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44話 ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが尊い

遅くなりました、そして来週はお休みさせてください

春休みなのに実習があるため書けません。ツイッターの方は動いていますが回数は指で数えるほどになってしまいます


「「「花・吉・榛:  ハァ〜   尊い」」」


尊いそれは誰に向けられた言葉なのか・・・いや尊いというのは花世たちから見たらそうあの二人だ


暖かな春の陽気とまだまだ寒さが残る冬の風がまだまだ残る今の時期。三月ごろには梅が咲き始め、気持ちも少しぽかぽかとなり始めている今日この頃

この女子3人はとうとうやってくれました。ふすま一枚隔てたところから、とある老夫婦の行動を観察していたのです。

晶子と源太の二人はと言うと二人で釣り堀に行ったそうで家にはいません。こっちもこっちで女子3人は観察しているそうですが、今回はこっちの夫婦




「源一:梅子さん、今日は寒いですからお茶を飲みながら温まりましょうか?」


「梅:お父様、茶菓子にままどお○を用意しております」



家の庭先に植えている梅を見ながら二人はのんびりとしている。ずっとこうしていたかったと思うのかもしれないだからこそこの3人にとっていまが尊い

何だろう、縁側で甘味と緑茶をすする二人の姿が愛おしい、二人だけのゆっくりとした時間を見るのが好きすぎる


「源一:おや?ままどお○がついていますよ。」


いやついていない、源一郎に振り返ろうとした時に指でほっぺたをチョンっと突いている


「「「どおどいお〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」」


声を押し殺して叫んだかと思えば、あるものは血反吐を吐きある者は血の涙を流し、ある者は昇天してしまった。

この世の中で可愛いと同じように正義属性なのは「尊い」っと言うこと



「創:おっかねぇ、この3人。おっかねぇ」


側で見ていた、創真ですらこの3人が怖くて仕方がない。怖いと言うよりもいつもとだいぶ違う姿が異常としか言えない

そもそもこの3人にこんな共通点があっただなんて思いもよらなかったと言う方があっているのかもしれない。

むしろあっているんだと思う。


「梅:お父様、あったかいです」


「源一:あったかいですねぇ」


「「「あああああああああああ、尊さ測定器5000兆点」」」


春の足音がもうすぐそこまでやってきていると言うのにここにいる3人はそんなことすら吹き飛ばすくらいに「尊い」と言う言葉が優っている

そんな3人の姿を見ていた花世の母である涼子は、頭を抱えるを通り越して老夫婦をどこかに避難させた方がいいのではと思った。


「涼:おっかない」


「源一:尊い?尊いと言うのはどう言うことだ?」


「梅:お気になさらずに、きっといいことがあの3人にはあったのですよ」(尊いって私たちに言ってるわね、壁になりたいとか言ったらどうしましょう)


悶絶していた3人が抜け殻のような状態でフラフラと廊下の奥に吸い込まれていく。

流石に不信というか怖いもの見たさになった創真があとをつけて行ったら、腐れ神モードみたいになっている。これには幾ら何でもドン引きは必死だった。


「花:あ〜、ホコリになりたい。ずっと見ていられるのになぁ」


「吉:私、酸素がいいな。二人に吸ってもらえるもの」


「榛:二人の意見最高なぁ〜。もうここの養子になっていい?」


ため息しか出ない、リビングでダレている。花世たちは放心状態というよりも一種の賢者タイムという方が近い状態にいた。

暖かい春の訪れに頭がおかしくなる人がいると聞きますが、この女3人組は春の温もりにやられてエクソシストしてました。


「花:尊いね〜。あ〜尊い」


「吉:源一郎じいちゃんって、本当にいい人だよね〜。おじいちゃんって感じだし」


「榛:あの戦争で戦ってきた兵士とは到底思えないよ。優しすぎるっていうか」


遠くの方にいる源一郎たち夫婦の姿が好きすぎ。語彙力なんてとうの昔に捨ててやったぜ。こんちくしょうめ



「源一:梅子さん、このまま嫌なことを感じずに過ごして生きたいですね」


「梅:そうですね〜。ずっとこのままだといいですね〜」


「源一:あなたのそばに『橘:じいちゃん大変だ!事件が起きたぞ!!』」


玄関先から庭に抜けて夏でもないのに大汗をかいた橘が息を切らして家の中に入ってきた。手に持っている封筒のようなものが力任せに握られていたせいかぐしゃぐしゃになっている


「源一:どうされたのですか?いつもの橘さんとは違いますが」


「橘:悠長なこと言ってられなくなったんです!!。さっきソタイ・・・暴力団担当の刑事から連絡がありました。牧村が・・・東雲組が動いたって」


特に、源一郎とは関係のなさそうな話に大声を聞きつけて吉野が顔を出した。さっきまでとおどけた様子ではなく緊張仕切っているような顔つき

刑事の目というよりも、もっと何か切迫したようなものを感じ取ったような目だ


「橘:それで、組事務所に突入したら何もなくなっていて。これだけがポツンと置かれていたんです」


手に持っていたぐしゃぐしゃの封筒を源一郎にわたし、懐からまた別の紙切れを手渡した。それは見覚えのある紙だったが奇妙な青色で印字された文字が羅列し、文字の最後にはいやらしいほどに星が書かれている

それを見た瞬間から源一郎の様子が変わった。微笑みを浮かべていたはずが途端に何かのスイッチが入ったかのように固まって動かなくなっていた。

奇妙な文字をじっと見つめていることに、不振を覚えた花世。確かに何が書かれているかわからない、まるで漢字とひらがなを組み合わせたような文字。


封を切って、手紙を読んでいた源一郎だが唐突に梅子に手渡し、奇怪な文字が書かれた紙を力いっぱいに握りしめている。


「源一:あの人には死んで欲しくないのだ・・・・。殺させてたまるものか」


「梅:・・・・牧村・・・・・あ・・・あの子から。」








拝啓

いつの間にか冬の装いは消えて春の訪れを感じますがいかがでしょうか。さてこの手紙が届いた頃にはもう私はこの世にいないかもしれませんね。

私ごとの問題に田中源一郎様を巻き込んでしまったこと、大変申し訳ありません。そして、この組が始まって以来の最悪の状況にいても立ってもいられずこのように文をしたためたまでです

私の悪魔の部分といいますか、野心のためと言いますか。直接ながら手を加えてはいませんが二人の人間と大切なものたちを失いそうになったのです

家族のようにしたっていたものも、何もかもを。


話を少し巻き戻させていただきますが、なぜ田中源一郎様のことを見たときに梅子様と関係があるのかということなのですが

あなたの曾孫様を見たときに、あなた様にも梅子様にも似ていると思ったからです。簡単なことですがある意味、二人の大きな梅の木からさいた小さな花なのだと思ったからなのです。

直感的と言ったほうが正しいのかもしれません。そしてあなた様が現れたのも運命なのかもしれません。


話を元に戻しまして、私はある男と結託し二人の尊い命を絶たせたのです。ですがそれが裏目に出てしまいました。そして今までその男に付き従ううちに、私の家族の人間は帰ってこなくなってしまったのです。

今までのけじめとして、償いとしてその男との落とし前をつけに行きます。もう年老いた私の先などもうどうでもう良いのです。

ですがあなたに会えたことで1つの決心がつきました。あとは私一人の問題です、家族のことをどうかよろしくお願いいいたします。


死にませう


平成30年 3月中旬     東京連合会八雲組 組長 牧村聡







「源一:・・・この文字、前にあの事務所とやらに行くときに見つけた紙だよな?」


「橘:あ・・・あぁそうだが」


「源一:こうなることも予想済みだったんだよ、白石は。暗号文なんざ書いて助けを求めてきよった。助けに行くぞ、牧村殿を」




白:ようやく会える。愛しい人。私を糧に作り上げてください。あなただけの理想郷を


うわー

無理やり感半端ねぇ。でも少しでも早く物語を展開させたかったのでこれはこれでありかな?


よくないね、タイトルと内容が合わさらなかったからよくないね


次回は、本丸との対決というか決別になるのかな? 白石視点(今回の敵ね)で一話だけ書いて行く予定


次回予告


「白:まあまぁ、牧村さん落ち着いてそんなおっかないものしまって」


「牧村:もう騙せれんぞ、私の失った家族の痛みと罪の重みをお前にぶつけてここで死んでやる」


「白:たかが人間一匹が何かできると思っているのか?」


不協和音は鳴り響いた、この平和な世界で歯車が1つ外れそうになっていることも知らぬまま

嫌な予感は実態を孕んで大きく蠢いてしまった。


「源一:しら・・・・・石、この方に何を・・・・?」


「白:源一郎様ァァァ!お会いしとうございました。もうあなたを汚す輩はおりませぬ故、私をどうぞ一思いに!!」


そして、真実を知ってしまったものは飲み込まれて行く。絶対的な闇というものに


「ゆい:あ・・・・あ・・・・やはり・・やはり富治さんは」


「白:そこで何をやっているの、ゆい・・・お前。そうか・・・それでも愛してくれますか?」


次回

田中源一郎と白石富治


「源一:貴様、もう逃がさんぞ」


「白:あなたのその目が全てが・・・・あぁ欲しい」

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