42話 ひいおじいちゃんと一難さってまた一難
遅くなってすませんでした、一回書いておいた文章が手違いで消えてしまい
書き直していたため時間を予想以上に食ってしまいました
再発予防に努めます
さーっせんした!!
あの事件から一週間たち平穏を取り戻した田中家。
源一郎が帰ってきた後、梅子からこっぴどく説教を受けたのはいうまでもなかった
「源一:寒い、もう寒い」
罰として東京で猛威を振るったあの大雪の後片付けを命令され、屋根の上にしぶしぶ登って雪かきしたのは早朝の名物となっている。
「吉:じいちゃーん、橘一課長が話があるって言ってるよ」
「源一:え、儂にか? 」
寒いからずっとすっとコタツの中にくるまってたが、いつものようなおどけた吉野の様子ではないことからいそいそとコタツから出た。
「橘:急に押しかけてすいませんね。この前の鑑定書が届いたので捜査の一環として」
そういって茶封筒の中から出した書類には、事細かく化け物こと井ノ部軍曹の死体検案書が入っている。
奇妙なことに直接の死因は焼死、ただし何十年も昔に受けたものだという
「橘:じいちゃん、あなたはとんでもないものと戦っていたんだよ」
そう言いながらもう1つの封筒からは死体から検出された血液の科学鑑定の結果が書かれていた
主成分はニトログリセリン、そしておばけ工場の中にあった大きな穴の底にあったものとも一致した
「源一:白石は・・・・これを考えた連中は一体何を考えているんだろうな・・・・くそッこんな時に頭痛が! 」
時を同じくして、花世サイド
「花:一体、何が目的なんですか。関根さん?」
「?:面白いだろう?だってあの事件の現場には君のひいおじいさんと言われている人がいるんだ」
ばらまかれたたくさんの写真、もちろんそこには刑事軍団のものも入っている。家の前からの写真が一番多く次に、井ノ部との戦いの写真
「関根:なぁ田中さん本当のことを言ってくれよ、彼は一体何者なんだ?」
「花:ただの親戚です、それに私の曽祖父と似ているだけで本人ではありません。もういいですか?」
証拠と言わんばかりにデスクに写真がばらまかれていたが、特にいう必要などない。
「神:田中さんちょっといいかな?話があるんだ」
花:ナイス!!
なんて思いながらその場を後にするが、花世を驚かせる一番の出来事になった。
神田のデスクに置かれた紫色の布に包まれた白く不気味な模様が書かれた仮面が、こっちをのぞいている。
「神:これは、俺のじいちゃんがある軍人さんから譲られた品物なんだ」
「花:これがうちのじいちゃんとどう関係があるんですか? 」
仮面の裏側を見て空いた口がふさがらなくなってしまった。
工兵・タジマムツオ
そう書かれている、何度も目をこすって見ても結果は変わらない。元の持ち主が田島睦夫の持ち物だからだ
「神:これはある秘密結社のものでね、抜け出すためには色々とやらなくてはならないことがあったんだ。この仮面はその象徴なんだよ」
わけが分からない、だが神田が言っているいることと建御雷兵のことは合致しているのだろうが
この組織と建御雷兵は濃厚と言っていいほ度に強い関係があり、この兵を作ったのが秘密結社といえると言いたいらしい
「花:この結社って一体どう言ったものなんですか!! うちのひいおじいちゃんとどう言った関係が!! 」
「神:それは、俺にも分からないんだ。聞くのは田中さん自身の手で聞かないと」
それ以上はまだ何もつかめないまま、悶々と仕事をするしかない。そう思っていても気になるのは神田から渡されたお面。
何度見ても、思い出しても不気味なお面が頭から離れることができない。工兵:タジマムツオのことも
夜の8時
晩御飯終わってのんびりテレビを見ていた源一
「源一:うめちゃん、お茶飲む? 」
「梅:大丈夫ですよ、それよりも私はお父様を・・」
「浩:それ以上はダメだ、それ以上は」
そう言いながらみかんと緑茶でティータイムしていたそんな時だった
「田島:よう、お源。暇そうにしてるから、ちょっと話しようぜ?」
その場にいた全員が愕然と田島を見つめている。いつも見る姿ではなく左の手の甲に赤と黒の刺青が入っていて
おまけに、甘ったるいような死臭のような鼻につくにおいがたまらず顔をしかめる。
「田島:俺が話をしたいのは、花世ちゃんが持っているお面について。そしてお前が死んだとされる島のこと」
それは、だいぶと前まで遡る。
ちょうど太平洋戦争が勃発し緊迫した時間が流れ始めた時のこと。
ある人間とその仲間が上官たちに見つからないように小さな組織を作った。
そして、その組織は小さいながら活動を始めていたがある日を境に組織の様子がガラリと変わることが起きる。
大勢の人間を巻き込みながら、成長を経て力を蓄えていく。だがそれに嫌気をさした人間たちが脱退しようという動きが始まりもする
創設した面々が主に脱退する決意をしたが、その後前線に飛ばされるか、暗殺されるかのどちらかになっていく。
その時、俺の父親もいた。俺と同じ工兵でありながら戦略技術をも考える立場の人間。親父も創設者の一人だったが、もちろん嫌気をさして抜け出そうとした時に殺された。
「田島:その結果俺が親父の代わりにその組織に入る結果になってしまって。俺も抜ける代わりに命を落としたのだ」
「源一:それと、儂とはどう関係がある?何も伝わって来んぞ? 」
「田島:花世ちゃん、すまないね。お面を貸してくれるかな? 」
重たい表情を浮かべて、カバンから布に巻いた仮面を取り出す。そしてその面をかぶった時思わず源一郎は、立ち上がった。
見たことのある、忘れようもない。いや忘れたくても忘れられないものだ。
毒々しいような渦を巻き、大きな1つめを閉じたような絵で眉間には旧陸軍のトレードマークである五芒星が記されていた。
「田島:俺の父親こそが『建御雷兵』と『建御名方兵』の設計をした張本人なんだよ」
「源一:本当にそんな・・・・・ありえん」
「田島:組織の名は『闇星社』、秘密結社でありながら裏で色々と暗躍していたいわゆる過激派だよ」
「梅:まってください! それじゃぁ私の夫は一体どうしてこんなことに」
「田島:これにも訳があるのです」
源一郎に近しい人物が組織の中にいた、おかしくなる前の組織の中に。しかし、おかしくなって以降抜けようにもさっき言ったように『死』を遂げなくてはならなかった
そんな時にその代わりと言ってある代案が出されたのです。それが源一郎の命を差し出せということです
だけどそんなことはしなかった、大切な弟を殺されてたまるかと。遺書と砕いた面を持って俺の元に来ました。その後、男はある日に暗殺されたのです
もともと、その組織の創設者でありながら一番平和な道を模索していたその人は、愛する家族と弟ことを守りきれず・・・・・
作戦中に白石の手下によって暗殺され、帰らぬ人となった人物。
「田島:その男の名前は「田中正明」 階級は大尉。源一郎の兄上殿です」
ふと頭の奥をかすめるように、源一郎が受けた裁判で白石が言った言葉を思い出す。
『白:お前は確か田中正明大尉だったか? 死んでもなお僕の眼の前に出てくるなんて、本当うざったるい人』
この言葉の意味がようやくわかった、兄である正明を戦死という形で殺したのは白石だったのだ。
「田島:俺もあの島で本当は死ぬ予定だったんだが、俺は死ねなかった。お前を助けようともがいたのだが、バケモノの一部になってしまったんだよ」
「涼:え・・・・一部ってどういうことですか? 」
「田島:・・・俺にもそれはわからない。島で俺も殺されて、その後の記憶は全くと言ってない。
だがこれだけは言える、いずれ源一郎の力を持ってしなければいずれ破滅の道を歩むことになる。何が何でも止めろ」
「源一:・・・・何が・・・起こるというのだ?一体、白石は何が望みなんだ?」
刻一刻と目覚めの時が近付こうとした、田中家に忍び寄る闇ももうすぐそこまで来ている
今回は一番短い話です。手抜き間はんぱないなって思うかもされません
でもちょこっと大事な話で一個だけフラグ回収したのでまぁ重要です
用語の説明をします
建御雷兵 : 日本軍が作った最終兵器でありながら人造人間兵士。
多種多様な能力と武器を使う
田中源一郎がこれに当た理、反対が白石富治
建御名方兵 : 建御雷兵とついとなる兵。能力と武器は不明
白石富治がこれに当たる
闇星社 : 秘密結社で過激な少数グループ。源一郎の兄である正明と田島睦夫が所属
最盛期では抜け出すために死を迫られていた。
会員には不気味なお面が配られている
今回ある意味胸糞?なのかなって思いました。個人的には考えた私がサイコじみてるなって思いながら書きました
次回予告
「吉:最悪や・・・・・もう嫌や」
「花:えーっとどちら様ですか?」
見るからに好青年の男が田中邸宅を訪れる。どこか誰かに似ているような?
「下:それとこっちも来たけどどうする?」
「源一:お前さん確か?涼子さん、とりあえずお茶を出して来ます」
もう一人、背が高く源一郎が見たことのある人物が立っている
そして、熾烈な兄弟喧嘩が勃発してしまう!!
「島:まさかこんな日がくるだなんて思いもよらなかった」
「浅:授業参観だよ、これじゃぁ」
次回
ひいおじいちゃんとシスコン兄弟が現る
「吉:もう、あんたら帰れ」
「??:そんなこと言わないでよ
「??:そうそう!!あ、お土産です食べてください」




