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四話 メリアとその孫たち 前編

エヴァンたちと約束した時間の一時間前、玉藻は店で料理の仕込みをしていた。


「さてと、仕込みはこんなものでいいな。まだ約束の時間まで少しあるな。本でも読んでおくか。」


それにしても、今回の客はじいさんの奥さんとその娘たちが来るって言ってたな。訳ありと言っていたがどんな人が来るんだろうか。めんどくさい客は勘弁してもらいたいところなんだがな・・・


玉藻はそんなことを考えながら本を読んでいると店のベルの音がカランカランと音を立てた。


うん? もう来たのか? 約束の時間まで後一時間はあるぞ?と不思議に思いながら店のドアの方を見てみると、そこにはついこないだ店に来た妖精 ツバキとクルミがひらひらと舞っていた。


「ああ、君たちか、こんな時間にどうしたんだい?」


「えっとね~ これからお店に誰か来るんでしょ~?」


「確かにこれから少しした後に予約しているお客様が来られるが・・・ 君たちはなぜそのことについて知っているんだい?」


玉藻はエヴァンたちと話しているときに、お店に自分たち以外の人がいなかったことを思い出しながら二人に三人で話したことを知っているのか聞いた。


「えっと、これから来る人の中に私たちの友達がいてですね? その子が今日のお昼にあるお店に行くって話してくれて、そのお店がここだったから私たちもいきたいなって・・・ お店に来たんです。 だめでしたか?」 


玉藻は話を聞いてなるほどとうなづくとキッチンからオレンジジュースを二つ入れて、彼女らに渡した。


「二人がお店に来た理由はわかった。 それならここでお友達が来るのを待つと良い。 これは私から君たちにプレゼントだ。」


「え・・・ でも、私たちお金持ってないですよ?」


「そうだよ、今度来たときはちゃんとお金持ってくるって言ったのに・・・」


クルミとツバキの二人はびっくりしながら自分たちがお金を持っていないことを玉藻に説明した。


「ああ~ お金は良いよ。 言っただろう? これは私からのプレゼントだ。 遠慮せずに飲んでくれ。 もしどうしても気になるならこれからもお店に来て、私の話し相手になってくれたり、少し手伝ってくれると助かるかな。」


玉藻は二人にそう説明した。 二人も笑顔でうん!!と頷いて返事を返した。


実のところ、玉藻は男だった頃から、堅苦しい感じではあったが、この男、実は子供好きである。

元の世界でも、子供にサービスしたり、お店が休みの時は一緒に遊んだりしていた。


その結果、子供たちからは顔は少し怖いけど、優しいお兄さんとして、子供たちの親からは面倒見の良い店主として、人気だったのだ。


ただ、当の本人はそんな風に思われていることに気づいてはおらず、子供たちが一緒に遊びたいとお店に来るから遊んであげていたという感じで思っている。


今回もただお店に来たからサービスをしただけであって、決して危ないやつではないので間違えないであげてほしい。


「そういえば二人の友達はどんな子なんだい?」


「えっとね~ 名前はシャルネって言ってね? 人間の女の子だけど私たち精霊を大切にしてくれるとても良い子なの。 笑顔がとってもかわいい子だよ!! 私とツバキはシャルのことが大好きなの!!」


なるほど、これから来る子の一人はシャルネという名前なのか、クルミの話を聞く限り、良い子そうでよかった。と玉藻は安心していた。


「あと、シャルネのお姉さんも居るんだけどその子も良い子だよ。でもお姉さんの方は不思議な感じでね? お姉さんみたいな不思議な人間さんなの。 お姉さんはそのことを気にしてたからあんまり指摘しないであげてほしいな、二人とも私たちの大切なお友達だから」


「お客様には誠意を持って対応させ得てもらうから心配しなくても大丈夫だ。それにしても不思議な存在って?」


「えっと、お姉さんみたいに人間だけど、人間じゃないみたいな・・・・・・ 言葉にするのは難しいですけどそんな感じです。」


俺みたいな? 確かに俺はこっちに来たときにどう見ても人間ではない姿になり、ついでに女になってしまったがそんな存在が俺以外にも居るのか・・・


玉藻はしばらく考えていたがこれから店に来るだからそのときに確認すれば良いと、考えるをやめ、二人と再び話し始めた。


「さてと、そろそろ約束の時間だが、二人は精霊なんだろう? 姿とか見られても大丈夫なのかい?」


玉藻は本とかで出てくる精霊という存在はその存在から人間などから姿を隠している存在と書かれていることが多い存在だから一応二人にこのままの状態で大丈夫なのか聞いた。


「あ、それなら大丈夫です。 私たちは普通の人間には見えないので、私たちのことを見ることができるのはお姉さんみたいな不思議な人間と精霊魔法をつかうことのできる人たちだけなので。 私たちは存在を隠してる訳ではないのですが、見える人が限られているので自然的に隠すことになるのです。」


「そうなのか? 自分が言えた存在ではないが、精霊というのも不思議な存在なのだな」


「はい、私たちも自分たちがどんな存在なのかあんまりわかってないので不思議な存在と思ってもらえば大丈夫です。」


玉藻はツバキに言葉を返すと、ツバキはおかしそうに笑いながら玉藻の言葉を認めた。


「了解した。 それじゃあ、私は最後の準備をしてくるから君たちはゆっくりしていてくれ。」


玉藻のその言葉にクルミとツバキは、はーい!!と元気よく返事をして、その返事を聞いた玉藻は頷いて店の中に入っていった。


玉藻の準備が終わり、五分ぐらい待っていると、店のベルが音を立てた。


約束の時間だ。 店のドアが開いて外から着飾った女性が三人とメイド服を着た女性が一人、そしてエヴァンとヴィクトルが入ってきた。


「ようこそいらっしゃいました。 どうぞ、こちらの方におかけください」


玉藻はお店に入ってきたお客様をいつものように席に導いた。


さて、これから玉藻にとって大変な時間の始まりだ。

三ヶ月も更新を止めてしまいすいませんでした。 なんとか最後までは書き切るつもりなのでよろしくお願いします。


一応リハビリをしながら書いたのですが内容が変だったり誤字があればどんどん指摘お願いします。

次回はエヴァンの奥さんと孫たちが出るので楽しみにしていてください

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