プロローグ
俺の名前は九神 玉藻 趣味で喫茶店を営んでいる。
店は周りに何もないところにぽつんと建っていてせいぜいあるのは俺が育てた花ぐらいだ。
花を育てるなんて自分でも似合わないと思うがあまりにも寂しいもんだから
見栄えよくするために仕方なく育て始めた。
だが、案外育ててみると楽しいもんでいつの間にかはまってて気付きゃあいろんな花を植えてて
いまじゃあ結構な花が咲いてるよ。
まあ、店や花の話は少し置いておいてだな。まず聞いてほしい話がある。
お前さん、妖狐っていう妖怪を知ってるかい?
知らない? なんだ知らねぇのか……
簡単に説明するとな、狐の化け物だ。
人を化かしてみたり、力が無いなりにいろいろ悪さをする小さいガキんちょみたいなもんさ。
ああ、怖い話をするわけじゃあねえから落ち着けって。
なんで俺がこんな話をお前さんにするのかっていうとな、
俺はある日から不思議な体験をしちまってな。
誰かに話そうものなら必ず笑われちまうだろうが
どうしても誰かに話したくなっちまったもんで、だれかいい奴はいないかと探したところ、
あんたがちょうど居たってわけさ。
まあ、運がなかったとあきらめて少し聞いて行ってくれや。
お代ぐらいはお礼としてまけといてやるからさ。