40話 ひいおじいちゃんと河野歩美奪還作戦(決行)
私にバトルシーンなんてかけっこないんや
無理やったんや
今回で四十話ですね・・・すごいね
来月以降から投稿がバラバラになりそうです。
個人的な関係でですね・・・・ご迷惑をおかけしますがどうぞよろしくお願いします
歩美:どうして・・・どうしてこんなことを・・・・私が何をしたって言うのですか!!」
「カワノ:あ?お前が?どうもしてねぇよただの退屈しのぎってやつなんだよ」
「歩美:だからと言って、ほかの人にあんなことする必要なんてなかったんじゃ」
「カワノ:わかってねぇなぁ、お前は餌なんだよ。え・さ!!!」
自分が置かれている現状がわからなかった、朝の申し送りつまり施設にいる高齢者の状態などを次の当直に当たる職員たちに報告することを終えてすぐに強行が行われた。
自分が狙われたのはわかったが助けにこようとした職員まで小銃のようなもので撃たれたりその先にあった刃物で刺された
最初から疑いの目を向けていたカワノユリはとっくの昔に本物のカワノユリそのものではないと気がついていた
最初に会った時はとても人当たりがよく、介護職員に混ざって高齢者の世話に当たっていたのに最近は別人のような態度を見せていた
ほかの職員も感づいていた、彼女は本物の施設長・河野ゆりではないこと自体に、そして目の前にいるのは口から腐臭を漂わせ片方の腕がないもののようにだらりと肩から外れているよう見えた。
もっと特徴的なのは、片方の潰れたようなめ。いや完全に潰れている、潰されたと言った方だ正しい
こんな状況でも自分は冷静になろうとしているのは、どうにかしているのか?などと考えている自分がいる
歩美:助けてひいおじいちゃん、ねぇ助けて
聞こえようのない声がポツンと空間の中に消えて言った
「源一:なんということだ・・・・・儂のいたおばけ工場の裏の筋だったとは」
「田島:灯台下暗しという言葉があるくらいだ・・・・一本食われたな」
「モクキチ:悠長なことは言ってられん、狙われているぞ!下手に狙撃しようなんざ百年早い!!」
目的地であるビルから源一郎たちがいる場所までは250メートル、九九式狙撃銃(旧陸軍で使用されていた狙撃銃)を持っているということを含めれば確実に狙撃されてここにいる人間が死ぬ
撃ってこようとしないのは敵が気がついていないか、指揮をとる人間が気がついていないかだが射線には完璧と言っていいほど入っている。
まずは索敵をするが先決か・・・・だが馬鹿どもは今か今かと喧嘩ができるのを待っている。
田島睦夫に至ってはツルハシを素振りし始め、河野拓巳からアイアンクローをうけて・・・・アホだ
モクキチ・・・・お前はどこからタンバリンを持ってきた。ハヤスケ・・・・お前はマラカス振るなよ!!バレるだろ!!こっちの位置バレるよね?
もうやだこの人たち。
「源一:お前ら本気で助けに行くつもりあるのか」
「「「「「源一郎に任せます」」」」」
「源一:えー・・・・・まずは索敵をするぞ、建物の構造自体は警察はわかっていない。
目測で敵との距離は250メートル。この距離を保ちつつ別れて行動する」
「「「「「了解!!!」」」」」
「源一:大丈夫か、これ」
遮蔽となる建物の後ろに隠れ視覚・聴覚・触覚・嗅覚・ありとあらゆる軍人としての意識を全てに向け始めた
だがそれ以上に身体中が熱くなり始め、視界がいつも以上に冴えている。
脳内にこの場所の地図がスゥッと入ってくるように手に取るようにわかるが、河野歩美がいるであろうビルは外観だけはわかっても内装はわからず
持ってきた刀の鐺いわゆる刀の鞘の先で地面を叩き、その反響で脳にマップを上書きさせた
「源一:吉と出るか・・・・凶と出るか、それにしても最近化け物じみた力に磨きがかかってきたようだな」
怪しく光る月のように夜に透き通る目が二つ。じっと建物を覗き込んでいた
「歩美:・・・・このまま私殺されるのかな?」
手錠をつけられ、右足には麻縄で縛られもう片方は小さな柱にくくりつけられていた
だんだんと擦れて血が流れ始めているのがわかる
「お嬢さん・・・コレヲ使ってください」
目の前に立っていのは数人のミイラもどき、真っ黒い軍服の合間にくすんだカーキ色
焼けただれた顔・白骨化が進んだ腕 様々いるが彼らから生気を感じることはない
「歩美:あの・・・・ありがとうございます」
「生憎、コンナボロ切れしか・・・持ち合わせてイマセンガ。 使ってクダサイ」
小さなハンカチを手渡され、気がつかないうちに流していた涙を拭った。不安から耐えきれずに泣いていた。
「歩美:・・・あの、質問なのですが・・・・あなた達は一体どこから来たのですか」
「我々ハ・・・・・様々は場所で・・・・戦死シタハズノ人間達。でもいつの間にが暗闇のなかを歩き・・・イツノマニカココニ」
歩美のそばにこの場にいる一番小柄なミイラもどきが歩いて来た。だが最初に違和感を感じそのまま絶句してしまった。
首がやけに長い、普通の人間の首の長さではない。首をくくってなくなってしまった人のような長さ
もっと悲惨だったのは口を開けて覗き込んだことでわかった。舌が医療用のハサミで切られたのが無理やり切ったのか、ズタズタに切られていた。
「歩美:首が・・・・・・口が・・・・・・」
「あ”・・・い”・・・・あ・・・・い・・・。だ・・・・な”・・・・・あ”・・・」
それ以上は話せなかった、いくら亡くなってしまったと言っても生前の傷が影響して喋れないようだ
一類の希望を夢という名の形に残し意識を手放した。ただ正義のヒーローが来ることを願い
「モクキチ:どこにも突入できるような場所はなかった。敵の数をざっとみただけで8人だ」
「源一:人数は8人か・・・・分隊が一つぶん。やるなら一箇所、正面から・・・・か」
「ハヤスケ:お源、いや。田中少尉、やるしかありません!! 許可を・・・・迫撃砲を使う許可を!!!」
「田島:馬鹿たれ!!そんなことして歩美ちゃんにあたればどうする!?田中少尉、狙撃が有効だ!!」
「河野:話合っている暇なんて一つもないんだ、源くん・・・・田中少尉・・・・狙撃を具申する!!」
「川端:四方八方見て来たが、面倒なことに重機関銃が4機。軽機関銃が8機。手榴弾まであることを考えれば市民にまで被害出る!!」
突入口か一箇所、無理に入れば蜂の巣になるのは必須。かと言って他に方法がない
最悪だ。
「源一:川端少尉と河野少尉はここから百メートル後方の、離れた建物の屋上から狙撃を敢行!!狙撃にあたっては専用の徹甲弾を使え!!」
「川端:おう!!俺は下手くそだから観測手をするぜ!!」
「河野:僕の狙撃の腕が試されるようだな・・・任せろよ・・・あいつの大動脈を素手で引きちぎってやる」
「源一:頼もしいな・・・木下少尉は左に30メートルの建物で観測、田島少尉は俺と来てくれ。速水少尉が言うように迫撃砲を使う」
「田島:お前ふざけてるのか!!」
「田中:できるんだろ、速水?爆薬は抑えているんだろう?」
「ハヤスケ:当たり前だ、戦友の子を殺すばかがいるか!!」
「源一:そうと決まればやるぞ!!全員配置につけ!!」
その前に、狼煙を上げてやるか。敵の気をこっちに向けて歩美の命の時間を稼ぐ
そしてこの時間帯なら、あいつらが気がついてこっちに来るかもしれない
今この場にある拳銃で撃つタイプで、発煙してくれるような大型の弾は一つ。
頼む、気付いてくれよ!!!
「源一:発煙弾を打ち上げる、そのあとに狙撃を敢行。撃ち方ヨーイ!!!」
「ハヤスケ:弾数1、赤色発煙弾。左方向砲戦、撃ち方ヨーイ・・・・はじめ!!!」
ダァァァァァァン!!!
雷のように空間をつんざく音。いくら耳を抑えながら打ち上げても痛くて仕方がない
何年経ってもこれだけは慣れないな
「川端:おっぱじめたな!!目標、建物の右方向・敵兵1。撃ち方はじめ!!」
「河野:目標、右方向・敵兵1。撃ち方はじめ!!」
バァァァン!!
正確に打ち込まれた弾は敵の眉間を貫きそのまま天を仰ぐように倒れこんだ!!
倒れた仲間に気がついて確認をしたミイラもどき、傀儡もこめかみを撃ち抜かれ5メートル吹き飛び倒れた!!
「河野:右方向・敵兵2、完全に沈黙。撃ち方やめ!!・・・・・・え?雄大くん、どうしたの?」
「川端:お前って時々おっかないよな・・・・和製の、シモ・○イヘだと思う」
「河野:・・・・・シモ・○イヘ?。・・・じゃなくて田中少尉、いつでもいけます!!」
敵兵が一気に二人やられ、残りは6人。敵としても黙ってなどいない、だが本丸は嬉々として喜んでいるだけ。仲間がやられているのに、声高らかに笑っているだけだ
「カワノ:いいねぇ・・・面白くなって来た。こんな女の生皮なんざイラネェ!!!全部まとめて潰してやらぁ!!」
ダダダダダダダダダ!!!
「モクキチ:・・・!敵が動いた、おいおい。重機関銃ぶっ放し的だぞ!!ハヤスケ、迫撃砲を!!」
「ハヤスケ:仰角60度・・・・射角このまま、迫撃砲・・ぅテェー!!」
「田島:テェーーーーー!!!!」
ダァァァァァァァァァン!!!
緊急無線が首都高を走るあの刑事たちの耳に届いた。要は品川でどんぱち合戦が始まったということ
盛大に花火を上げているので110番通報が入ったらしく、こんなことができるのは源一郎たち以外に考えられない。
警視庁全体が色々な意味でお祭り騒ぎになっていた。
「下:品川から発煙騒ぎがあったとの通報あり!!なお自ら隊が急行中だとよ!!」
「李:あんじじどんはやったとか!!念のためにSATを呼んでおいたほうがいいかもしれない!!」
「吉:もうすでに呼んだって!私たちが行くまで勝手にくたばるなよ、じいちゃん」
赤い光の列が高速で動き、緊迫した世界が広がりを見せていた。
品川でも同じ、あらかたの敵はかたずけて残りは2人となったが手を出せない。
そこにいたのは、目を潰され片方の腕が異常なまでに筋肉が発達し、腹には機関銃を無理やり癒着させ、気味の悪い姿をした化け物が歩美を抱え
その傍らに、化け物からの指示でブルブルと震える、首が長いがどこか少年のような面影を持つ男が震える手で拳銃を握りしめ歩美のこめかみに銃口を向けていた。
「化け物:ひひひ・・・どうだよ見たか?これじゃぁ手も足も出せないってか?ミカズチ?」
「河野:お前は・・・・井ノ部軍曹か?・・・・・最悪だ。お前・・・白石の右腕だった男か?」
「化け物:あ”?そういやあんた・・・・・なるほどこいつの曽祖父っていうわけか・・・面白くなって来たぜ」
井ノ部と言われた人物だがもうその姿は人間ではない、源一郎が想起したのは創真がよくやるゾンビ系のゲームに出てくるボスのような存在となるようなソンビだ
あれが目の前でケラケラと笑い声をあげている。だがゾンビと違うのは、異常に発達した腕から白い粘膜のような半固形の物体が体から出て来ていること
それに加えて甘い香りがする、死臭とは異なるような甘ったるい匂い。どこかで嗅いだことのあるような・・・・
そして首がやたらと長い男を見て何も言えなくなっていた。
「源一:そうか・・・お前もここに呼ばれたか・・・タツヒコ」
「ハヤスケ:あいつ、確か!!」
「源一:下がっていてくれ、ここから先は俺の戦いだ。その前に作戦がある聞いてほしい・・・・」
歩美:どこかで嗅いだことのある甘い匂い、知らせなくちゃ・・・・これの正体。人間じゃぁない。強心剤でも使われるこの独特の匂い、なんとしてでも教えなくちゃ
この人の体にはそれが打たれてある、うなじのところに隠すかのように注射で打たれた後が・・・・・
思い出した、これ・・・・・・。ひいおじいちゃん・・・・・お願い気がついて・・・
「歩美:プープ・プープ!。 ぷ・ぷ・ぷー・ぷ・ぷ。 ぷ・ぷー・ぷ・ぷー 」
「田島:あん?何言ってんだ、拓巳のひまごちゃんは?」
「歩美:ぷ・ぷ・ぷ・ぷー!ぷ・ぷ!! ぷー・ぷー・ぷ! ぷ・ぷー・ぷー・ぷー・ぷ!!」
「ハヤスケ:どこかで聞いたことがあるような・・・」
「歩美:ぷー・ぷー・ぷ! ぷ・ぷー・ぷ・ぷー・ぷ!!」
「化け物:なに言いやがった、クソアマガ!!!だから女は嫌いなんだよ!!」
ギリギリと閉められる首、でもそんなことはどうでもいい・・・せめて化け物を倒してくれるなら・・・
軍人なら、日本兵だからわかってくれるはず。この音の意味も・・・・何を伝えたかったのかも
少し前に覚えておくと損はないと言ってくれたから、使った。
だめだ、意識が遠のきそう・・・無・・・・・理・・・・
「源一:その手を離せ・・・・・ゲス野郎が・・・・・」
ゆっくりと刀を抜き、歩み寄る二つの金色の目。鬼気迫る血の気に青い炎のようなオーラをまとう姿。
迫るものに気がつき、思わず後ずさりをはじめる。相手にしてはいけない、すればすぐに消される
感情など一切を捨てて狙うは命だ
「源一:お前の相手は俺だ・・・・井ノ部・・・・かつてのように目を潰してやろうか?」
「化け物:そうこねぇと・・・面白みにかけるんだよ・・・来いよミカズチ!楽しませろ!!」
今回も案の定ペラペラでした
この回では、一つ伏線を回収したのです。ここ書きたかったところ!!
本当は困難がいいなと思っていたのですが変更してこうなりました
ヒントは歩美が言ったプープーのとこらへんです、これ和文のモールスです
答え合わせは来週にします
次回予告
体が冷えていく・・・・・目が霞んできはじめた・・・・俺は・・・・死ぬのか・・・
戦いの中で消えるのか・・・・・・フッ・・・本望だ
「歩美:そんな・・・・どうして・・・・イヤーーーーーーーー!!!」
「源一:・・・・・・・・・」
目の前の惨状に誰も答えられない。助けてくれるはずの人が・・・・・
「田島:ターーーーーーーーーナーーーーーーーーーガアアアアアアア!!!!」
あたりに舞う血のにおい、冷えていく鼓動
「化け物:お前の首は俺がもらう!!!このままくたばれ!!!」
「ハヤスケ:殺させてたまるものか!!!!!!!」
「源一:・・・・・・これはあの世か・・・見事に梅が咲いているな・・・・」
梅の匂いに目を覚ました源一郎が見たものとは・・・・・
「??こんなところでくたばっていいのか?」
次回
発動、真打ち建御雷兵!!
「源一:・・・どうやら俺は死に際が悪いらしいな」
次回で河野戦は終了です




