64話 ひいおじいちゃん 再就職先探すってよ
ただいま帰ってきました
乗り遅れた人です
最近、事情というかなんというかが溜まっていて小説書けませんでした
時間配分が苦手なもので
ある日の昼下がりって言っても昼なのに風が冷たいのなんのって、冬が来るとかもう嫌だわ
源一郎・花世・創真の3人はある人物に強制的に呼び出されて東京の中心地に思ういていた
「お〜! 昔とえらく変わったものだ。 いつ見てもビル群の凄まじさよ」
「本当に、高いよね〜。 首痛めそう」
「まだ時間があるんだろ? どこかによって行くの?」
東京の中心的位置にあるシックな建物の東京駅にこの3人はやってきた
東京駅に着いたはいいがまだまだ時間が余っているため、埋め合わせであの店に突入す!!
ある程度の混雑をぼーっとしながら待っていると、あることが気になったのだ
「花世や、スマホを持っとる女たちは何をしているのだ?」
「あ〜、あれね。 インス●映えだよ」
「なにそれ? いん・・・ス?」
要は写真か短編動画をあげて投稿する日記的なものだと思っていただけたら幸い
それに映えるような写真を載せて行くのがインス●映えらしい
「よくわからんな。・・・・わしらの番が来たぞ」
「ここはフラペチーノが有名だよ」
「ならば・・・・・・・・・ふ・・・・・・フラペチーノくださんしょ!! ん?」
メニュー決めていないのとばかりに店員の顔が引きつっていた。
源一郎自身もなんかやってしまったな〜って感じはあったのだろうすまぬと小声で呟く
「説明が悪かったね。ひいおじいちゃん、どのフラペチーノにするのって?」
「やっぱり若者の文化はまだキツイんだよ。 もっと練習させてからにしたら花世」
「黙れクソ創真。 この前もFXでお小遣いの一万円溶かしたんでしょ!」
(なんで知ってるんだよ!)
花世と創真は源一郎を連れて東京のど真ん中を歩くかと思いきや甘〜いコーヒーのお店に突入したのはいい
だが店のルールなどが分かっておらず、とりあえずフラペチーノ頼めばいけるんじゃないかなって思ったがためにこうなった
「オススメのフラペチーノを3人分くださんしょ」
「こちらのストロベリーベリーフラペチーノを三点で1590円です」
「はい(結構な値段をとってきおった!!)」
3人分のフラペチーノの代金を払い店を出て官庁街に向かって行く
源一郎以外の二人は美味しそうに飲むのだが、源一郎本人は思った以上の甘さに口をモゴモゴと動かすだけだ
3人がこの場所に来たのはフラペチーノを飲みに来たのが理由ではない
この地に来た本当の目的は今後の源一郎の生きていく道だ
東京の中央官庁街の一角に細切りのバームクーヘンのような形をした施設に3人は呼ばれたのだ。
その建物の玄関前には、紺色の制服に身を包んだ入り浸り大好き刑事・吉野優子がいたのだ
「じいちゃん、久しぶり。 警視庁受けるの?」
「いや、なんでそういう話になるんだ?」
「OK、願書取ってくるわ!! 創真もくるだろ?」
「なんでですかね?」
「違うな・・・・。 俺たちと一緒に迷彩服着ない?」
源一郎たち一行が振り返った先にいたのは緑の制服を着込み吉野とよく似た顔の男がいる
「岳明どの!!そう言ったことは困りまするぞ。なにせ・・わしは過去の遺物なのです」
「OK 幹部候補生学校の願書持ってきたから」
「人の話を聞かんのかこの兄弟は?」
「アホ兄貴は深緑の国に帰ってどうぞ」
「なにが深緑の国や!! アホ!! あ〜ほ〜!!」
東京の官庁街に現れた緑の制服をきた吉野岳明三佐と眉間にしわ寄せる紺色の服の吉野優子刑事
この二人の兄弟喧嘩に巻き込まれていく源一郎達
来るんじゃなかったと思っても後の祭りだ
一回始まり出したらどんな人間でもこの間に入ることはできない
「場所を移しますね・・・・・。 久しぶりでございもす 源一郎さぁ」
「龍一ではないか!! ・・・・大変だな。お前も」
「優子はいつもああだから・・・・・・・頭がいたか」
(((だろうなあ!!)))
入り浸り刑事その2の李龍一刑事ですらあの二人の喧嘩に手を出せず顔を歪める始末
そんな二人の喧嘩を隣で聞きながら、彼らが赴いたのは少し大きめの会議室だ
よくテレビドラマとかで見るような、テレビのモニターはなく部屋はそう広くない
どうぞ
李刑事の案内で3人は椅子にゆったりと座りリラックスをしようと思ったが二人のどうでもいい喧嘩のせいでそうもいかない
「うっつぁし! なしてあんなに喧嘩ばかりをだな・・・」
なんて説教をしても彼らの耳には届かないだろう
内容は源一郎を警察官にさせるのかはたまた迷彩兄貴にジョブチェンジさせるのかで揉めに揉めているのだ
「儂は・・・何かのために働きたいのだが・・・それならどんな仕事でもいいのだ」
遠く会議室の窓に広がる東京の風景を遠く遠く見つめる
今まで、その手に持ってきた武器の数
大切な人のためにと思って、命を守るのではなく命を奪ってきてた
誰かのためにと言っておきながら結局なんのためにもならない
空虚
孤独
苦痛
そして戦争を手に抱いて血でできた道をただ延々と歩く日々を過ごしていた
辛く、思い出したくもない負の記憶をずっと思い出していたのだ
出された緑茶に反射して映る自分の影にかつての地獄を歩いた自分を想起したのだ
「警視庁!! 警視庁きてよ!! 一緒に東京を守るのだ!!」
「いやいや!! もっとおっきなもの守ろうや!! ええやんな!!」
「ふっふっふ。 ならば検察事務次官はいかが?」
ドゴォォォォォォ!!!
いきなり聞きたくもないねっとりとした声が会議室全体に広がる
そこにいた全員が振り返ることをやめて眉間にしわ寄せ、黙りこくってしまった
「どうもみなさま!! 白石富治スーパー検事です!!」
「回れ右して帰ってくださんしょ」
「白い目で見る源一郎様も素敵ィ!! 自分、キスしてもいいっすか?(イイヨ!!)」
両手を広げ抱きしめようとする白石の顔面に綺麗な花世の肘打ちが炸裂し言葉ではいいようとない音がこだました
眉間にヒットしたのだろう
大量の血液と白い液体が白石からはダバダバと溢れ、地面に転がっている
「結構衝撃すごかったよ・・・」
「いい肘打ちだね。 花世ちゃんも自衛官になろうよ!!」
「編集者の仕事だけで間に合っています!!」
「OK 色々な願書送るから住所言おうか!」
「やはり此奴は人の話を聞かんな・・・・・・」
失神した白石は放っておいて、花世たちが繰り出す喧騒に微笑みを浮かべにこやかに笑う
喧嘩をしていた花世たちも失神していた白石も、梅の香りと温かな風にするりと包まれ風を起こした主の方を見た
金色の瞳の中を黒い小さな菱形の瞳孔にそれを囲うようにさらに小さな菱形がぐるりと囲む目
深緑の詰襟で、独特の部隊章に右肩からは赤と白の飾緒を垂らし、ぎゅっと軍刀を握りこむ
テーブルには赤い線の中に小さな星が添えられた、深緑色の軍帽が置かれている
「私の行きたい道は決めたよ。 その道がどんなに薔薇の場所であったとしても我が身を全てさし出そう」
「本当に、その道でいいのひいおじいちゃん? イバラの道って言っていたけど」
「まぁな、花世・創真。 こんな私を許してくれるかい?」
「「もちろん!! どこに行くの・・・」」
「それは・・・・・・・・。」
陸の防人のもとに行こう!!
その日、なにもない日常のどこかで彼の新しい道が生まれた
誰にも賛美されることもなく、陽の当たらない場所であったとしても
新たなる門出となった
どうでした
文章量めっちゃくちゃ短いです
長かったですが、あっという間ですね
彼が行く道についてですがtwitterの方で絵に描いてました
そこが源一郎の行く道です
決してプロ●●ンダとかではありませんので悪しからず!!
次回予告
『ひいおじいちゃんへ
元気にしてる?
あれからなんだかんだ言ってすごい時間がたったね。創がまたFXでやらかしていたよ』
重たそうに自転車を漕ぎながら新芽となる未来を見つめていた
「なぁひいじいちゃん聞いてくれよ
また姉貴がFXでいびってくるんだぜ??なんとか言ってよ」
詰所の中で緑茶をすすりながら家族からの突拍子もない手紙に苦笑いを浮かべる
『お父様へ
そちらはどうですか?
私の方もひ孫の喧嘩がどうにもなりません。まだまだボケて死ぬわけにも行きませんわ
というよりも死ぬ気がしませんわ』
「梅子さんは絶対、わしより長生きしよるぞ」
手紙を読みふけりながら詰所の外でグッと背を伸ばす
この世界の小さな片隅で平和な空をゆっくり見つめていられる幸せに心が落ち着いた
「全く、世界よ汝はあまりに美しい!!」
『ひいおじいちゃんへ大好きだよ』
次回
最終回
ひいおじいちゃんと一緒
『ひいおじいちゃんは私や家族・・・みんなの命の恩人だよ!!』
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