最終回 ひいおじいちゃんと一緒 〜私の命を助けた恩人は元日本兵かつ人造人間かつひいおじいちゃんでし・・・ゑぇという名の件〜
更新、遅くなりました
自分の時間の作り方の下手さに笑い転げそうです
なんだかんだ言って楽しかった一年でしたよ
クソパロ風おまけ
(ドキドキ! 陸軍クッキング!!)
「源一:講師はワシ、田中源一郎歩兵少尉と」
「白:補佐役の白石富治憲兵少尉でございます」
「源一:今日は、馬鈴薯の甘煮を作ってゆくぞ」
「白:肉じゃがですね!! 」
「源一:まず手ェ洗った?とか言ってる奴は体洗うといいぞ?」
「白:わ〜ぁ!!」
「源一:次に具材を適当な大きさに切って鍋に入れるのだ」
「白:わ〜ぁ!!」
「源一:そして出来たものがこちらになります」
38式歩兵銃すちゃ
「白:これは見事な甘煮でありますぞ!! この甘煮は私のものです!!」
「源一:・・・・。 ちゃんと本物の甘煮を作ってあるから皆で食べようか」
「花・創・梅子: 何で肉じゃが作ったはずなのに出来上がったのが歩兵銃なんだよ・・・」
源一郎がこの世界に舞い戻り、過ぎ去っていく季節の変わり目を感じていた
長く時は過ぎ時代の変革に耳を傾けながら、彼は今福岡の久留米にて生活を送っている。
今まで過ごした場所とは違い、遠い地で一人いることには苦がないわけではない。
それでも、新たに会えた仲間と時間を過ごす時間この時間が愛おしくてたまらない。
「お疲れ様です、警戒にいってまいります!!」
「そんなに気張らないでいいですよ、田中二尉。 こういうのは下にやらせたらいいんです」
「しかし、そういうわけには行きませぬ。 それに私はこの地を知りたいので。では」
迷彩の服装に身を包み、これまた迷彩のヘルメットを被って自転車でその場所をゆっくりと廻っていく。
かつて自分が受けた暴力による教育風景は、全くといって見受けられない
だが、すれ違う新芽と言うべき隊員たちは教官のゲキを受けて走らされているためか顔がひきつっているようだ。
そんな若い未来の形を見ながらつい最近、遠く東京の品川の愛する家族からの手紙の内容を思い出した
『ひいおじいちゃんへ
元気にしてる?
あれからなんだかんだ言ってすごい時間がたったね。
創がまたFXでやらかしていたよ。 お父さん凄い剣幕で怒っていたよ』
「あいつFXとやらで何度やらかせば、痛みに気がつくんだろうな」
だが、源一郎は知っている。
凄い剣幕で怒っている自身の孫であり、花世たちの父親の浩一も創真のFXネタを楽しんでいるのだ
そしてもう一つ、FXネタでいじられている創真の方からも手紙が届いていた。
と言うよりも色んな方向からの、大量の手紙の数々を大きな封筒に混ぜて送ったようだ。
それで、検閲を担当する職種のお兄さん・お姉さんから『またか!!』って怒られるのだ
『なぁひいじいちゃん聞いてくれよ
また姉貴がFXでいびってくるんだぜ??なんとか言ってよ
後、彼女できました。 見てください、立派な梅の木です』
詰所の中で緑茶をすすっていた茶を思いっきり吹いたのはいい思い出というものだ
家族からの突拍子もない手紙に苦笑いを浮かべる。
いや、手紙見ながら茶を飲んで吹くなって怒られたよ。
「一番驚かされるのは梅子さんだべな・・・。強いよな〜」
『お父様へ
そちらはどうですか?
私の方もひ孫の喧嘩がどうにもなりません。まだまだボケて死ぬわけにも行きませんわ
というよりも死ぬ気がしませんわ。あと100年、余裕で生きていけますわ。赤面 赤面。』
「梅子さんは絶対、わしより長生きしよるぞ」
『お父さんへ。
母さんが元気すぎてこの前、息子の私がぎっくり腰になりました。 重症ですよ。
どう責任とってくださるのですか? 訴訟をも辞さない』
「源太は最近俺に対して訴訟を起こそうとやっきになっているが、俺の責任ではないはずだ?」
『お義父さんへ
最近元気にしてるかMEN!! ダーリンのぎっくり腰の治療をしたら高額療養費出せって言われたYO!
私は、クリーニング店を切り盛りしながらDJBABAAに挑戦中だZE! 訴訟をも辞さない』
「晶子さんはDJ AKIKOになるのが好きなのか? というよりもなんで俺の家は訴訟起こしたがるんだ?」
『じいちゃんへ
久しぶり、元気にしてるかな? たまにはこっちに帰ってきて酒飲みたいです。
この前せっかくいい酒を買ったのに涼子に没収されました。悲しいです
あの、こんなこと言うのも何ですが 訴訟をも辞さない』
「浩一・・・・なしてお前。 俺に何の罪があるってんだよ? 面白くなってきた」
『おじいちゃんへ
シチリア半島のレモン美味しいですよね? エビフライにレモン汁垂らして食べると美味しいですよね?
そっちのご飯は美味しいですか? 健康に過ごせていますか・・
浩一さんのお酒を没収して飲みました。美味しかったです 訴訟をも辞さない」
「涼子さん・・・・花世と創真の母親だからいっておきたいな・・訴訟はやめてください」
そのほかにも、品川の高校生軍団からの激励とも言える手紙
源太が師範を務める、剣術道場の子供たちからイラスト付きで送られてきた絵手紙
刑事軍団からの温かくも何とも感じない、警視庁への願書と源一郎が世話になった刑事たちの集合写真
かつて自身の化け物じみた力を作った張本人である河野栄次郎と河野拓巳という素敵な戦友のひ孫、歩夢の写真付きハガキ
平成の世に再び目を覚まし、激動の時間を過ごしていた時のあの記憶が一気に呼び起こされる
温かく幸せなことも、痛く辛いこともたくさんあった。
だが、その思いも全て生きているからこそ感じられる、贅沢な感覚なのだと実感する
たくさん送られてきた手紙を読み、休憩と称し詰所の外でグッと背を伸ばす
自分がまた何かの形で、この世界に入ることにまだ実感は湧いてはいない
迷彩服の身を包んだ瞬間、どこかぽかんと抜けている自分がいる
実務経験という名の特例措置を受けて二等陸尉、つまり昔の中尉という階級をもらってはいる
だが、源一郎にとって階級など本当のところ、別にどうでもよかった
階級という身分よりも素敵なものを、手に入れているということが彼にとって重要なのだ
「もう二度と・・・誰も失わない。 かける事のない世界がここにはある。 今度こそ守ってみせようぞ」
「田中二尉、無理はなさらないで下さね? 前みたいにぎっくり腰になりますよ」
自分よりも若く、ハツラツとする部下の顔を見るとかつて自分の部隊にいた仲間の顔を連想する
どこかあどけない表情を見せながら心配する部下に苦笑いを浮かべ腰をさすった
「・・・・精進しよう・・・。 本気でぎっくり腰って痛いよな。 あと痛風が怖い」
「現代病ですね。 お酒もほどほどっていうものですよね」
「そうだな・・・。 聞くだけで耳を塞ぎたくなるからなぁ」
柔らかく穏やかな時間はゆっくりと流れていく
この世界の小さな片隅で平和な空をゆっくり見つめていられる幸せに心が落ち着いた
全てを根こそぎ奪われ失う恐怖
大切な存在を失い、たった一人の世界を歩いていく孤独
何よりも源一郎が一番恐れた奪う・奪われるの憎しみの連鎖はここにはもうない
ただ、甘く優しく体がとろけていくような幸せで満たされた空間が彼の目には写っていた
「全く、世界よ。時よ止まれ 汝はあまりに美しい!!」
戦争が勃発する前、旧陸軍士官学校の図書室で読んだか知ったか忘れたがある書物に書かれていた一説
その物語の主人公が叫んだこの言葉が、今ならわかるような気がしてやまない
ある冬まじかでツンとすんだ空気を帯びた晴天のある昼下がり
彼の持つ手紙の束の全てにこの文字がそっと綴られていた
『ひいおじいちゃんへ大好きだよ』
『ひいじいちゃんは俺や家族・・・いや、みんなの命の恩人だ!!』
これにて終幕
だが、彼の人生や未来は始まったばかりだ
もう二度と、悲惨な歴史をたどることがないよう願いまして
ひいおじいちゃんと一緒 〜私の命を助けた恩人は元日本兵かつ人造人間かつひいおじいちゃんでし・・・ゑぇという名の件〜
状況終了 ありがとうございました
「源一:カシラーーーーーーー ナカァ!!!!! 」
読んでいただきありがとうございました。
書いていてもっとこうしたらよかったとか、描写をいざ表現するとむずって感じたり
読み手の気持ちを考えてないところも多々あったり、途中からペース遅くなったり
枕がでかかったり、枕のこと考えたり
最終的にはチーズ蒸しパン食べたいと思ったりしてました
あとは、歴史であったり軍のシステムや登場人物の設定が甘かったりでやっちまった感が結構あります
なんせ教科書で学んだことしか頭に入っていませんので
そう思う反面
小説楽しいなぁとか、もっとはっちゃけた事書いてもいいんだなとか
FXのこと知ろうと思ったり、もっとネットスラング取り入れてもいいなとか
好きな漫画の作風をちょっと取り入れて自分流に表現してみようとか
枕がでかいとか思いました
もっとなろうでいろんな作品を書いたり出会ったりしたいと思っているのですが
私の都合で、それが叶わなくなるのがとてもさみしい限りです
さてこの物語はここで終わります
一番、皆様に伝えたかったのは、「戦争の醜さ」・「戦争の悲惨さ」というのもありますが
その時代に生きた人々の特に、田中源一郎という架空の兵士がいかに過去を生き
いかに現代を生きていくかということです
彼が今の時代に、生きて様々な人間と出会いまた形は違えど同じ存在に出会ったりというところを伝えたかったのです。
(あとは、海軍目線で書かれてる作品が多いなって思ったので陸軍にしようっていう個人的な考えです)
最後に、クソ難しい内容の小説ですんませんでした
楽しんでいただけたら幸いです
もう二度と、戦争が起きないように願いまして締めくくらせていただきます
ご愛読してくださってありがとうございました




