結果
一条先輩の目つきは最初と同じ本気の目ではなくなり目をギラギラ輝かせていた。
たとえるならライオンなどの肉食獣の目の前に動物がいるような感じだ。
佐柳と一条先輩の二人しかいない空間で誰が試合開始を言うわけでもなく一条先輩のノーモーションからのとび膝蹴りが繰り出され、それを佐柳が避ける形で試合が始まった。
どちらとも一言も問いかけることなく一条先輩はとび膝蹴りからの着地を決めその反動を使い後ろ回し蹴りをするが、佐柳は危なげもなく一歩下がるとこで避けた。
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「・・・・・・神薙流拳闘術『一閃』!!」
一条先輩は先ほどと同じくノーモーションからの攻撃だがスピードが違った。
明らかに最初より速いスピードで迫ってくるが佐柳の目にはやはり遅く見え、半身になることでその拳をかわす。
「っ!?神薙流拳闘術『黒閃』っ!!」
避けられたことに驚きつつも、次の技をを繰り出しもう一ギヤスピードを上げる。
がそれすらも佐柳には届かず服にも化することなく躱される。
「また避けてっ!!!
もうこで決めてやる!!・・・神薙流拳闘術・秘奥義・裏っ!!『絶影』」
そういって一条先輩が動き始めると一条先輩が増えた言い間違えでも何でもなく増えているのだ。だがあくまでそれは一般人にはそう見えるのであって佐柳には違く見えていた。
それは、縦横無尽に早く動きあたかも複数見えるようにするという技術ということが分かっていた。
素晴らしいのが足と腰の使い方だ、上半身は力をしっかりと伝えるために一切ブレることなくあり、逆に下半身は空気抵抗を受けないよう忍者のような足さばきで動きつつも床を踏みしめる音を一切鳴らさない。
そして、何度も何度もうなじところに行き来を繰り返しつつ近づいてくる。
「・・・・それはすごいですね・・・・」
「「「「「そういってくれると嬉しいね!・・これはさすがによけれないでしょ!!くらえ!!」」」」」
高速で動いているため、佐柳の周りに複数人いるような感じで声がきこえた。
そして、周りにいる一条先輩達が佐柳に襲い掛かり
・・・・・・佐柳はぽつりとつぶやいた。
「・・・その技もらうね・・・・
模倣・神薙流拳闘術・秘奥義・裏『絶影』・・・・・」
その瞬間、周りにいる一条先輩を超える数の佐柳が出現した
「うそっ!!!」
あまりのことに一条先輩は集中を切らし足が止まり一人に戻った。
それを見た佐柳も技をやめて一人に戻った。
「これでもうおわりでいいですよね??一条先輩?」
「あ、アハハ・・・その、まいりました・・・・」
そういって、一条先輩は急に力が抜けたようにぺたんと座り込んでしまった。
「ん?どうしたんですか??」
「いや~、あの技っていうか神薙流拳闘術を使うとね、私自身まだ修行途中の身で体がまだ出来上がっていないの。」
「えっ?でも普通に使ってたじゃないですか??」
「最初に使った技でも本来は難しいんだけど無理をして使えばあとから体にしっぺ返しを受けることになるけど使えるんだ。」
「界〇拳かっ!!!」
「フフフ、でも最後の技だけは違うの。
あの技を使うと・・・・・」
「つかうと???」
「・・・・・その、言ってもいいんだけど・・・見ても引かないでね?」
「は、はい。
で・・・・ど、どうってしまうんですか??」
ん?見ても???
「体のありとあらゆるところが耐え切れなくて筋肉が裂け、皮膚も裂ける。」
「大惨事じゃないですか!?」
「それもあと数秒dきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
言い終えようとしたときに異変が起こった。
一条先輩の体から大量の血が噴出され白の道着を真っ赤に染め、その間も激しい痛みなのか、叫び続けていた。
次には体にも変化が起こり、骨が異様な音を出して外れた。
その瞬間一条先輩は声にならない声をあげて意識を落とした・・・・
その間佐柳は、異様な光景に目を取られ動けずにいたが、一条先輩の声にならない声を聴きやっと有家着始めた。
「先輩!!一条先輩!!!」
一条先輩の意識は完全になかったが、胸は動き呼吸をしていた。
それを見た佐柳は急いで一条先輩を抱き寄せ保健室に走った。