塩対応のレムさんに、笑顔が固まってる。

 それを好機と見たのか、ぽっちゃりした貴族の男がニヤつきながら絡んできた。え?何で自信ありそうなのか分からない。


「残念だったな、アーネス。メイドのお嬢様。現在のポイントにお困りでしたら、このエルマンに頼ってください。なに、私は資金力で戦うタイプですから」

「私は生徒ではありませんので」


 その問題発言により、プレートをつけていないと分かり、ざわざわとギャラリーが騒ぎ出した。許可貰ってるらしいし、大丈夫だよね?

 良かった、学園長が来てくれた。説明お願いします。


「何の騒ぎだ、静まれい。」

「学園長、プレートを持ってない部外者が入って来ています。すぐに退出させてください!」


 現れた学園長は、学生の指摘に顎髭をこする。


「ふむ。しかし、レムさんはミラ様の片腕。言わば武器、何の問題も無かろう」

「ミラ様? はっ、何を言ってるんです。気は確かですか?」


 至極真っ当な疑問が飛んだ。

 完全に私物化だよね?どうやって説得するんだろうか?


「ほほう。ここが、何処かを忘れたのか? 議論など無意味、意見があれば力を示すがいい。今の発言に何か文句がある者の決闘を纏めて受けようではないか」

「「!?」」


 ・・力技だと。

 周辺に、決闘申請が一斉に届いた。

『決闘申請が届きました 受・否 残り30秒』


 もちろん拒否で。

 どうやら集団戦も可能なようだ。


「くはは、どうした? 文句のある者はかかって来い!口先だけなのか」

「おい。皆、ビビるな。知ってるぞ!聖剣すら売り払った、このロートルが。皆でタコ殴りにしてやる。行くぞ」


 学園長と、その挑発に乗ってしまった愚かな男達がまばらに、仮想決闘場へと消える。

 まばらに消えた。

 消えたメンバーでは恐らく勝てないだろう。

 ご愁傷さま。


「・・・嵐みたいだったね」

「ええ、沙耶様」 


『それでは、入場を締め切ります!!!幸運をその手に!』


 大きなアナウンスがあり、扉が締められた。消えた人を無視して和気あいあいとルーレットは回る。


「さあ、どうなるかな?」


 結果はこうだ!

 毎日、引くからさくっと行こう。


 ミラ  2点 190,391→190,392

 沙耶 410点 1,358→1,768


「沙耶ちゃん、凄い!」

「「ラッキーガールだ!!」」


 ミラの所有点を知らない人達が、沙耶の獲得ポイントを称賛し、羨望する。

 やはり、他の人より一桁多いようだ。

 410点。凄い。

 ミラが当たりを引くその日まで、ヒロインは、私だーー。


「・・・この俺が7点だと」


 ぶるぶると震える鋼牙が目に入る。どうやら幼馴染の私達は戦わなければならない運命にあるようだ。初死合の相手が決まったかも。

 一文字の手の内をよく知られているように、二文字の手の内も割と知ってる。

 たしか、あの背負ってる双剣は短い。

 ネタが割れてるから勝てると思う。


「おいおいおい、ズルしてんじゃねーのか?認められねぇよ。決闘を申し込むっ!」


『決闘申請が届きました 受・否 残り30秒』


 その時、頭にピコーンと通知が届いた。

 え!? これって、集団申請の方だよね?

 もしかして、やり方を間違えてる?


「「我ら4人が、その決闘をお受け致す」」


 なんて、悩んでたら、ニヤついた金髪貴族と取り巻きが大きな声で宣言した。


「は??お前らじゃねーよ!!」


 !!

 初めて鋼牙と意見が合った気がする。


 えええ?そうじゃなくて。どうしたらいいの?混乱してる内に、何故かさっきの人達と、驚いた顔の鋼牙が一緒に消えた!

 消えちゃった。


 切な気な鋼牙の顔が、消えていく。

 ごめーーん!

 私も驚いてるよ!!

 私じゃないのーーーー?


 え?これで出番終わり?

 本当に?


「・・帰ろっか」

「うん、沙耶ちゃん。今日はどこで遊ぶ?」

「はい、沙耶様」



○おまけ


(学園長ソードリアン VS 雑魚4人衆


「残念。文句のある参加者はこれだけか」

「何故だ!?何故こんなにも少ないっ!」


「くはは、それが分からないから、君たちはここにいるのだよ」



 特筆すべき事項は無かったので割愛します。


 勝者、学園長!    )


【次回予告】


 沙耶ちゃんにモテ期到来


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 二文字鋼牙 VS アーネス+ザコ×3


「君ぃー、何で私達の神聖な決闘が、後書きなのかね?」

「そんなの俺が知るか!」

「・・・アーネスさん、恐らくどうでも良いと判断されたのでは? 女の子、出ませんし」


 平凡な土フィールドで、平凡な男達の泥試合が始まる。

 まさしく、無観客試合。

 ひゅーうと風が、吹いた。



『ファッイト!』


 先攻、ザコ1号が距離を詰める。


「この格好つけマンが、そんな体制で剣が抜けるとでも思ってんのか!さっさと、この無観客試合を消化してやる」


 鋼牙は、背中に長い剣を二本クロスさせて背負っている。恐らく鞘から剣を抜くのは、相当に時間がかかるはずだ。

 命の取り合いの中で、少しの油断は致命的。


「ぐふぅ・・やられた」


 しかしながら、刺されて倒れたのは、ザコ1号だった。いったい、どんなマジックを使ったんだ?背中に背負った長い直刀は抜けないはず。

 刺されたザコ1号がぐらりと倒れると、血塗れた二本の直刀を持ち、自信満々な鋼牙の姿が現れた。


「!!」

「これこそが、秘剣ダークエッジ」


 残された3人がぷるぷる震える。


「「短けぇ!ぶはっ何だよそれ」」


 種明かしすると、鋼牙の直刀は短かったのだ、だから抜けた。

 

『ファッイト!』


 後攻、鋼牙が気の抜けた3人組へと詰め寄り、上手い位置取りで一対一へと持ち込んで、斬り合った。


 双剣は、攻撃に全振りしていると勘違いされやすいが、それは違う。

 剣は、攻撃にして防御なのだ。

 ザコ2号の攻撃を左の剣で受けると、右の剣で腹を突き刺して捻じりあげる。


「ごぼっ・・・」


 残り2!

 何とあろう事か、ここで、大事な二本の剣をあっさりと投擲。


 一本は、ザコ3号の頭に刺さる。

 アーネスは、辛うじて弾いた。


「君ぃー。やるでは無いか! しかしながら、武器を捨てるなど愚かな。もう勝ち目は無いぞ。死に給え」


 アーネスは、妙な体験をする。

 なぜかギンッという金属音?

 そして、腹が熱い!!


 気付かぬまま隠し持った双剣でザコ2号と同じ道を辿る。


「俺は双剣使いだ、だが剣は4本持ってきた」


 見ると、長い鞘の下側から次の双剣を引き出していたのである。



 勝者、二文字 鋼牙!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。