用語まとめ(「episode Ⅵ 赤焔の目醒め」終了時点)
「赤と黒、そして始まる英雄譚~人が紡ぐ絶対神話~」の用語設定です。ネタバレを含みますので、先に本編をお読みになってから読まれることを推奨します。なお、基準として「今後のお話を理解するにあたり、必要になるであろう用語かどうか」をもとに書いておりますので、ご了承下さい。また、以降度々登場する「詳しいことは不明」といった文言は「作中の世界内で認知されていない」ということだけでなく、「本編では詳しく語られていない」というメタ的な意味を含む場合もございますのでご注意下さい。
〈背景情報〉
・神王国ゴルジオン……大陸の北側に位置し、軍事力や領土の広大さにおいて世界でも有数の大国。神王と呼ばれる王が頂点として国を統べる。神壁という巨大な壁によっておよそ正方形に囲まれた領土は、大街道によって第一街区から第四街区に分けられる。王国中央には王都オリュンポスが存在。
・未知大陸……ゴルジオンがある大陸から、海を隔ててさらに北に存在する大陸。悪魔の発生源はここにあると推測されているが、記録上ではここに到達した人間はおらず正確な調査もされていない。ベルは「意思を持った扉が存在し、それが悪魔を生み出す」と言及。悪魔の間では“降臨の地”と呼ばれる。
・フローライト……神王国ゴルジオン第二街区にある大きな都市。王都に近く、第二街区で最も栄えている。神騎士学園〈フローライト〉が存在。
・神騎士学園……各街区に一つずつ存在する、神騎士を育てるための学園。入学するには試験を突破する必要があり、狭き門となっている。
・『大厄災』……五年前(レインの〈フローライト〉入学時より起算)にゴルジオンを襲った未曾有の災厄。数多の悪魔が突如王国に襲来し、人々の命を奪った。多くの神騎士と“漆黒の勇者”がその窮地を救ったとされる。
〈物質名称〉
・神器……世界の各地でごく稀に発掘される、かつて神が用いたとされる武器。それぞれの神器は固有の能力「神能」を持つなど既存の武器とは一線を画する性能を有し、手にした者の異能を引き出すほか、身体能力も引き上げる。ただし扱うには神器に認められる必要があるため、使用者は少ない。
・聖具……神器を模倣して人類が造り上げた武器の総称。神器には及ばないが、以前までに使われていた武器よりも遥かに高い性能を持つ。神器のように使用する際に認められる必要がないため、ある程度の実力を持てば誰でも扱える。神能に類する固有能力はなく、使用者の異能を引き出すことはない。聖具の中でも高性能なものは強化聖具と呼ばれる。
・魔素……空気中や水中、生物の体内など至るところに存在する物質。特定の式句を与えることでそれに応じた効果を引き起こすことから、魔法を用いる際に必要な因子とされる。
・魔法具……魔法を媒体に刻印した物質の総称。刻印によって詠唱等の過程を省略して魔法を扱うことができ、利便性は高い。一般的に、複雑な魔法ほど大きな媒体を要する。
〈存在名称〉
・悪魔……「人間を殺すこと」を行動原理として動く怪物の総称。種にもよるが総じて高い身体能力を有し、一般人では抗うこともできない。起源や分布、繁殖方法などほぼ全ての情報が不明。
・神騎士……聖具や神器を用いて悪魔を狩る者たちの総称。
・“漆黒の勇者”……『大厄災』発生時に現れた、全身を黒に包んだ神騎士。一夜で数多の悪魔を屠った伝説的な存在。その正体はレイン。〈飢憶の印〉により彼を憎むように仕向けられた者たちが王国の各地に存在。
・“神の子”……神王の中でも特に優れた神王。十数代に一人しか現れない稀有な存在。初代神王オリガの血を強く継いだ者と考えられており、オリガと同じ金の髪と瞳を持つ。記録によれば、“神の子”の代には決まって大きな歴史の変革が起こる。アルスが該当。
・“四選魔”……かつての大戦でも活躍した古の四体の悪魔。ベルによって“降臨の地”に召喚された。
・“真性の悪魔”……レイン、オルタを含め世界に三体しか存在しないという悪魔。いずれも普通の悪魔とは隔絶する実力を誇る。オルタ曰く、精神が崩壊したことで特異性を得たとされる。
〈能力名称〉
・神能……それぞれの神器が持つ固有の能力。神器保有者の体力をリソースとして行使され、容易に戦況を覆すほどの威力を持つ。
・異能……神器に認められることで扱えるようになる特殊な力。発現する能力は人によって異なる。一度引き出されれば、手元に神器がなくとも行使可能。
・魔法……魔素を介して行使できる術の総称。リソースは魔素であるため、魔素が不足していたり固定されていた場合、行使できない、あるいは大幅に威力が減衰する。一般に発動には「魔素を呼び集め」、「式句を用いて魔素に命じ」、「実際に発動する」という過程が必要。
・〈顕神〉……神器に宿る神の力を保有者自身の肉体を以て再現する神器使いの奥義。単純な身体能力に加え神能の威力も上昇する。再現度が深ければ深いほど神に近付くが、保有者の肉体強度等によって限界が定められ、無理に限界を越えようとすれば〈顕神〉自体が解けてしまう。
・〈神双化〉……真に極まった〈顕神〉により、騎士本人の意識を保ったまま神の自我を内在させ、文字通りの並列思考を行う業。騎士本人が肉体の主導権を有したまま神の加護を受けることで能力を飛躍的に増大させる。
・〈天声〉……神器を通じて通話する能力。〈顕神〉を経験した者のみ扱え、直接神器を目にすれば、その保有者といつでも会話できる。双方向の会話は送受信者いずれもが〈顕神〉を経験している必要があるが、こちらから相手への一方通行の会話ならば、相手が〈顕神〉を経験していなくとも使用可能。
・“壊放”……神器保有者が何らかの原因で神器の力を抑えられなくなり、神器が暴走した状態。初期の状態であれば神器との接触を絶つことで解除できるが、幾らかの時間を経ると保有者の肉体さえ操り、保有者自身の意思に関係なく暴れ出す。肉体の限界を超えて暴れるため、非常に危険。
・〈制限解除〉……レインが常時自身に課している制限を外す術式。黒に包まれた姿となり、飛躍的に戦闘能力を増す。幾つか段階があるようだが詳しいことは不明。〈制限解除・堕〉によってレインは悪魔としての力を取り戻す。
・特異体質……上位の悪魔が持つ超常の力。異能に似ており、発現する能力は悪魔によって異なる。上位の種ほど持っている可能性は高く、またその能力も強力なものになりやすい。