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60話 ひいおじいちゃんと終戦

遅くなってすいません

明日から小説を書くことができなくなるので今日、投稿します

最近、耳かきにはまっています


「白:源一郎さま!! 耳かきをしてあげましょう!!」


「源一:すまんが、もうやってくれる人がいるのでな」


「梅子:・・・・・(いじいじ)・・・・ 。っふ 大物ゲット」




隼から飛び降りて空挺降下の中、源一郎は体の中から暖かな青い炎が現れていた

敵の本丸に空から突っ込んでいる中、不思議と恐怖心はなかったのだ

誰かに守られているような感覚が恐怖心を消していたのだ




「これが、俺の境地か。 浄化炎も暖かいな」


(なぁ、源一郎。 どうだおっかないか? その炎の力は?)


「ん! あぁお前は建御雷兵・・・か」


(つれないねぇ、ミカちゃんって言ってくれよ)


「・・・・ミカちゃん。これでいいか?」


(へへ、 どうだい? 勝てるかい?)


「やるだけのことをやる、それが俺の士道だ!」


(そこは大和魂ではないのかい? まぁいいや、突撃だ!!)



敵の攻撃に気がつかなかった白石が真上を向いた瞬間に、思いっきりその頬を殴り飛ばした

一瞬の隙をつき、へそにある黒く脈打つ紐を無理やり引っ張り上げ引きちぎる。


「いいいいいいいいたいいいいいい。 源一郎さまやめてぇええ」



ちぎれられまいと、源一郎の腕に触手が伸び始めるが浄化炎の前では太刀打ちできない

触手の先に着いた青い炎がさらにヒートアップしながら燃えていた。



「貴様の弱点はそこか。 ならばヲ式と貴様の縁を絶ってやる!!」




「やめてええええええ。 消さないでぇぇ」







一方の地上では、花世が自衛官や警察官・傀儡を失禁させるほど殴り飛ばし無双していた。

それを面白そうに旧軍の男たちは笑う



しかし、田中の友人の木下はヲ式の頭の上で行われてる攻防戦に愛想が尽き

チハの中に乗り込んで砲弾を打つことそのものに、イラついてきた

上でたった二人、面白そうな喧嘩をしているのが気に入らない。

せっかく持ってきたこいつを動かしたくてたまらないのだ



「へっ!! 田中の命令なんて無視だ。」




チハのハッチを開けて身を乗り出し、あたりに漂う硝煙のたまらない匂いを嗅ぐ

敵味方関係なく、入り乱れ殴る蹴るの乱闘に、士官学校で味わった喧嘩を思い出していた

敵の数がある程度減っているが、それでもヲ式の腹からは新たに傀儡が生まれてきている



「田島ァ・河野! 暇ならあいつの腹にカチコミに俺と来い!!  ハヤスケは放っておいて乗れ!!」



「「ハヤスケ、俺ら行ってくるよ!!。 お土産待っていてくれよ」」


「お土産いらないよ。 後方射撃は任せておいてね」




二人は一斉に戦車に乗り込み、全速力で敵の集団の中に突貫して行く!!

敵のつくった壕も、土嚢も全部自慢の足で破壊し一気に陣地を突破する!!




「おーぉ、空から見てもわかる。 隼、突っ込むぞ! 最後の務めだ!!」




空と大地の攻撃に加え、目の前に荒ぶる青い炎を纏いし貴人の猛攻

自衛隊や警察のど根性攻撃に、ヲ式は攻撃を受け止めきれず動けなくなっていた!



「全砲火力、並びに銃攻撃隊 ぅてぇ!!!!」



空気という空気の全てを叩き潰す振動がそこにいた人間達の体を包みこむ

白い巨体兵器は撃ち抜かれ、現状を維持できずフラフラと倒れ始めた

それを逃すまいと、全火力の一斉攻撃で一気にヲ式にたたみ掛けた!!




「おのれあああああああああああああああ」




悲鳴にも聞こえる断末魔が辺りに響き渡り、ドロドロと音を立てながらそれは消えて行った

足元にドロドロと溶けた肉片の中からうずくまる白石が姿を表す

やられてもなお、38式歩兵銃を持ち抵抗する姿勢を崩そうとしない



「馬鹿野郎。ボロボロなのに、戦うなんて無茶なことすんな。」




バキ!!


ドロドロの中から青白い炎を身体中にまとう源一郎が現れ、油断した白石を振り向かせ殴った

殴られた拍子に歩兵銃を落とし、そのままなにもすることなくうなだれた




「もうやめろ。こんなこと、誰も望んでいないことくらいわかってたんだろう? 」


「僕は、ずっとあなたの望む世界を求めていただけなのに。 ここで終わるのは悲しい」



白石の思う『自分が考える源一郎が望む世界を作る』という夢は叶わず空を仰ぎ見る

今までの行動が無駄とかしたのに、どこか心の何処かでやけに清々しく感じていた。

これでいいと思えないのに、思える自分がいるのは悔しいというよりも気持ちがよかった



「もう落ち着いたようだな。餓鬼ども」


「富治、遅くなってごめんね」




二人の男の透けるような悲しい声に驚き、周りの人間も驚いてその声の主をみた

深緑の詰襟の上着に、太ももが少し広がった軍袴をはき右肩から金色の飾り紐がついた男がどろりと空間を溶かすように現れる

その男達の一人は源一郎の傍に立ち、もう一人は倒れる白石に寄り添う

暑くてたまらない季節であるのにかかわらず、汗ひとつかかず透き通るような肌が恐ろしく感じた



「人間様が集まっているようだな・・・。いいぜ、まず自己紹介だ。 俺の名前は建御雷兵。 そこにいるのが」


「建御名方兵と申します。 以後お見知り置きを」



建御雷兵はドロドロと溶けていくヲ式の体を見ながら髪を掻きむしった。

かと思うとフラフラでへたり込む源一郎を見て、馬鹿野郎と言いたいような表情を浮かべている




「ボロボロの建物は、ミナカタの方に直してもらうとしてヲ式のことについて真実を話してもらおうか。」




なぁ、田島睦夫少尉さんヨォ






「そうでありますね、ヲ式は確かに死肉を繋げて生まれた化け物。


衝撃を加えることで、中身が衝撃を栄養として吸収して膨張し熱兵器になるように成長させる


そのギミック中に私たち。田島・速水・木下・河野・川端の五人も投入されているのです


速水は敵の砲弾で大怪我を負い、木下は戦車がダメになったところを。


河野のは河野の兄上と弟に毒殺、川端は怪我を追いながら帰投している最中


私、田島は、惨劇が起きた島で田中の身代わりとなって、みな野戦病院の中で死亡したと偽り兵器の中に入れられたのです」





「気がついてもらえるまで、お前達も待っていたのだな。 下手したら傀儡化する。まさしく呪縛だ」




ヲ式の肉体となるべく、瀕死の状態のところを生贄となり愛する人たちのもとに帰ることの許されず

自分たちの魂が、誰かに気がついてもらうのを待つか傀儡となって自我を失うか

それが傀儡の真実であり、ヲ式の真実でもあった



「ありがとう、田中。俺たちの呪縛を解いてくれて」



「そんなバカな!! お前らまで、あれの中に組み込まれていたのか!!」



「だけではないのだよ。俺の顔をよく見てみろ、源一郎? 誰に似ていると思う」





その顔をじっと見て思い出そうと頭の中を駆け巡らせた

誰かに似ている、ずっと遠い昔からこの顔を見慣れていて守られているような感覚

そしてちょっとしたいざこざで、すぐ喧嘩をした記憶もある

目の前であっけらかんと話しをしている建御雷兵の顔がそうだ。



「兄貴・・・・正明なのか? まさか兄貴達は人柱にされたのか。では、ミナカタ兵は」



「そうです、私は白石幸治シライシユキハル大尉であります。 つまり富治の兄であり、ミナカタ兵の人柱です」



二人の兵の顔が互いに似ているとは思ってはいた。

まさか自分たちの兄が人造兵士になっていたとは、源一郎自身は全くというほどに知らなかったのだ

そもそも、兄達が人柱になっているとは思ってもいなかったのだ

理由を知っているのであろう、白石は寄り添った兄を蹴飛ばし馬乗りになって何度もカスミを殴り始めた




「お前さえ、お前さえいなければ!! お前がいなければ、ゆいは悲しまずに済んだ!!」


「富治。苦しかったんだね、怖かったのだね。 失うことを知っているから」


「お前がいなければ・・・・お前の孫の修二は、結衣を性的暴行もなにもしなかった。」


「・・・・・・・」


「お前のせいだ。 お前を・・・お前の家族も消しておけばこうならなかったのに・・・」





大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちそのままうなだれて、空っぽになるまで泣き始めた。

もう取り返しのつかないことをやったと言うのはわかっている

その人のためにやったと言う言い訳になるのだろうが、今の白石にとっては慕う女性の苦しみを生んだ元凶の元に復習しているつもりなのだ






「お前がミナカタ兵になると言う定めを、俺は止めきれず。 お前を愛する人を傷つける要因を作った。 最低な兄だ」


「馬鹿・・・・・・もう、お前なんか。 もう・・・・・」


「だがお前を、愛してくれる人はお前を裏切らないようだ。 見てみなさい、彼女がお前の帰りを待っていたのだ」





ミナカタ兵が指差す先にいたのは、ずっと添い遂げたいと願っている人

そして白石が見つけた「新しいの自分の未来の形を愛おしい・守りたい」と願うその人の姿だ

目にたくさん涙をためて、足早に白石の胸の中に収まる





「あなたが昔、私のことを助けてくれた存在だってわかってた。 怖かったの、あなたがもうどこか遠くに行ってしまうのではないかって!!」



「ゆい・・・・・。僕はどこにもいかない。 ただゆいを汚した男がいる世界が嫌なだけなんだ」




「富治さん、帰りましょう・・・。もういいの、復讐なんてもうしないで!!」



「その前に、待って。 全てここで精算させたいんだ 僕のやり方で、決着をつけさせて」






砕けた麺を被り直しドロドロに溶けたヲ式の方を見つめる白石

溶けかけた肉体達が集まり始め、巨体が小さくなり白石と同じ背丈ほどの白い人間が出来上がる

それは白石に抱きつき、体の中に吸い込まれて行った。




「ゆいは離れていて、危ないよ・・・・。」



「そんな・・・・やめてお願い!! お願いだからそれだけはやめて!!」



「ゆい殿!! 白石を止めないでくれないか? もう決めたことなのだ・・・」


ある行為を止めようとするが、いく手を警官達に阻まれ泣き始める三田結衣だが無理もなかった

白石がカッターシャツの内側から取り出したのは南部14年式拳銃

マガジンを一度取り出し、再装填すると銃口をそこにいる人間に見えるようこめかみに当てた




「貴様なりのけじめの仕方か? 本当にそれでいいのか白石よ」


「私はもう疲れました、これでいいのです。 さらばなり、皆々様方」





ばああん!!




ぐらりと体が地面に向かって倒れ始め、銃口から出る硝煙がゆらゆらと空に向かって伸びて行った。

硬直した白石の肉体が地面に軽く跳ね上がったと当時に、三田結衣も膝からがくんと崩れて放心してしまう

誰もなにも言わない、白石のやった行為は、重罪だがもう誰もなにも「罪を償え」とは言えない




「結衣。ごめんね。 さぁ帰ろう。 そこの死体は僕が用意した偽物だよ 生きてこの罪を償うよ」


「富治さん・・・・・・・。本当にもう、ばか!! ば・・・・・か・・・」



黒い粒子が白石のしたいから溢れ出したかと思うと、それは三田の体を包み込む

粒子の間から崩れなく三田結衣を抱きしめる白石の姿が見える。

仮面をつけておらず、逃げ道を作って逃げを図ろうとしているようだ



「源一郎様、僕はこれからも生きて罪を償います。 僕が死ぬときは、地獄送りでしょうが」



「憲兵らしい工作方法だな。 生きろよ、くそったれが」




一つお辞儀をして彼らは、霞んだ東京の街の中に消えて行った

風の中に紛れて二人の姿は遠くの方へと伸びて見えなくなる




「この事件の犯人は白石富治ではなく、建御名方兵という化け物だ。 うまく逃げおって」


「じゃぁこの遺体って? その兵隊の顔に作って逃げて行ったってこと」


「仮面をめくってみるといいぞ、花世。 全くもって違う人間の顔だ」



恐る恐る剥がした仮面の下にある犯人、建御名方兵と言われる者の顔を覗き込んだ

確かにその顔は判別ができないほどに歪み、目と鼻と口がなんとか判別できる程度だ

それなのに、死に顔はとても穏やかで解放されたと感じているような微笑みを浮かべていた。



「穏やかすぎる顔だよ。 彼は、こうなることをずっと望んで見たいな顔だよ」


「花世や、それがこの者の願いなのだよ。 静かに死にたかったのだ」




近くに落ちていた拳銃をそっと拾い建御名方兵に握らせ、担いで警官隊が持ってきてくれた遺体収容袋の中にそっと入れてあげた

戦争に勝ちたいと望んで作った兵器の最期にただ誰もなにも言わないで、そっと手を合わせた

ボロボrになった建物や凹んだ地面も、建御雷兵いや源一郎の兄、正明によって元に戻っている

ここにいる用はもうなくなったのだ




「帰るぞ、花世・創真 品川の我が家に。家族が待っている せっかくだ歌を歌って帰ろう」





「「「カラスと一緒に帰りまヴァァァァァァ!! 」」」



「デスボイスやめなさいよ」


呆れてものも言えない、建御雷兵もそんな3人に寄り添うように歩みよった

戦場が何事もなかったように元の姿を取り戻して行く

傀儡たちもいつの間にか、空に吸い込まれて行くように消えて行った。



これが田中源一郎の最初で最後の戦闘行為だ。


どうでしたか?

結論いうと源一郎が勝ちました。

なんとなくスッキリとしない最後ですが後日談として後々書きますのでお許しください



次回予告


「・・・・」

この日源一郎は、動けない

戦闘の疲れを労ってもらい、久々に孫嫁の涼子の手伝い中それがいた


「おじいちゃん、嘘よね?」


「こいつは・・・・、戦闘用意」


再び監視に現れた刑事軍団も、自衛官兄弟も、近所にすむ高校生軍団もこれにはかなわぬ


「捜査一課刑事、吉野優子 職質しますわ。」


だがそれは、永遠なる恐怖の始まりにすぎない


次回

ひいおじいちゃんとGが再び



カサカサカサカサ

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